フィガーシュッド

あいき

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学園編

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フィガーシュッド~学園編5~

審判「はじめっ。」

審判の合図と共に遂に始まった選抜予選。

さっ、お手並み拝見といきますか。

桐生「悪いがこの勝負、勝たせてもらうぞおデブちゃん。」

身長165cm体重100kg越えとなかなかの体型をしている桐生の対戦相手の佐内 成斗。
桐生の挑発にも、もうデブとい言葉に呼ばれ慣れし過ぎているのか、びくともしない。
案外あの小さいデブ、やるかもしれねぇな。

桐生「体重が重すぎてそっから動けねぇか?まっそれもしょうがねぇか、じやっ、ちーとばかし痛いかもしんねぇけどそこから動かしてやんよっ。」

さっきから桐生しか喋ってねぇよ。
弱い奴ほどよく喋る…。
少し不安になる希唯明達だった。

そうこうしてるうちに桐生が動きだした。

桐生「いくぜー。」

と、言いながら佐内の方へと走っていく桐生。
ここまでは何の変化もない。
しかし、その変化は想像以上に一瞬で起きた。
桐生が腕を引き、拳で佐内の顔に拳をぶつけるその瞬間。
桐生の顔には不思議と笑み。
そして…。


バーン

あの佐内がいきなり壁へと飛ばされたのだ。
壁への距離はおおよそではあるが10~20メートルは離れている。

目が点になる場内のみんなだったが、はっきりと何が起きたのかは説明できないが俺だけには見えていた。
桐生の拳が佐内の顔面を捉える前、桐生の肘の辺りが爆発したように見えた。

桐生「フゥ~案外飛んだなぁ。ちょっとチカラ入れ過ぎたかなフフッ。どうせ、もう起き上がれないだろうから皆さんには教えておくとしようか。俺の能力は爆発(エクスプロージョン)爆発って意味だ。」

やっぱり爆発してたのか。
爆発の力を利用して、パワーとスピードを上げてたのか、案外ちゃんと考えてやってるんだな桐生のやつ。

桐生「ん?本当にもう立てないのか?おいおいマジかよ、これじゃあ全然カッコがつけられねぇじゃねぇかよ。はぁ…。」


「甘いな。よく成斗を見てみろ。」

そう、言い出したのは敵チームのリーダー水面 一(みなも いち)。

そして、水面の言う通り桐生を含め場内の視線が、飛ばされた佐内へと向けられた。
すると、そこには何事も無かったかのように仁王立ちする佐内の姿があった。
服が少し汚れてはいるが表情は全く変わっていない。

桐生「へぇー。まっあれぐらいじゃKOは無理だよね。ちょっと安心したよ、でも次の攻撃はどうかな。」

そう言うと今度は足元が爆発し、その衝撃で一気に佐内へと詰め寄る桐生。
そして、そのまま佐内の体目掛け。

桐生「爆連っ。」

そう言うと桐生はさっき放ったパンチを今度は連続で佐内へと放ち始めた。
通常では目で追うことするら困難なパンチの連打が続く。

苺「ちょ、アレ大丈夫なの?このままじゃあの人死んじゃうんじゃ。」
希唯明「その辺は、ちゃんと考えてやってる筈だ。まぁ…大丈夫だろ。」

そんな光景を山田は見る事すら出来ていなかった。
それ程までに桐生の攻撃は凄まじく佐内にヒットしていた。

今の時点では桐生が優勢、というかこのまま行けば圧勝するだろう。
でも一つ疑問がある。
対戦相手の佐内はまだ一度たりとも攻撃をしていない。
桐生がその隙を与えていないのもあるかもしれないが、防御くらいは出来る筈、でも見るところ防御すらしていない。
ただただ桐生の攻撃を受けているだけ…。

…まさか。

希唯明「桐生っ。攻撃をやめろっ。」
桐生「え?なんだって?」
希唯明「攻撃をやめるんだ。こいつ、まだ一度もお前の攻撃をまともに防御していない。それに、攻撃も一撃もしてきていない。」
桐生「それがどうしたー。ただ単に俺に圧倒されてるだけなんじゃねぇのか?」
水面「フッ、ホントっ君は笑えるね桐生 刀李君。バカなのかアホなのか、全く。」
希唯明「どっちも同じじゃねぇか。」
桐生「いや、希唯明それ俺のセリフ。」
水面「成斗っ、このまま攻撃を受けていてもいいが少しばかり場内がざわつき始めたからな。そろそろ見せてやれ、お前の能力とやらを。」

プシュー

水面の合図と同時にプシューという音と共に佐内の体からはすごい量の水蒸気が出始め、皮膚の色が赤くなり、汗もかなり出始めている。

何かが起きる。
流石の桐生も危険と判断したのか、攻撃をやめ佐内から離れた。

桐生「おい、一体何が起きてんだよ。」


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