【 完結 】雨の日

サリア

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雨の日【後編】

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 「起きなさい!起きなさい!…起きろってば!」

あぁ…?何があったんだ…瞼が重い。目を開こうとすると痛みがある。
あっ俺はあの女に剣で斬られて…っなぜだ?体中を見回すが傷がない。もしかして、あいつ鞘に剣を入れたまま殴ったのか?


目の前にはクマのような長身のがっちりとした男がいた。

「お!起きたわね。それ着なさい。着ていたのは汚れていたから捨てたわよ。」

驚いた。男が、それもクマのような男が女言葉を喋っている。
だが、助けてくれたのか…?よく分からないが、俺への敵意はないようだから指示にしたがう。

「分かった」

「ここは何処だ?」

平民街の者達が着るような服を来てから男に言う。

「まぁ待ちなさいよ。まずは自己紹介をさせて。私はマザリ。この店のオーナーをしてる。まぁ、ここは服屋ね。んで私の家。さっき君スリをしたでしょう。そのスラれそうになった女の子に依頼されて此処で世話してるわけ。君、名前は?」

依頼された?あの俺を殴った女がか?おかしな話だがまずは質問に答える。

「シジだ。」

スラれそうになったってよりかは一回スッたんだが、その後つかまったっていう方が正しいなとあまり回っていない頭で考える。

「君はこれから、私が鍛える。そして、世界最強の域に達してもらう。そして、あの子の護衛になってもらう。そうしなければあの子は救えないから…何より、セーラ自身が誰かを確実に強くなるっていうのは初めてだから私が気になるってのも大きいかな。」

何を言っているのか分からない。まず何故俺が強くなる必要があるんだ。というか俺に才能があるってどういうことだよ。

「あの子、セーラちゃんって言うんだけどね。あの子が君には才能があるって言ってた。あの子はこの世界に10人もいない聖女だからね。その子を全てから守るためには世界最強になってもらわなきゃ行けないってわけ。」

「幸い君はまだ、15そこらでしょ?だから魔力の開花の可能性もある。それも試してあげるわ。剣術ももちろんね。」

なんか分からないが、この男がいる限りここから抜け出すことは難しそうだ、と部屋をさり気なく見渡しながら考えた。

「君抜け出そうとしてるわね?バレバレだから。私がいる限り抜け出すことは不可能だと思いなさい。」

…バレてた。よく見るとこの男、体から溢れ出る殺気、闘気が尋常ではない。この男が言ってることは、自分の実力を正確に把握した上なのだろう。クソッ諦めるか。

「妹がいる。俺は妹を養わなければならない。早くいかないと飢える。」

「あ、そうなのね。じゃあ今も兄の帰りを待っているってことね。そこは了解したわ。何とかする。」

「おい、何とかするってどういうことだ。第一、俺のねぐら知らねぇだろ。」

「分かるわ。そのくらい。世界で二番目の魔法使いの私を舐めてもらっちゃ困るわね。」 

意味がわからない。世界二?これは冗談なのか?この男は本当にそうかのように自信満々で答えるな。よく分からないが、俺の家を特定できるというのはあながち嘘でもないのだろう。ってか一位じゃないのか。

この男の周りに漂うフワフワとした何か、ああここでは魔力って呼んでんのか?分からないが、それが表している。もしかすると、あのフワフワの使い方次第で居場所探知的なことも出来るのか。スリに応用できそうだな…

「まぁ、とにかくシジは訓練に集中させるわ。覚悟しときなさい。明日は朝一番に魔力解放の儀をやるから、今日は夜になったら風呂に入って早く寝なさい。今日中に妹ちゃんは会わせてあげるから。」

そういうことらしい。


******


 美しいガラスの窓の外、鳥のさえずりで目を覚ます。あ、ここはいつものねぐらじゃないんだった。と思い、その気持ちよさにまた目を閉じてしまう。そのうち、陽光が顔を照らし、くすぐったいような気持ちになりやはり瞼を開けた。

妹には会ったが話せない話題があるため、隔離したらしい。

普段では考えられないような、豪勢な朝食で腹を満たした。

貧民街の人間はこんな食事が、1年に1回取れるかどうかというものだろう。不思議に思ってマザリに聞く。

「平民はこんな良いもんを毎日食ってんのか?」

「良いもん…これは普通だけれどね。私たちにしてみれば、そうね。でも、おそらくシジがお貴族様の食事を見たら目を疑うでしょうね。この、シジから見て豪勢な食事を食べてる私ですら初め見た時は驚いたんだもの。」

貴族の食事はそんなに凄いものなのか。ぜひ食べてみたいという気持ちがありつつも、そんなものを食べたら今までの食べ物は一生喉を通さないだろうと思い、やはり俺にはこの位の贅沢が一番だな、と思い直す。

というか、結局今なんでこんな良いもん食べれてるのかが、そもそもの疑問なんだが。俺、スリした罪人なんだが。普通なら。

「さぁ!まだわからないことも多いと思おうけど、今日は君の人生を決めると言っても過言ではない魔力解放の儀を行いまーす!!あ、でも期待しちゃダメよ。魔力なんて、あっでも微量の場合が殆どでこのヘドミン王国でも魔法使いなんてほとんど居ないんだから!むしろ魔力すら持ってない人も結構いる。

