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学園編
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フィガーシュッド~学園編1~
愛季 希唯明(ちかやす きいあ)。
これが俺の名前。
今日から学園生活が始まる。
俺たちの学園は今では当たり前の存在となった、フィガーシュッドのみの学園となっている。
フィガーシュッド。
あるべき姿という意味で、人間の本来の力が出せる人間を指す。
記憶には無いだろうが、生まれた時に誰もが踵から血液をとり、血液検査をしている。
そして、その時に血液型というものがわかり、大まかにA、B、O、ABに分けられる。
そんな中、血液型不明の人間も中にはいるだろう。
なぜこんな話をしているのか。
そう、この血液型不明で生まれた人間こそ、後のフィガーシュッドである。
フィガーシュッドとして力を得るといっても、その全ての人が得る訳ではなく、何年後かに検査すれば血液型が判明する場合もある。
しかし、何度やっても不明の人間は人としてあるべき力を得ることができる。
力と言ってもその力は人の個性によってそれぞれ違い、昔は能力者…などと呼ばれていたらしい。
能力者という名前は特別な意味があったが今になっては俺たちみたいな方が普通の人間という位置になっている為もあって、呼び方を変えたらしい。
これが今の地球の現状である。
コンコンッ
「お兄ちゃん起きてる?」
えーとこの声は…麗々(うらら)だな。
一つ年下の妹である。
もう一人妹がいて、名前は菜緒里(なおり)。
菜緒里とは血はつながっていないが大事な妹だ。
希唯明「あぁ、起きてる。」
麗々「朝ご飯できてるからね。」
希唯明「了解。着替えたらすぐ行くよ。」
今日の朝ご飯は食パンとインスタントではなく1から作ったコーンスープにサラダ。
全て麗々が作り、用意したものだ。
机の所には菜緒里の姿もある。
希唯明「おはよう。」
菜緒里「おはよ。」
ケータイをいじりながらではあるがちゃんと返事は返してくれる。
最近、俺たちと血が繋がっていない事を知ったのもあって、麗々とは前と変わりはないんだが、俺への接し方はちょっと冷たくなった感じがする。
そういう年頃というのもあるが、少し気になっていた。
麗々「お兄ちゃん早くご飯食べないと遅刻するよ。」
希唯明「大丈夫だって、いざとなりゃ…。」
麗々「ダメッ。能力ばっかりに頼ってちゃ。碌なお兄ちゃんにならないよ。」
碌なお兄ちゃんって、そこは普通碌な人間だろ。
希唯明「お前段々おばさん臭くっていうか、母親みたいになって来たよな。」
麗々「それどうゆう意味ーぃ。流石の私も怒りますよぉ。」
希唯明「やべやべ、さっさと飯食って学校いかねぇと……はいっご馳走さん。んじゃ行ってきまーす。」
麗々「ちょっとお兄ちゃんー。」
菜緒里「…。」
中学を卒業してからこの日が来るまで案外早かったな。
まあ、ずっと家でゴロゴロしてだけだけど…。
そんな事を頭に浮かべながら家を出ると…。
「「あっ。」」
幼馴染みの小春 苺(こはる いちご)である。
隣に住んでいて、幼、小、中、高とずっと同じ学校。
そう、彼女もフィガーシュッドなのだ。
これ程までにフィガーシュッドの存在は当たり前に、なっているのだ。
苺「なんかアンタの顔見たのすっごく久しぶりな気がするわ。家隣なのに。」
希唯明「そりゃそうだろうな。中学卒業以来だからな。俺一歩も家から出てねぇし。」
苺「一歩も?…それ、マジで言ってる?」
希唯明「マジですけど何か?」
こんな会話をしながら、俺たちは久しぶりながらも気を使う事なく、自然と隣同士になり、学校へと足を運んだ。
愛季 希唯明(ちかやす きいあ)。
これが俺の名前。
今日から学園生活が始まる。
俺たちの学園は今では当たり前の存在となった、フィガーシュッドのみの学園となっている。
フィガーシュッド。
あるべき姿という意味で、人間の本来の力が出せる人間を指す。
記憶には無いだろうが、生まれた時に誰もが踵から血液をとり、血液検査をしている。
そして、その時に血液型というものがわかり、大まかにA、B、O、ABに分けられる。
そんな中、血液型不明の人間も中にはいるだろう。
なぜこんな話をしているのか。
そう、この血液型不明で生まれた人間こそ、後のフィガーシュッドである。
フィガーシュッドとして力を得るといっても、その全ての人が得る訳ではなく、何年後かに検査すれば血液型が判明する場合もある。
しかし、何度やっても不明の人間は人としてあるべき力を得ることができる。
力と言ってもその力は人の個性によってそれぞれ違い、昔は能力者…などと呼ばれていたらしい。
能力者という名前は特別な意味があったが今になっては俺たちみたいな方が普通の人間という位置になっている為もあって、呼び方を変えたらしい。
これが今の地球の現状である。
コンコンッ
「お兄ちゃん起きてる?」
えーとこの声は…麗々(うらら)だな。
一つ年下の妹である。
もう一人妹がいて、名前は菜緒里(なおり)。
菜緒里とは血はつながっていないが大事な妹だ。
希唯明「あぁ、起きてる。」
麗々「朝ご飯できてるからね。」
希唯明「了解。着替えたらすぐ行くよ。」
今日の朝ご飯は食パンとインスタントではなく1から作ったコーンスープにサラダ。
全て麗々が作り、用意したものだ。
机の所には菜緒里の姿もある。
希唯明「おはよう。」
菜緒里「おはよ。」
ケータイをいじりながらではあるがちゃんと返事は返してくれる。
最近、俺たちと血が繋がっていない事を知ったのもあって、麗々とは前と変わりはないんだが、俺への接し方はちょっと冷たくなった感じがする。
そういう年頃というのもあるが、少し気になっていた。
麗々「お兄ちゃん早くご飯食べないと遅刻するよ。」
希唯明「大丈夫だって、いざとなりゃ…。」
麗々「ダメッ。能力ばっかりに頼ってちゃ。碌なお兄ちゃんにならないよ。」
碌なお兄ちゃんって、そこは普通碌な人間だろ。
希唯明「お前段々おばさん臭くっていうか、母親みたいになって来たよな。」
麗々「それどうゆう意味ーぃ。流石の私も怒りますよぉ。」
希唯明「やべやべ、さっさと飯食って学校いかねぇと……はいっご馳走さん。んじゃ行ってきまーす。」
麗々「ちょっとお兄ちゃんー。」
菜緒里「…。」
中学を卒業してからこの日が来るまで案外早かったな。
まあ、ずっと家でゴロゴロしてだけだけど…。
そんな事を頭に浮かべながら家を出ると…。
「「あっ。」」
幼馴染みの小春 苺(こはる いちご)である。
隣に住んでいて、幼、小、中、高とずっと同じ学校。
そう、彼女もフィガーシュッドなのだ。
これ程までにフィガーシュッドの存在は当たり前に、なっているのだ。
苺「なんかアンタの顔見たのすっごく久しぶりな気がするわ。家隣なのに。」
希唯明「そりゃそうだろうな。中学卒業以来だからな。俺一歩も家から出てねぇし。」
苺「一歩も?…それ、マジで言ってる?」
希唯明「マジですけど何か?」
こんな会話をしながら、俺たちは久しぶりながらも気を使う事なく、自然と隣同士になり、学校へと足を運んだ。
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