私の犬

らん

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2.久しぶり(2)

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「久しぶり。花織ねぇね」


その言葉に私は頭が真っ白になった。

「元気してた?花織ねぇね、めっちゃ可愛くなったね」

この子の名前は佐藤花那。私の一個下の子。私が小学校低学年の時、隣に住んでた子。
私はこの子の事をよく覚えてる。
花那は私より頭が良くて、いつでもどこでもみんなにちやほやされる。私はそんな花那が憎かった。
お父さんは花那と私を比較して、私のことは馬鹿だと罵り、どうしてこんな子になったのか。どうして生まれてきたのか。私の存在意義はあるのか、と毎晩のように言ってきた。そのことをお母さんは庇ってくれてたけど当然夫婦喧嘩になり、結果離婚した。

お父さんとお母さんが離婚したのはコイツのせいだ。

私は幼くてもそう感じ、花那をずっと憎んでいた。
私が小学2年生の時、花那はアメリカへ行った。もう帰ってくることはないという噂を聞いて、私は心から喜んだ。なのになんで?なんでいるの?どうしてここに?そしてなんで.........






私の中学校の制服を着ているの?







一瞬で色々な感情が込み上げてきた。
どうしているのという困惑や、何しに来たのという怒り、そして、お前のせいで。という憎しみ。

「花織ねぇね、うれしい?花那が戻ってきて。」

そう花那は聞いてきた。嬉しいわけない。お母さんはどこ?私のお母さんは?

「お母さん知らない?」

混乱して咄嗟にでた言葉。

「ん~?さっき空港に行ったよ?」

花那の言葉を聞いて、困惑した。

「ど、どうして?」

「アメリカに行ったんだよ。」

「え?」

「そして花織ねぇね!サプライズがあります!」

「サプライズ?」

「うん!今日から花那たちね」








「一緒に暮らすの!」








は?

どうして花那と私が?私のお母さんまで奪うの?どうして?返してよ。私のお父さんとお母さん。返せよ。

「花織ねぇね、うれしい?ねぇうれしい?」

「えっと、、」

「うれしいよね?ペットと一緒に暮らせるもんね?」


昔、花那がプレゼントをくれると言った。
花那が買えそうにないもの、買えそうにないもの、、

あっ、

「私、ペットがほしいなあ」

私は咄嗟に思いついた言葉がこれだった。
そして花那はこう言った。

「花那がペットになってあげる!」



「花織ねぇね、いや、ご主人様?」

「また花那をペットにしてくれますよね?」

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