[完結]おっさん、異世界でスローライフ はじめます 2 〜猫耳少女とふしぎな毎日~

桃源 華

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第二章:猫耳チームとハーブ革命

第17話猫耳アレンジ料理、胃薬必須にゃ

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「レオン! これ、試食してみてほしいにゃっ!」

その元気いっぱいの声とともに、ミュリが厨房に飛び込んできた。手には妙に虹色に輝く謎のスープがたぷたぷと揺れている。おい、待て、それ本当に食べ物か?

「おいミュリ、それは何だ。液体であることは認めるが、食べ物かどうかは……まだ判断しかねる」

「ふふーん、これぞミュリ・スペシャル! 新作スパイス“超元気カレー粉”を使ったアレンジ料理その一だにゃ!」

「一? つまり“その二”以降もあるってことだな……?」

「うん、全部で六品にゃ!」

俺は頭を抱えた。村の猫耳娘たちが畑とスパイスに熱中しているのはいい。いいんだが、なぜ定期的にこの“料理チャレンジ”が発動するのか。しかも今回は、全員参加型のアレンジ料理祭りだと……!

🐈🐾 🐾 🐾

「それでは! 第一回・猫耳アレンジ料理バトル、開催にゃーっ!」

ミュリが口火を切ると、ノアが眼鏡をクイッと持ち上げた。

「科学的に言えば、私は“ハーブと発酵の相互作用”を試しただけだ。副作用? 想定内だ」

「副作用って言ったにゃ!?」

「べ、別にレオンのために作ったんじゃないんだからねっ!」と、リンはツンデレ炸裂モードで赤くなりながら自分の料理を差し出した。見た目は普通のシチューだが、なぜか鍋の底が焦げている。これは……“ハーブ・フレア”か。

「……水、入れといた」
無口なスイは水差しと一緒に、よくわからないゼリー状の料理を持ってきた。ぷるぷる震えてる。これ、水多すぎじゃないか?

「草は友だち! でも炒めたら敵だったかも! わははー!」
最後に登場したのはビビ。大きなフライパンには、草と称する何かと謎のキノコが踊っていた。火が通っているのかどうかも怪しい。

「おい待て、どれからツッコめばいいんだ!?」

🐈🐾 🐾 🐾

試食タイム。もはやこれは勇者の試練。

まずはノアの“理論スープ”。口に含んだ瞬間、スパイスの洪水が押し寄せ、目の前がちかちかする。

「……っはあああ! なんか走馬灯が見えたぞ!」

「成功だな。覚醒作用あり。記録しておく」

「成功ってなんだよ!」

次、リンのツンデレシチュー。これは……普通だ。と思ったら、後味が猛烈に辛い!

「っぐおお! 舌がっ、舌が痺れるぅ!」

「し、知らない! ちょっとだけ、唐辛子入れすぎただけだし!」

「ちょっとじゃねぇよ!」

スイのゼリー。無言で口に入れる。……お?

「……意外と、うまい?」

「……………ふふ」

無口少女、珍しくニヤリと微笑んだ。

「水分のバランスが完璧にゃ……!」

「いや、これだけまともってどういうことなんだ……」

そして最後、ビビの“草フライ”。

「ビビ、おまえさっき『敵だったかも』って言ってなかったか?」

「細けぇことは気にすんな~☆」

口に入れた瞬間、ものすごい苦みが広がる。

「ぶふっ……ぐおおおっ! な、なんだこれは……っ!」

「えへへ、たぶん毒じゃないよ? 草図鑑には“注意”って書いてあったから!」

「“毒”って書いてないだけマシかよ!」

🐈🐾 🐾 🐾

全料理を食べ終わった俺は、胃薬を片手に畑のベンチでぐったりしていた。

「レオン、大丈夫にゃ……?」

「大丈夫じゃねぇよ……胃が……いや、精神的にも疲弊したわ……」

「でも! 村の猫耳たちは、ちゃんと自分たちで考えて、育てたハーブを使って料理までしたんだよ?」

「……まあ、それは……確かに、成長したってことか……」

「うんっ! だからこれからも、いろんなアレンジ、作ってあげるにゃ!」

「胃薬の準備だけは万全にしとくから、ほどほどにな……」

🐈🐾 🐾 🐾

その日の夜、俺は夢を見た。
炎を吹くシチュー、空を飛ぶゼリー、そして笑いながら草を振り回すビビ――。

起きたとき、俺は誓った。

「もう……しばらくスパイス料理は見たくない……」

でも、笑顔のミュリと仲間たちを見ると、胃が痛くても――まあ、いいか、って思っちまうんだよな。
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