魔力には属性があるのだけど、私は炎属性を持ってる。本当に偶にダブルという二属性持ちもいるけれどこの時代には多分まだ発見されていないわね。属性はこのアーティファクトの内部にある結晶石の色で判断できる。やったら私が判断してあげるわ。ほら、手を近づけて、そして手に神経全てを集中させるようなイメージをして。」

言われた通りに豪華な装飾が施されたアーティファクトとかいう物に手を近づける。

マザリがいったイメージを浮かべたその瞬間、驚くべきことが起きた。
結晶石が初めはすべて、満遍なく漆黒で染まり、それから次に目を瞑りたくなるような強烈な光を出し始めたのだ!

これにはマザリも驚いたらしい。

「ここまで!有り得ない!こんなに凄い反応を示したのはおそらく、この国の初代国王くらいしか居ないわよ。しかも、闇のような黒、神聖さを示す白の2色発光。これは貴方が属性のダブル持ちであることを示している。しかも!その属性は背反すると言われている闇属性と聖属性!!貴方何者?!本当に貧民街住みなわけ?!有り得ない!」

力が漲る感覚がある。今ならこの目の前の男にも勝てると思う。異質な確信があった。しかし、こちらは良くしてもらい、魔力解放もしてもらった身だ。ここで暴れるのは得策ではないだろう。

「ああ、なんか自分の中に今まで軽くしか感じられなかったものがはっきりと感じられる感覚がある。これが魔力、でいいのか?そう言えば今だからこそくっきり見えるが、マザリの周りにあったやつはやっぱり魔力ってやつだったんだな。」

「え?もしかしてシジ。魔力解放すらしてない状態で私の身に纏う魔力が見えていたの?!あぁ…これは飛んだ逸材ね。何故今まで放置されていたかむしろ疑問に思えてきたわ!セーラが言った意味も頷ける。魔力解放しても、相手の魔力を見ることが出来ない人も多いのに!!ダブルだったのが判明したから少し薄れていたけれど、魔力量だって半端なもんじゃないわ!多分私…負けてるわね。」

なんか、俺の魔力はすごかったらしい。


******


 「では、魔法ありの訓練試合を始める!」

俺の力を見るための試験が始まった。武器は木剣の一本が用意された。

俺が出来るのは今まで通り、足音を消すことや、自分の姿を相手から見えなくするようにする技術だった。なら、それを更に魔力で強化して、実践向けにしてやればよい。俺は自分の腹の中心から生まれるイメージでに真っ黒な闇の魔力を練り、その集めた魔力を自分の周囲に一気に展開した。

マザリは炎魔法を駆使し、俺の居た方に火炎弾を放ってきたが、冷静に対処する。

俺が想像したとおりに、先ほど広げた魔力は自分の手足のようにすさまじいスピードで動き闘技場全体を漆黒で覆いつくした。俺だけには漆黒の中でも相手の姿ははっきりと見えるように操作した。相手からすればまるで急に闇夜になったように感じられるだろう。
マザリがいきなりのことに慌てふためいているのがまるわかりだった。そこを突く。

自分の両足を更に濃縮した闇で包み込んでから一気に跳躍し、一瞬でマザリの背後に着地。そこでマザリの目元を一気に聖魔法で発光させ目を眩ませる。そして首筋に剣をかけたところで審判が「そこまで!!!」と終わりの合図を告げた。

「す、すごいわね。シジ。全く反応できなかったわ。私も一応元序列2位の宮廷魔法使いなんだけどな…いまは洋服屋やってるけど。」

衝撃の事実を聞かされる。序列2位だと!この貧民街育ちの俺でも聞いたことのある“序列”だぞ!その元2位!?

「これだけの魔力量があれば、魔法使いの基礎すらなくとも成立してしまうのね。いや、基礎を学んでいないでこれだけの工夫した戦闘を構築できるならこのままのほうが癖をつけなくて良いのかもしれない。どちらにせよ、勝負に負けた私が言えることではないわね。とにかく、おめでとう。完敗だったわ。」

宮廷魔法使い元序列2位マザリにどうやら勝ってしまったらしい。


******


 それからというものマザリは俺の戦闘面では口出しをしすぎず、魔法書などを用いた実践向きの詠唱魔法を伝授してくれた。
聖魔法、闇魔法で全く違う系列の勉強だったのだが、読み書き以外の初めての勉強だったために非常に楽しく学習できた。

3日たつ頃にはそれぞれの詠唱魔法も熟達して、詠唱破棄もできるようになってきた。

そんなある日マザリが言った。

「貴方に目を付けたセーラちゃんは君を一か月後迎えに来るって言ってた。聖女としてのお仕事が忙しいみたいね。貴方を護衛にするのは私がどこへでも行けるようにって。」

はぁ?あの女は一人でもどこでも行きそうだろ。まあ俺にスられるくらいだから少しあぶなそうではあるかな。俺を底辺から救いマザリに会わしてくれた恩もあるし、やってやるか。妹もマザリと打ち解けてくれたようだし。つうかいつまでなのか聞いてないんだけど。

