ダメダメサラリーマン 老子小太郎物語

新雪小太郎

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会社運動会の日 やってきた台風どうする小太郎

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会社主催の運動会の日、社員たちは早朝から会場の準備に追われていた。普段は地味なオフィスが、今日は華やかな雰囲気に包まれている。テントが立てられ、スポーツ用品が整列し、バーベキューの準備が進んでいた。みんな、運動会を楽しみにしていた。
だが、その日、天気予報は異常だった。予想以上の台風が接近し、午後には強風と豪雨が予想されていた。
「どうしよう、台風が来るって!今日、運動会だよ!」
「こんなに天気が悪いなんて、外でできるわけないじゃないか!」
社員たちは不安げに空を見上げていた。
その時、会場に現れたのは、小太郎だった。いつも通り、肩にスポーツバッグをぶら下げ、のんきに歩いてくる。
「おっす、みんな!台風、来とるやんけ!」
「小太郎、そんな軽いノリで言うなよ!台風来てんだぞ!」
「ほんまにどうするんですか?」
課長も部長も焦った顔で小太郎を見つめる。
「いやー、大丈夫大丈夫、心配せんでええよ。運動会ってのは、台風ごときに負けちゃいけないんや!」
小太郎はそう言って、周りの社員を安心させようとするが、みんなの顔に不安が色濃く浮かんでいる。
「いやいや、どんなに楽観的でも、台風の中で競技やるわけにはいかんだろう!」
「そうだよ、屋内でやらないと命に関わるかもしれないんだから!」
小太郎はニヤニヤと笑いながら言った。
「安心せぇ、俺が考えたプランがあるから!」
「プラン!?お前、どうすんだよ…」
そこで、小太郎は突然、みんなの前で堂々と宣言した。
「よし、みんな、運動会を…室内でやろう!場所を変えただけで、もう問題なし!」
社員たちは一瞬ポカンとした顔をしたが、すぐに反応を返した。
「室内って、どこに?」
「ここにある大広間でやるんだよ!外のテントはそのまま使って、ビニールで囲って温かくして、ゲームスタートや!」
その後、小太郎はあれこれと即席で手配を始め、すぐに会場を室内で使えるように準備した。テントはそのまま使い、風雨をしのげるようにシートで囲い、足元を乾かすために大きなヒーターも持ち込んだ。途中、社員たちは小太郎の急な行動に驚きつつも、その勢いに引き込まれ、次々と手伝い始めた。
そして、台風が吹き荒れる中、ついに運動会が始まった。外は暴風雨だが、室内に転がしボールや縄跳び、さらにはドッジボールのコートが設置され、社員たちは歓声を上げながら競技を楽しんでいた。
「おお、小太郎、やればできるじゃないか!」
「ほんとに台風の中でもこんなに楽しめるなんて!」
「どうしてこんなことを思いついたんだ?」
小太郎は自信満々に答える。
「だって、俺はね、どんな困難もユーモアで解決する男やから!」
「お前、ほんとに…」
運動会は無事に進み、台風の猛威を感じることなく、楽しい時間が流れた。社員たちは小太郎に感謝し、普段見せないような笑顔で声をかけた。
最後にはみんなでバーベキューを囲み、外の嵐を背にして、温かい食事を楽しむことができた。小太郎は満足そうにお肉を焼きながら言った。
「ほら、運動会も楽しく終わったし、台風も笑い飛ばしてやったで!」
社員たちは改めて、小太郎のユーモアと行動力に感謝し、その日、会社の運動会は台風の中でも一番楽しい思い出として語り継がれることになった。
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