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二上山の怪 続編
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山を下りる二人
シェリーが後ろを振り返り、再び仏舎利塔を見つめる。
「なあ、小太郎…ほんまに終わったんけ?」
「終わったやろ。だって、あの白い影、消えたがや。」
小太郎は自分に言い聞かせるように答えるが、心のどこかで拭いきれない違和感があった。
山を下りる道は、来た時よりも暗く、不気味なほど静かだ。二人の足音だけが、カサカサと落ち葉を踏む音を響かせる。
「……なんや、これ。」
小太郎は立ち止まった。目の前の登山道が、いつの間にか左右に二手に分かれている。
「おかしいやろ。登ってきた時、こんな道あったか?」
「ううん…記憶にないわ。」
二人は顔を見合わせた。風が吹き抜け、木々がざわざわと揺れる音が耳にまとわりつく。
「右行くか、左行くか……。」
「こういう時、変に考えん方がいいんちゃう?どっちか適当に決めよ。」
小太郎は深呼吸し、右の道に足を踏み入れた。シェリーも後に続く。だが、進むたびに風は冷たくなり、辺りには薄い霧が漂い始めた。
道の先に待つもの
霧が次第に濃くなり、視界が遮られた。小太郎は前を進みながら、シェリーの手をしっかりと握る。
「これ、ほんまに帰り道なんけ?」
「わからん。でも、引き返してもしゃあない。」
すると、霧の向こうにぼんやりと光が見えた。
「誰かおるんか?」
小太郎が声を上げると、返事はない。ただ、光がゆっくりとこちらに近づいてくる。
やがて光が近づくと、それは古びた提灯を手にした一人の老人だった。
「……また、お前か。」
シェリーが小声でつぶやいた。
そう、それは先ほど仏舎利塔で見た白装束の老人だった。だが、今度の老人は目に生気があり、不気味なほどハッキリとした声で語り始めた。
「戻る道はないぞ…。」
「なんやと?」
「鐘を鳴らした時、お前たちは“境”を越えたんじゃ。今さら逃れられるものか。」
老人がそう言った瞬間、地面が再び揺れ、霧の中から無数の手が這い出してきた。
小太郎とシェリー、反撃!
「うわっ!なんやこれ!」
白い手が二人の足に絡みつこうとする。小太郎は反射的に立ち上がり、身構えた。
「シェリー、後ろ下がれ!」
小太郎は深い呼吸を一つし、腰に下げていた木刀を抜いた。小太郎は古武道の使い手。祖父から教え込まれた型が自然と体に染みついている。
「うぉりゃああ!」
木刀を振り下ろし、這い上がってくる手を次々に打ち払う。
シェリーも立ち上がり、空手の構えを取った。
「小太郎、あんた一人でやらせるかいな!」
シェリーは前に出ると、迫り来る白い手に正確な突きを放つ。
「上段づき!中段づき!下段っ!」
続けざまに突きを決め、最後は「まわし蹴り!」と鋭い蹴りが白い影を吹き飛ばした。
「シェリー、かっこええなぁ。」
「いまさら褒めんといて!」
真相の扉
老人は不気味な笑みを浮かべ、提灯を高く掲げた。すると、霧の奥に巨大な門が現れる。
「真相を知りたければ、そこへ行け。」
「真相…?」
「鐘の音が開いた扉じゃ。そこには、過去の因縁が眠っとる。」
二人は門をじっと見つめる。引き返す道はすでにない。小太郎とシェリーは静かにうなずき合い、門の中へと足を踏み入れた――。
次回へ続く
シェリーが後ろを振り返り、再び仏舎利塔を見つめる。
「なあ、小太郎…ほんまに終わったんけ?」
「終わったやろ。だって、あの白い影、消えたがや。」
小太郎は自分に言い聞かせるように答えるが、心のどこかで拭いきれない違和感があった。
山を下りる道は、来た時よりも暗く、不気味なほど静かだ。二人の足音だけが、カサカサと落ち葉を踏む音を響かせる。
「……なんや、これ。」
小太郎は立ち止まった。目の前の登山道が、いつの間にか左右に二手に分かれている。
「おかしいやろ。登ってきた時、こんな道あったか?」
「ううん…記憶にないわ。」
二人は顔を見合わせた。風が吹き抜け、木々がざわざわと揺れる音が耳にまとわりつく。
「右行くか、左行くか……。」
「こういう時、変に考えん方がいいんちゃう?どっちか適当に決めよ。」
小太郎は深呼吸し、右の道に足を踏み入れた。シェリーも後に続く。だが、進むたびに風は冷たくなり、辺りには薄い霧が漂い始めた。
道の先に待つもの
霧が次第に濃くなり、視界が遮られた。小太郎は前を進みながら、シェリーの手をしっかりと握る。
「これ、ほんまに帰り道なんけ?」
「わからん。でも、引き返してもしゃあない。」
すると、霧の向こうにぼんやりと光が見えた。
「誰かおるんか?」
小太郎が声を上げると、返事はない。ただ、光がゆっくりとこちらに近づいてくる。
やがて光が近づくと、それは古びた提灯を手にした一人の老人だった。
「……また、お前か。」
シェリーが小声でつぶやいた。
そう、それは先ほど仏舎利塔で見た白装束の老人だった。だが、今度の老人は目に生気があり、不気味なほどハッキリとした声で語り始めた。
「戻る道はないぞ…。」
「なんやと?」
「鐘を鳴らした時、お前たちは“境”を越えたんじゃ。今さら逃れられるものか。」
老人がそう言った瞬間、地面が再び揺れ、霧の中から無数の手が這い出してきた。
小太郎とシェリー、反撃!
「うわっ!なんやこれ!」
白い手が二人の足に絡みつこうとする。小太郎は反射的に立ち上がり、身構えた。
「シェリー、後ろ下がれ!」
小太郎は深い呼吸を一つし、腰に下げていた木刀を抜いた。小太郎は古武道の使い手。祖父から教え込まれた型が自然と体に染みついている。
「うぉりゃああ!」
木刀を振り下ろし、這い上がってくる手を次々に打ち払う。
シェリーも立ち上がり、空手の構えを取った。
「小太郎、あんた一人でやらせるかいな!」
シェリーは前に出ると、迫り来る白い手に正確な突きを放つ。
「上段づき!中段づき!下段っ!」
続けざまに突きを決め、最後は「まわし蹴り!」と鋭い蹴りが白い影を吹き飛ばした。
「シェリー、かっこええなぁ。」
「いまさら褒めんといて!」
真相の扉
老人は不気味な笑みを浮かべ、提灯を高く掲げた。すると、霧の奥に巨大な門が現れる。
「真相を知りたければ、そこへ行け。」
「真相…?」
「鐘の音が開いた扉じゃ。そこには、過去の因縁が眠っとる。」
二人は門をじっと見つめる。引き返す道はすでにない。小太郎とシェリーは静かにうなずき合い、門の中へと足を踏み入れた――。
次回へ続く
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