13 / 27
第一章
十二話 計略
しおりを挟む
「うむ、大地が揺れている」
「レフトーラは本当に大丈夫なのか…」
異変に気づいたオメガはキューブに手を置く。
レフトを心配するフラット。
「オメガ、これは…」
アレサはただならぬ雰囲気を感じた。
「うむ、アレサよ、フラット殿を頼む」
するとオメガはデッキから飛び降りる。
その様子にため息をつくアレサ。
「能力を解放すると封印していた人間性が目覚める。それは自分にとって弱点となる…………これはかつてのあなたの言葉よ…」
地上に着地したオメガは周囲を警戒。
すると地面から魔人とレフトが飛び出す。
「ん、オメガ?」
「なっ…」
デボロスはレフトを払い二人と距離をとる。
「うむ………レフト大丈夫か」
「大丈夫よ」
デボロスは手にした刀をオメガに向ける。
どうやら何かを思い出したようだ。
「きさま、思い出したわ。カイトにいた傭兵の一人だな」
「うむ、やはり滅ぼすべきだったな…」
なるほど、オメガと魔人には因縁があるようだね。ということは…アレサも魔人の存在を知っているのかな。
「がああぁっ」
魔人は刀を両手で持ち魔力を解放する。
その様は魔法剣を使うレフトと酷似している。
「…嫌になるね…戦い方が似ているわ…」
そこの言葉を聞き笑うオメガ。
キューブを取り出し硬鞭へと変化させる。
「レフト、下がっていろ」
「…」
ゆっくり後退するレフト。
…なるほどね、斬魔刀とかいってた魔力を斬る刀はパワーで砕くか。
優れた武器なのだろうけど…相手が悪かったね。
「ただの傭兵ふぜいが、世界を変える存在の我に挑むなど、愚かだ」
デボロスは目を見開きオメガに攻撃する。
足を踏み込み両手持ちによる刀を一気に振り下ろす。
「うむ」
オメガはなんとそれを左腕で受ける。
凄まじい金属音が周囲に響く。
「なんだとーーっ」
「砕けよ」
デボロス渾身の一撃だったが、オメガの左腕を落とせなかった。そして刀は悲惨なことに腕へひっかかってしまい、致命的ともいえる無防備な状態をさらしてしまう。
「ぐあっ」
そこへ勢いをつけた硬鞭のフルスイングがデボロスの腹部にクリーンヒットする。
ボキボキと骨の砕ける音が響く。
デボロスはその威力に身体を振り抜かれ吹き飛び倒れた。
「…あら」
「レフト、こいつをヘルゲートに運ぼう。あの悪魔と一緒の部屋へ連れていこう」
「わかった」
オメガは飛空艇にデボロスを運ぶ。
レフトは地下施設の入口を破壊しここを封鎖する。
淡々としている二人だがやるべきことは確実に実行する。
…いくら魔人がいたとしてもなんか納得できないな…。
四天王の実力を見ていないから何とも言えないけど…。
わざとここを襲撃させたとしか思えない……。
その時レフトの脳裏にあることがよぎった。
「オメガ……」
「うむ、どうした?怖い顔をして…」
「もしかして敵の目的は……ヘルゲートなのでは?」
「…」
考え込むオメガ。
「潜伏先の急襲は戦力を分散させる作戦だった…もぬけの殻だったのは…最初から避難していたからでは?」
「うむ、機関のガルシアたちがパレスや街を警備しているが…フラット殿などの主力が不在なヘルゲートは……手薄」
罠だと思うがあえて突撃する…。
もしその心理を計算していたとすれば…。
罠だと思うが飛び込むぜ、やられたらやり返すんだ。
…というように考えて行動するだろう。
嫌な予感がした二人。
ザギに頼み全速力でヘルゲートへ戻る飛空艇。
考えすぎか…本当にそうなのか…。
「私たちが向かった時、ヘルゲートでは特に問題はなかったわよ」
「うん」
レフトとニナが皆に伝える。
操縦室には船長とオメガ、フラット、ニナ、レフトがいる。
「わからない、ダルガ教はいったい何を…」
フラットは頭を抱える。
「ちょっと、あんたしっかりしてよ、私たちはヘルゲートのことをよく知らないのよ」
「うむ、機関はバイオ殿が負傷しておる。いちょうソロモンも駐在しているが…」
「正直、ここへ向かう前に何でこんなたくさんの強者を派遣するだろう…という疑問はあったよ」
その言葉に皆、一斉にレフトを見る。
冷ややかな視線…だねぇ。
