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第17話: 闇の騎士団の襲来
しおりを挟む「来る……!」
王宮の城壁から城門の外を
見下ろした私は、目を疑った。
闇に包まれた騎士団がずらりと
並び、その背後には黒い霧が
広がっている。鎧は漆黒に輝き、
顔が見えない兜をかぶった騎士
たちが、無言で整列していた。
「何なの、
あの異様な雰囲気……」
リリスが身震いする。
「闇の魔力に支配されている
騎士たちね……
正規の兵ではなさそうだわ」
イリーナが鋭い視線を向ける。
「でも、どうしてこんな
騎士団が?」
私はナタンを見上げた。
「恐らく……
彼らは“操られている”」
「操られている?」
「ああ。人の意志を奪い、
闇の力で動かす術がある。
彼らがその影響を受けて
いるのなら……
本来の意志はもう残って
いないかもしれない」
「……助けることは
できるの?」
「それが難しい。
術者を見つけて解除しない
限り、彼らは戦い続ける
だろう」
「そんな……」
「とにかく、
迎え撃つ準備をしなければな」
ナタンは真剣な顔で言い、
剣を構えた。
「王宮を守れ!」
ナタンの号令で、
王国の騎士たちが陣を張る。
魔法学園の生徒たちも加勢し、
防衛の準備が整った。
「私も戦うわ!」
イリーナが杖を構える。
「私も……でも、
私にできることって……」
焦るな私、
戦う力はそこまで強くない
けれど、何かできることが
あるはず。
「アハバ、
君には“光の力”がある」
「え?」
「光の神獣オルが君を選んだ。
つまり、君にはこの戦いの
鍵となる力があるはずだ」
「そんな……
私、まだ何もできないよ」
「違うさ。君ならできる」
ナタンの言葉に、
私は胸の奥が熱くなる。
「……やってみる!」
私はオルの背に飛び乗った。
「オル、一緒に戦ってくれる?」
オルは低く鳴き、
金色の光を纏う。
「行くよ!」
闇の騎士団がついに
動き出した。
「きたわね……!」
イリーナが魔法を唱え、
炎の壁を作る。
「やるぞ!」
ナタンが剣を振り上げ、
先頭の騎士とぶつかる。
王国の兵士たちも懸命に
応戦するが、闇の騎士たちは
倒れてもすぐに立ち上がる。
まるで痛みを感じていない
かのように……。
「これは……
普通の戦いじゃないわ!」
リリスが叫ぶ。
「やはり
“操られている”のか……!」
私はオルの背から、
光の魔法を放つ。
「みんなを助けなきゃ!」
私の光が当たった騎士は、
一瞬だけ動きを止めた。
「今の……?」
「アハバ! 君の光が、
彼らの動きを封じた!」
「……それなら!」
私はオルと共に、
光の魔法を次々と放つ。
闇の力を押し戻し、
騎士たちの動きを
封じていく。
「やった……!」
だが、その時――
「……フフフ」
低く不気味な笑い声が
響いた。
「誰!?」
霧の中から、
黒いローブを纏った
男が現れる。
「お前が
“光の巫女”か……」
「光の巫女?」
「お前の力は厄介だな。
だが、もう遅い……」
男が手をかざすと、
黒い霧がさらに広がる。
「やばい……!」
「アハバ、下がれ!」
ナタンが私をかばうが、
男は不敵に笑った。
「お前たちに選択肢はない。
この王国は闇に沈む……」
そして、黒い霧が私たちを
包み込んだ――。
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