ようこそ摩訶不思議堂へ シリーズ

新雪小太郎

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加速してよかよか

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——幸福と不幸は、ねじれ、絡み、ほどけ、また結ばれる。
湯気の奥から現れた“もうひとりのロウシマツ”。
読者のあんたは、その場に居合わせたただの客……のはずやった。
しかし。
◆◆まさかの“事故”が起きる。
勇作「ロウシマツさん! 逃げよ!?」
そう叫んだ瞬間——
足元に置かれたそばの出汁桶が、
勇作の足に当たり、
ガシャーン!!
と派手にひっくり返った。
読者(あんた)は反射的に身体をのけぞらせ、
その弾みで屋台の紙提灯を**バサッ!**と落としてしまう。
紙提灯は転がり、
影ロウシマツの足元へ。
影ロウシマツ「……っ!」
提灯の火が影ロウシマツの足袋に燃え移る。
勇作「ヤバッ!!
……って、案外ええ感じに混乱してへん!?」
ロウシマツ(本物)はすかさず動いた。
「今や!!」
影ロウシマツが火を払うためにバランスを崩した隙、
ロウシマツは読者の腕をつかみ、
ズルッ!!
と、屋台の裏へ飛び込んだ。
◆事故は不幸のようで、思わぬ幸福を呼ぶ。
読者(あんた)は息を切らしながら言った。
「ご、ごめんなさい……
全部、私が倒して……!」
ロウシマツは首を横に振る。
「いや、あれで助かったんや。
“幸と不幸はアザナエル縄”や。
不注意の事故が、命を救うこともある。」
勇作も続ける。
「ほんまやで。
あんたが提灯落とさんかったら、
ワイらまとめてやられてたわ。
……あれは“幸運”や。」
影から逃げ延びたのは、
まさに偶然が生んだ結果。
失敗が幸運につながる、
ロウシマツの言う“アザナエル縄”そのものやった。
◆しかし、影ロウシマツはまだ近くにいる。
その時、
屋台の表からガラスのような音が響いた。
——ピシ……ピシシ……
まるで氷が割れるような不吉な音。
影ロウシマツの声が遠くから聞こえる。
「逃げても無駄や。
ロウシマツ……
お前の“アザナエルの秘密”、
ワシが全部暴いたる。」
勇作「うわ……悪役っぽい言い方やな……
これ絶対ヤバいやつやん。」
ロウシマツは、読者の顔をまっすぐに見つめる。
「客人。
もはや、あんたも巻き込まれてもうた。
けど安心せえ。
この屋台にはまだ隠し札がある。」
読者(あんた)「……隠し札?」
ロウシマツ「そうや。
屋台の“起源”に関わる秘密や。」
勇作「え、それ前に言うてた“伝説の店主・まお”の……?」
ロウシマツ「せや……“まお”が残した秘密や。
あれは、ただの昔話やない。」
影ロウシマツの気配が近づく中——
ロウシマツは静かに口を開く。
◆次回:
「まおの残した“アザナエル文書”が暴かれる——
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