小説 Life is gas 勇作とシェリーの物語

新雪小太郎

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Life is gas 勇作とシェリーの物語 序章

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小説『Life is Gas』
老子小太郎(ろうし こたろう)は、町外れの古びた洋館に住む少年やった。親父が遺した膨大な本の山ん中で過ごす毎日は、風の音と、時折迷い込む猫の鳴き声だけが彩りやった。
ある日、小太郎は近くの川っぷちで少女に出会った。彼女の名前はシェリー。陽に透ける髪を風になびかせ、古びたハーモニカを奏でとった。その音色はどこか懐かしく、そして切なかった。
「君、名前なんけ?」
「シェリーやちゃ。あんたは?」
「俺は小太郎。この辺に住んどるがいね。」
そうして二人は、川っぷちでの何気ない時間を共有するようになった。シェリーは少しずつ小太郎に心を開き、ある夜、ぽつりとこう言った。
「なあ、小太郎。世界ってほんま不思議やちゃ。夢みたいやけど、どっか儚いんやちゃね。」
「うーん、よくわからんけど……それって、『Life is Gas』ってことけ?」
その言葉に、シェリーはふっと笑うた。その笑顔に、小太郎の胸がきゅんと高鳴った。
けんど、そんな穏やかな日々は長く続かんかった。シェリーが時折、誰かを避けるように怯える様子を見せるようになったがいね。
「シェリー、なんか隠しとるんけ?」
「……なーんもないちゃ。ただ、ちょっと思い出したくないことがあるだけやちゃ。」
それ以上何も語らん彼女に、小太郎はそれ以上突っ込めんかった。でも、数日後、町に衝撃的なニュースが広がった。近くの廃工場で爆発事故が起きて、一人の男が亡くなったげん。亡くなった男は、シェリーの親父やった。
それを知っても、シェリーは涙一つ見せんかった。ただ、小太郎にぽつりと言ったがいね。
「小太郎、もう会えんかもしれんちゃ。でも忘れんといて。Life is Gas――どんなに辛くても、世界は美しいがいね。」
その夜、彼女は町を去った。小太郎は、彼女が座っとった川っぷちの石に手を置いて、ぼんやり呟いたがいね。
「シェリー、君が言ったこと、俺はずっと覚えとるちゃ。」
彼女が奏でたハーモニカの音色が、風の中にかすかに響いとるように感じた。
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