ダメダメサラリーマン 老子小太郎物語

新雪小太郎

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小太郎 一日だけよ社長に任命される

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ある朝、老子小太郎はいつものように会社に出勤した。エレベーターで眠そうにあくびをしていると、突然、人事部長が慌てた様子で駆け寄ってきた。
「小太郎君!緊急事態だ!今日一日、君が社長だ!」
「あ、あれ?なんで俺が社長に?」
小太郎は目をパチクリさせる。
「社長が急病で入院してしまったんだ。でも、今日の取引先との重要な会議をどうしても進めないといけない。他に適任者がいないから、君に任せる!」
「いやいや、俺ただの平社員ですよ?社長なんて無理に決まってるでしょ!」
「大丈夫だ。君の自由な発想が、今こそ会社に必要なんだ!」
人事部長に押し切られ、小太郎は特製の社長バッジを胸に付けられた。その瞬間から、小太郎の「一日社長」としての挑戦が始まった。
朝の役員会議
社長室で開かれた朝の役員会議。重役たちがズラリと並ぶ中、小太郎が悠々と現れる。
「皆さん、今日から俺が社長や!よろしくな!」
役員たちは困惑気味だ。
「小太郎君、本当に大丈夫なのか?この会議では、新規事業の提案が必要だぞ。」
「おう、それやったら任せてくれ!俺にアイデアがある!」
小太郎はホワイトボードに堂々と書いた。
「社員食堂のメニューを全面リニューアル!」
「ちょ、ちょっと待て、小太郎君。今、話しているのは海外進出の計画だぞ!」
「海外進出もええけどな、社員の胃袋をつかむ方がもっと大事や。美味しいご飯があれば仕事も頑張れるやろ?」
重役たちは呆気に取られたが、一人がポツリと漏らした。
「確かに、最近の社員食堂のカレーは味が薄いんだよな…」
これがきっかけで議論がヒートアップし、いつの間にか新しいメニュー開発プロジェクトが立ち上がることに。
取引先との会議
次は、大手クライアントとの契約交渉。小太郎はスーツを着直し、堂々と会議室に入る。
「お世話になってます!今日は俺が社長代理です!」
クライアントの担当者は驚いた表情を浮かべるが、すぐに冷静を取り戻し、商談を進める。
「では、この条件で契約を進めたいと思いますが、いかがでしょう?」
提示された条件は厳しいものだった。役員たちは目をそらし、どうしようか悩む。
その時、小太郎が手を挙げた。
「ちょっと待った!こんな堅い話ばっかりしても盛り上がらんやろ?」
小太郎は突然、テーブルの上にあったコーヒーを持ち上げ、言った。
「これでジャンケン勝負や!勝った方が有利な条件を取る。それがフェアやろ!」
会議室は静まり返ったが、クライアントの担当者が笑い出した。
「面白いですね!では、やりましょう!」
こうして、小太郎の型破りな交渉術で、会社側が少し有利な条件を引き出すことに成功した。
社内の改革
昼休み、小太郎は社員のデスクを回り、一人ひとりに声をかけた。
「どうや?仕事楽しいか?困ってることないか?」
いつも上層部に声をかけられることのない社員たちは、突然の「社長訪問」に驚きつつも、次々と不満や提案を口にした。
「もっとフレックス制度を取り入れてほしいです。」
「業務効率化のツールが古いんです。」
小太郎は全てメモを取り、午後には「緊急社長決裁」として改善案を即決。「フレックス制度導入」と「最新ツールの導入」が一日で承認され、社員たちは拍手喝采。
最後のサプライズ
定時が過ぎ、社員たちが帰り支度をしている中、小太郎はマイクを持って全社放送を始めた。
「お疲れさん!今日は俺が社長やったけど、みんなよう頑張ってくれたな!感謝の気持ちを込めて、帰り道にアイスを配っとるから、全員受け取って帰ってや!」
出口には冷蔵庫が用意され、全社員に配るためのアイスがぎっしり。誰もが笑顔で受け取り、「小太郎社長最高!」と声をかけて帰っていった。
社長復帰後の反応
翌日、社長が復帰し、小太郎の行動を聞いた役員たちは苦笑いしながらも、口を揃えて言った。
「いや、あの自由奔放さが逆に良かったな。」
「社員のモチベーションも上がったし、あれはあれで成功だったのかも。」
社長も笑顔で小太郎を呼び出し、言った。
「小太郎君、君は型破りだが、社員のことをよく見ている。これからもその姿勢を忘れないでくれよ。」
小太郎は頭をかきながら、こう答えた。
「いやー、俺には社長は向いてないっすわ。でも、社員の一人としては全力出しますから!」
こうして、小太郎の「一日社長」は笑いと感動をもたらし、会社全体に新しい風を吹き込んだのだった。
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