「えっと、私は何も知らないですからね…」
ザギはボソッとつぶやく。
「ふう」
ニナは席に座りひと息つく。
オメガとフラットも座り休憩するようだ。
「レフトさんも少し休まれたらどうです?」
ザギがレフトに告げる。
「ちょっとデッキにいきますね」
手を振り操縦室を出るレフト。
…突っ込んだ質問は避けたが…もし本当にこの作戦が敵の計略なら、ヘルゲートは何かを隠している可能性がある。敵に狙われる理由がきっとあるはずだ。
デッキに出たレフトは風を感じヘルゲートの方向を見ている。
「ねえ」
「んっ」
アレサだ。
「聞いたけど、ヘルゲートが危ないって?」
「うん。急襲がこちらの戦力を分散させる作戦だったかもしれないんだ」
「ああ、そういうことね」
アレサは冷静だ。
「ヘルゲートに何か秘密があって…それを狙うことが敵の目的だと…」
「ヘルゲートは大丈夫よ。もし襲撃されたとしても復興機関と連携しているしあそこは簡単に落ちないわよ。それに敵の戦力は確実に削った。事実、四天王は強かったわ」
「…」
「機関のミミズクって人物、あれは化け物よ。バイオが負傷しているのは確かに痛いけど、それをフォローできるだけの采配をきっとするわよ」
「ミミズクさんか…」
「それより、オメガはフラットと一緒?」
「うん」
アレサはため息をつく。
その様子に驚くレフト。
「オメガがどうかしたの?」
「来るべき強敵との戦いに備え能力を解放したらしいのよ」
「へえ。そりゃすごい」
「すごいのだけれど、代償として彼の封印されていた人間性が表に出てしまうの」
「えっ人間性って……ちょっと意味がわからないな」
「もう、鈍いわね。フラットと恋仲になったらそれが弱点となるかもしれないでしょ。彼の強みはブレない、感情に左右されないことでしょ…」
「…別に恋愛は自由でしょ……それに人間性が戻ったとして…強いでしょ」
「もう…」
アレサはそっぽをむく。
なんとか機嫌をとろうとするレフトだったが…。
「…アレサ」
「何よ…」
ゆっくりレフトの方を向くアレサは言葉を失った。
「…」
前方にみえるヘルゲートには巨大な機械竜が二体、その他多数のモンスターの襲撃を受けている。
町は所々から白煙が立ち、火の手も上がっている。
「甘かった…私たちは甘かったわ…」
「…敵は既に大陸を征服できる戦力を……」
モンスターは多数いるが機関の人員や兵士が応戦しているようだ。
すぐにオメガたちがデッキに駆けつける。
「くっ……あの竜は大戦で使われた兵器…」
オメガとアレサはかつて味方だった兵器と対峙することになった。
「パレスは無事か…」
そんな飛空艇の前に武装した鳥人と白いローブを纏った人物が飛んできてデッキへと着地する。
「おかえり、ずいぶん早かったな」
どうやらこの鳥が部隊の指揮をしているようだ。
「ヘルゲートは大陸最強の戦力。そこさえ陥落させれば世界征服は容易い」
ローブの人物はその声から女性だと分かる。
「世界征服…」
レフトはその言葉に拳をにぎる。
…レフトーラ抑えろ、情報を聞き出す必要がある。
フラットがレフトの拳を触る。
「ザギ、飛空艇を返却してもらおうか」
「くっ…」
すると後方からさらにもう一人加勢にきたようだ。
「皆さんごきげんよう」
悪魔と人のハーフである、あのデルタだ。
「皆さんがここにいるってことは四天王と魔人は破れたってことかな」
「あんた…自分が何をやっているかわかっていないようね」
アレサもレフト同様に激しい殺気を放つ。
それに気づく鳥人。
「む、デルタ、カナベル。離れよ」
「遅いわよっ」
アレサはそう言い放つといきなりデルタに殴りかかる。
「うがっぁ」
「こいつは抑える。レフトは機械竜を」
フラットはアレサを止めようとするが彼女はデルタに連打を放つ。
「ザギ、パレス後方の平地に飛空艇を着地させなさい」
殴りつつもザギに指示するアレサ。
「はっ、直ちに」
「させるかよ、きさまらはここで倒す」
鳥人は羽ばたき魔力を解放。
魔力を凝縮させてプロペラに狙いを定める。
「飛空艇を失うのは痛いが、お前たちをまとめて葬れば結果オーライってもんだ」