******


 ギッーという扉が開く音とカランコロンとドアベルが鳴る音が混ざって、落ち着く独特な雰囲気を作る。

約束の日になり、セーラと言うらしい女が俺を迎えに来た。初めてちゃんと顔を見たな。ブロンドの髪に澄み渡る碧眼。華奢ではあるが、その態度には威厳というものがすでに備わっている。でも、おかしな話だ。俺より年下なのに俺を迎えに来るなんて。

「灰色髪の貴方。外へ出なさい。実力を見ますよ。」

いきなりなんだ。
マザリの方を見るが、行ってこいと目で指示された。
はいはい、行きますよ。これから毎日あのお嬢様に付き合わなきゃいけないんでしょ。

「マザリ、審判!!」

セーラが店の中に顔を出して主張した。

「わかったわよー。」

マザリも巻き込まれたみたいだ。


******


 「始め!!!」

始めの合図を聞いたとき、ここ一か月そこらの記憶がよみがえってきた。
マザリに勝ち、詠唱破棄を習得してからというもの、俺は冒険者ギルドで冒険者になり、魔物討伐で次々と成果を上げていた。

俺は圧倒的な質量を誇る魔法に、暗殺者的に立ち回りナイフを使用する戦闘型を作り上げていた。

聖女様をお守りするためには、どんな強敵でもひるまず戦える胆力、そしてそれらに圧倒的にかつ力が必ず必要になってくる。

その心を忘れず、日々自分が強くなっていくことを実感しながら功績を築いていった。
一か月たつ頃には冒険者ランクも最上位のプレート、“鳳凰”を受け取り、魔物討伐専門の冒険者として一目置かれるようにまでなっていた。

目の前の相手を見る。相手は完全にこちらと魔法勝負をするつもりのようだ。セーラは両腕を前に突き出し、無詠唱で聖魔法の特徴である純白の魔力で魔力量勝負を訴えかけてきている。ここはこちらもそれにのらなければいけない。

俺も両腕を突き出す。
両腕の神経一本一本に血を、意識を、魔力を乗せるイメージで凝縮させていく。
完全に魔力が指先まで行き届いたとき、ほぼ同じ瞬間に双方が魔力を放出した。

++++++

 マザリには信じられなかった。
一か月前までは貧民街で盗みを働いていたようなシジが今では現宮廷魔法使い序列1位であり、聖魔法のエキスパート中のエキスパートの聖女セーラとほぼ互角に魔力を放出し合っている。確かに若干セーラのほうが魔力量は上回っているが、魔力の操作技術は既にシジが上回っている。それでカバーしているのだ。量に、質で。

++++++

 俺は立て直す。確かに魔力量は負けているかもしれない。ただ、俺の貧民街で培ってきた体の使い方、精神の集中の仕方は全く無意味だったわけではない。
冷静になれ。俺。魔力量の違う相手に押し合いで勝つためには。

闇魔法を使うのか?いや。違う。そうじゃない。聖魔法の勝負だ。今は。聖魔法で勝つ。その方法を考えるんだ。くっ、押しが強くなっている。まだだ。まだいける。

そこで一つ名案が浮かんだ。魔力の中心部を柱のようにして、魔力に芯を作ってみればいいのではないか。即興のことだとしても、俺ならできる。今しかない。やれ!俺!

魔力を制御する。中心へ中心へ。少しずつ柱状に濃縮した魔力が出来ていく。

ついに、力関係が逆転する。セーラもそこでいきなり柱状にすることはできずとも、魔力量を更に上げようと必死にもがいていた。ただ、それは儚くも届かない。シジの濃縮した魔力はこの世界で対抗できるほどのものの居ない強固なものとなっていた。

アッ、クソッ、当たってしまう。俺の仕事はセーラの安全を守ることにある。なのに、セーラ傷つけてしまったらどうしようもない。

セーラの魔力が完全に俺の魔力に吞まれそうになった時、俺は魔力の放出を最小限に抑え、詠唱破棄の闇魔法を使用した。

闇に紛れる者ナイトウォーカー

身に闇を纏い、セーラの真後ろに転移する。
そのあとで、魔力の放出のし過ぎで倒れそうになっているセーラを即座に腕の中に受け止めた。

「大丈夫か?魔力出しすぎなんだよ。自重しろ。」

セーラは疲弊しているようだったが、今まで一度も見たことのない輝くばかりの笑顔でこちらを見て、言う。

「宮廷魔法使い序列1位に何を言ってるんですか。ただ、負けてしまうなんて想定外でした。私はそんな護衛が欲しかったんです!これからよろしくお願いしますね。」

年相応のはしゃいだ様子を見せられ、ドギマギしてしまった。剣で殴られた女で、これからは護衛対象になるのにもかかわらず…。でも一緒にいられるならいいか、と安心する自分もいる。

俺がこの女を守るんだと誓った日だった。



 淀んでいた雲にいつしか明るい光が差し込んでいる。


世界最強の護衛と、世界最強の聖女が旅に出るのはそう遠くない日だった。
    
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