[完結]恋よりモフモフ優先です! でも氷の王子が 離れてくれません

桃源 華

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第21話: 鍵を巡る攻防

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「……来たか、シャディム」

 ナタンが剣を構え、
私の前に立つ。

「フフフ……
ようやく“鍵”に辿り着いた
ようだな、アハバ」

 シャディムは黒いマントを
翻し、ゆっくりと封印の間に
足を踏み入れた。

「まさか、お前たちのような
小娘たちがここまで来るとは
思わなかったが……
おかげで手間が省けた」

 彼の目は、私の手元——
銀色に輝く“鍵”を
捉えていた。

「悪いけど、これは渡さないわ」

 私は鍵をしっかりと
握りしめる。

「鍵を手にした者が、
この世界の均衡を支配する。
その意味が、お前には
分かっているのか?」

「分かってるわ。でも、
あなたに渡すくらいなら、
私が壊す!」

 すると、シャディムは
くつくつと笑い始めた。

「ハハハ……愚かなことを。
壊せるものなら、壊して
みるがいい」

「……っ!」

 私は魔力を込めて鍵を
握る。しかし——

「くっ……!」

 鍵はびくともしない。
それどころか、手の中から
強い光を発し、私を拒絶する
ような感覚が走った。

「この鍵は、選ばれし者しか
扱えんのだ。お前ごときでは、
どうすることもできまい」

「っ……!」

「なら、力ずくで奪うまで!」

 ナタンが剣を振りかざし、
シャディムに突進する。

「ほう……
小僧が、私に挑むか」

 シャディムは余裕の表情で、
ナタンの剣を指一本で
受け止めた。

「何ッ!?」

「チッ……!」

 ナタンが後退する。
シャディムの力は、
やはり規格外だった。

◆戦闘開始!

「みんな、気をつけて!」

 私が叫ぶと、
リリスとイリーナもすぐに
詠唱を始めた。

「《炎の裁き》!」

 リリスの炎の魔法が
シャディムに向かって飛ぶ。

「《氷結の鎖》!」

 イリーナの氷の魔法が
シャディムの動きを
封じようとする。

 しかし——

「ふん……その程度の魔法で、
この私を止められると
思うのか?」

 シャディムは片手を
上げると、炎と氷を同時に
かき消した。

「な、何!? 
両方とも無効化!?」

「ちょっと、強すぎるん
じゃないの!?」

 リリスとイリーナが
顔を見合わせる。

「はぁ……まったく、
女神の眷属とやらも、
随分と小粒になったものだな」

「……っ!」

 シャディムが手をかざすと、
黒い瘴気が広がる。

「これは……!?」

「くっ、闇の魔法か!」

 ナタンが剣を振るい、
闇を切り裂こうとするが、
瘴気は彼の動きを阻害する
ように絡みつく。

「チッ……っ!」

「ふふふ……
私の闇に触れれば、
ただでは済まんぞ?」

 シャディムの手から、
黒い雷が放たれる。

「ナタン、危ない!」

 私はとっさに魔法で
防御壁を展開する。

——ドォンッ!!

 強烈な衝撃で、
私たちは吹き飛ばされた。

「ぐっ……!」

「アハバ、大丈夫!?」

「う、うん……!」

 私はなんとか立ち上がる。
しかし、シャディムは
まだ余裕の表情を浮かべて
いた。

「さあ、どうする? 
もう勝ち目はないぞ?」

「……まだよ!」

 私は手の中の鍵を
見つめた。

(この鍵が均衡を
司るものなら……私が本当に
選ばれた者なら……)

 私は鍵に祈るように
魔力を込める。

(お願い……私に力を貸して!)

 すると——

鍵が、光り始めた。

◆覚醒する鍵の力

「お……おい、何だこれ!?」

 ナタンが目を見開く。

「アハバが……光ってる?」

 リリスも驚きの声を上げる。

 私の手の中の鍵が、
純白の輝きを放ち、空中へと
浮かび上がる。

「まさか……
鍵がアハバを選んだ!?」

「くっ……そんな馬鹿な!」

 シャディムが動揺する。

「選ばれし者が現れるとは
……面白い!」

 シャディムが手をかざし、
再び闇の魔法を放とうとする。

 しかし——

「これで終わらせる!」

 私は、鍵から放たれる
光の力を信じ、シャディムに
向かって叫んだ。

「《浄化の光》!!」

 光がシャディムを包み込む。

「ぐっ……ぬぅぅ……!?」

 シャディムの体が激しく揺れ、
黒い瘴気が弾け飛ぶ。

「これは……っ!」

「やった!? 
これで終わり……?」

 リリスが期待するように
言うが——

「まだだ……!」

 シャディムが叫び、
闇の瘴気をさらに強めた。

「ククク……面白い……
ならば、本気を見せて
やろう!」

 彼の背中から黒い翼が
広がり、体全体が闇に
包まれる。

「……これからが本番だ」

「そんな……
まだ力を隠してたって
いうの!?」

「こっちも、
負けてられないわ!」

 私は改めて鍵を握りしめた。

(この戦い、必ず……
勝ってみせる!)

——戦いは、最終局面へ!
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