「飛空艇を…そしてヘルゲートは死守する」
オメガは突如、ボディをフォームチェンジする。
バチバチと動力が起動、展開したジェット機能で浮遊。
そのまま鳥人に突撃した。
「うおぉっ」
「相手になろう」
衝撃で鳥人の魔力は飛散する。
そしてオメガはキューブで長剣を形成。
「浮遊する敵がいるとは思わなかったが……きさまを討てば世界征服はぐっと近づく気がする」
鳥人も腰にある二本の剣を抜刀し身構える。
「船長、行け」
オメガはザギに言い放つと鳥人に攻撃を開始する。
操縦室に急行するザギだが、今度はローブのカナベルと呼ばれた女性が立ちふさがる。
ローブを脱ぎ捨てると戦闘服を着た軍人だと分かる。
銃を構えザギに向ける。
「…」
「ザギ船長、抵抗すれば射ちます」
目が完全に死んでいるカナベルはザギを睨む。
その時、一発の弾丸がカナベルの銃を破壊する。
「っつ」
「早くいって」
ニナだ。
その言葉を聞きザギは操縦室へ急いだ。
「イイ腕ね、部下にほしいくらいだわ」
手をプラプラとしてもう一丁の銃を手に取るカナベル。
「なら私を負かせてみせて」
ニナはゆっくりカナベルに近づく。
「フラット、レフトを機械竜のところへ連れていってくれるかしら?」
「わかった、レフトーラ私の手を握れ」
「えっ…」
「早くしろ、魔力が尽きかけているんだ」
「いかせるわけないだろ」
銃を取り早打ちするカナベルだが、ニナはさらに早い射撃でカナベルを牽制。
カナベルの弾道はレフトの軌道を逸れ体勢を崩す。
「…はやい」
「あんたも早いわよ、これは銃で決着がつくか疑問ね…」
「オメガやアレサも戦っている、レフト、早く飛びなさい」
ニナの声を聞いたフラットはレフトの手を掴みデッキからダイブする。
「許せレフトーラ、ゆくぞ」
「ぎゃあぁっ」
絶叫するレフト。
二人はふらつきながらも機械竜のところへ向かった。
戦力を分散されたとはいえ、強国であるヘルゲートを襲撃するダルガ教。
ここに大陸の命運をかけた戦いが始まる。
次回へ続く。
「レフトーラは本当に大丈夫なのか…」
異変に気づいたオメガはキューブに手を置く。
レフトを心配するフラット。
「オメガ、これは…」
アレサはただならぬ雰囲気を感じた。
「うむ、アレサよ、フラット殿を頼む」
するとオメガはデッキから飛び降りる。
その様子にため息をつくアレサ。
「能力を解放すると封印していた人間性が目覚める。それは自分にとって弱点となる…………これはかつてのあなたの言葉よ…」
地上に着地したオメガは周囲を警戒。
すると地面から魔人とレフトが飛び出す。
「ん、オメガ?」
「なっ…」
デボロスはレフトを払い二人と距離をとる。
「うむ………レフト大丈夫か」
「大丈夫よ」
デボロスは手にした刀をオメガに向ける。
どうやら何かを思い出したようだ。
「きさま、思い出したわ。カイトにいた傭兵の一人だな」
「うむ、やはり滅ぼすべきだったな…」
なるほど、オメガと魔人には因縁があるようだね。ということは…アレサも魔人の存在を知っているのかな。
「がああぁっ」
魔人は刀を両手で持ち魔力を解放する。
その様は魔法剣を使うレフトと酷似している。
「…嫌になるね…戦い方が似ているわ…」
そこの言葉を聞き笑うオメガ。
キューブを取り出し硬鞭へと変化させる。
「レフト、下がっていろ」
「…」
ゆっくり後退するレフト。
…なるほどね、斬魔刀とかいってた魔力を斬る刀はパワーで砕くか。
優れた武器なのだろうけど…相手が悪かったね。
「ただの傭兵ふぜいが、世界を変える存在の我に挑むなど、愚かだ」
デボロスは目を見開きオメガに攻撃する。
足を踏み込み両手持ちによる刀を一気に振り下ろす。
「うむ」
オメガはなんとそれを左腕で受ける。
凄まじい金属音が周囲に響く。
「なんだとーーっ」
「砕けよ」
デボロス渾身の一撃だったが、オメガの左腕を落とせなかった。そして刀は悲惨なことに腕へひっかかってしまい、致命的ともいえる無防備な状態をさらしてしまう。
「ぐあっ」
そこへ勢いをつけた硬鞭のフルスイングがデボロスの腹部にクリーンヒットする。
ボキボキと骨の砕ける音が響く。
デボロスはその威力に身体を振り抜かれ吹き飛び倒れた。
「…あら」
「レフト、こいつをヘルゲートに運ぼう。あの悪魔と一緒の部屋へ連れていこう」
「わかった」
オメガは飛空艇にデボロスを運ぶ。
レフトは地下施設の入口を破壊しここを封鎖する。
淡々としている二人だがやるべきことは確実に実行する。
…いくら魔人がいたとしてもなんか納得できないな…。
四天王の実力を見ていないから何とも言えないけど…。
わざとここを襲撃させたとしか思えない……。
その時レフトの脳裏にあることがよぎった。
「オメガ……」
「うむ、どうした?怖い顔をして…」
「もしかして敵の目的は……ヘルゲートなのでは?」
「…」
考え込むオメガ。
「潜伏先の急襲は戦力を分散させる作戦だった…もぬけの殻だったのは…最初から避難していたからでは?」
「うむ、機関のガルシアたちがパレスや街を警備しているが…フラット殿などの主力が不在なヘルゲートは……手薄」
罠だと思うがあえて突撃する…。
もしその心理を計算していたとすれば…。
罠だと思うが飛び込むぜ、やられたらやり返すんだ。
…というように考えて行動するだろう。
嫌な予感がした二人。
ザギに頼み全速力でヘルゲートへ戻る飛空艇。
考えすぎか…本当にそうなのか…。
「私たちが向かった時、ヘルゲートでは特に問題はなかったわよ」
「うん」
レフトとニナが皆に伝える。
操縦室には船長とオメガ、フラット、ニナ、レフトがいる。
「わからない、ダルガ教はいったい何を…」
フラットは頭を抱える。
「ちょっと、あんたしっかりしてよ、私たちはヘルゲートのことをよく知らないのよ」
「うむ、機関はバイオ殿が負傷しておる。いちょうソロモンも駐在しているが…」
「正直、ここへ向かう前に何でこんなたくさんの強者を派遣するだろう…という疑問はあったよ」
その言葉に皆、一斉にレフトを見る。
冷ややかな視線…だねぇ。
「えっと、私は何も知らないですからね…」
ザギはボソッとつぶやく。
「ふう」
ニナは席に座りひと息つく。
オメガとフラットも座り休憩するようだ。
「レフトさんも少し休まれたらどうです?」
ザギがレフトに告げる。
「ちょっとデッキにいきますね」
手を振り操縦室を出るレフト。
…突っ込んだ質問は避けたが…もし本当にこの作戦が敵の計略なら、ヘルゲートは何かを隠している可能性がある。敵に狙われる理由がきっとあるはずだ。
デッキに出たレフトは風を感じヘルゲートの方向を見ている。
「ねえ」
「んっ」
アレサだ。
「聞いたけど、ヘルゲートが危ないって?」
「うん。急襲がこちらの戦力を分散させる作戦だったかもしれないんだ」
「ああ、そういうことね」
アレサは冷静だ。
「ヘルゲートに何か秘密があって…それを狙うことが敵の目的だと…」
「ヘルゲートは大丈夫よ。もし襲撃されたとしても復興機関と連携しているしあそこは簡単に落ちないわよ。それに敵の戦力は確実に削った。事実、四天王は強かったわ」
「…」
「機関のミミズクって人物、あれは化け物よ。バイオが負傷しているのは確かに痛いけど、それをフォローできるだけの采配をきっとするわよ」
「ミミズクさんか…」
「それより、オメガはフラットと一緒?」
「うん」
アレサはため息をつく。
その様子に驚くレフト。
「オメガがどうかしたの?」
「来るべき強敵との戦いに備え能力を解放したらしいのよ」
「へえ。そりゃすごい」
「すごいのだけれど、代償として彼の封印されていた人間性が表に出てしまうの」
「えっ人間性って……ちょっと意味がわからないな」
「もう、鈍いわね。フラットと恋仲になったらそれが弱点となるかもしれないでしょ。彼の強みはブレない、感情に左右されないことでしょ…」
「…別に恋愛は自由でしょ……それに人間性が戻ったとして…強いでしょ」
「もう…」
アレサはそっぽをむく。
なんとか機嫌をとろうとするレフトだったが…。
「…アレサ」
「何よ…」
ゆっくりレフトの方を向くアレサは言葉を失った。
「…」
前方にみえるヘルゲートには巨大な機械竜が二体、その他多数のモンスターの襲撃を受けている。
町は所々から白煙が立ち、火の手も上がっている。
「甘かった…私たちは甘かったわ…」
「…敵は既に大陸を征服できる戦力を……」
モンスターは多数いるが機関の人員や兵士が応戦しているようだ。
すぐにオメガたちがデッキに駆けつける。
「くっ……あの竜は大戦で使われた兵器…」
オメガとアレサはかつて味方だった兵器と対峙することになった。
「パレスは無事か…」
そんな飛空艇の前に武装した鳥人と白いローブを纏った人物が飛んできてデッキへと着地する。
「おかえり、ずいぶん早かったな」
どうやらこの鳥が部隊の指揮をしているようだ。
「ヘルゲートは大陸最強の戦力。そこさえ陥落させれば世界征服は容易い」
ローブの人物はその声から女性だと分かる。
「世界征服…」
レフトはその言葉に拳をにぎる。
…レフトーラ抑えろ、情報を聞き出す必要がある。
フラットがレフトの拳を触る。
「ザギ、飛空艇を返却してもらおうか」
「くっ…」
すると後方からさらにもう一人加勢にきたようだ。
「皆さんごきげんよう」
悪魔と人のハーフである、あのデルタだ。
「皆さんがここにいるってことは四天王と魔人は破れたってことかな」
「あんた…自分が何をやっているかわかっていないようね」
アレサもレフト同様に激しい殺気を放つ。
それに気づく鳥人。
「む、デルタ、カナベル。離れよ」
「遅いわよっ」
アレサはそう言い放つといきなりデルタに殴りかかる。
「うがっぁ」
「こいつは抑える。レフトは機械竜を」
フラットはアレサを止めようとするが彼女はデルタに連打を放つ。
「ザギ、パレス後方の平地に飛空艇を着地させなさい」
殴りつつもザギに指示するアレサ。
「はっ、直ちに」
「させるかよ、きさまらはここで倒す」
鳥人は羽ばたき魔力を解放。
魔力を凝縮させてプロペラに狙いを定める。
「飛空艇を失うのは痛いが、お前たちをまとめて葬れば結果オーライってもんだ」
「飛空艇を…そしてヘルゲートは死守する」
オメガは突如、ボディをフォームチェンジする。
バチバチと動力が起動、展開したジェット機能で浮遊。
そのまま鳥人に突撃した。
「うおぉっ」
「相手になろう」
衝撃で鳥人の魔力は飛散する。
そしてオメガはキューブで長剣を形成。
「浮遊する敵がいるとは思わなかったが……きさまを討てば世界征服はぐっと近づく気がする」
鳥人も腰にある二本の剣を抜刀し身構える。
「船長、行け」
オメガはザギに言い放つと鳥人に攻撃を開始する。
操縦室に急行するザギだが、今度はローブのカナベルと呼ばれた女性が立ちふさがる。
ローブを脱ぎ捨てると戦闘服を着た軍人だと分かる。
銃を構えザギに向ける。
「…」
「ザギ船長、抵抗すれば射ちます」
目が完全に死んでいるカナベルはザギを睨む。
その時、一発の弾丸がカナベルの銃を破壊する。
「っつ」
「早くいって」
ニナだ。
その言葉を聞きザギは操縦室へ急いだ。
「イイ腕ね、部下にほしいくらいだわ」
手をプラプラとしてもう一丁の銃を手に取るカナベル。
「なら私を負かせてみせて」
ニナはゆっくりカナベルに近づく。
「フラット、レフトを機械竜のところへ連れていってくれるかしら?」
「わかった、レフトーラ私の手を握れ」
「えっ…」
「早くしろ、魔力が尽きかけているんだ」
「いかせるわけないだろ」
銃を取り早打ちするカナベルだが、ニナはさらに早い射撃でカナベルを牽制。
カナベルの弾道はレフトの軌道を逸れ体勢を崩す。
「…はやい」
「あんたも早いわよ、これは銃で決着がつくか疑問ね…」
「オメガやアレサも戦っている、レフト、早く飛びなさい」
ニナの声を聞いたフラットはレフトの手を掴みデッキからダイブする。
「許せレフトーラ、ゆくぞ」
「ぎゃあぁっ」
絶叫するレフト。
二人はふらつきながらも機械竜のところへ向かった。
戦力を分散されたとはいえ、強国であるヘルゲートを襲撃するダルガ教。
ここに大陸の命運をかけた戦いが始まる。
次回へ続く。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる