[完結]おっさん、異世界でスローライフ はじめます 2 〜猫耳少女とふしぎな毎日~

桃源 華

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第四章:スパイスの旅と異世界の謎

第31話旅立ち!猫耳チーム、爆走開始

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「え、旅……?どこ行くの!? 
温泉!? それとも秘境!?」
 
村の広場に響き渡るミュリの大声。
そしてその後ろには、わらわらと
猫耳たちの集団が並んでいた。
ノア、チャチャ、リン、スイ、
そしてビビ。全員がそれぞれ小さな
リュックを背負い、やたらと気合い
が入っている。

「いや、ただの隣町までの納品
だからな?」と、レオンは肩を
すくめた。「馬車で半日だ。
大冒険とかでは決してない」

「レオンさん、それは違う
にゃ……!」とミュリがキッと
睨む。「これは“はじめての
猫耳チーム単独任務”なの!
いわば独り立ちの第一歩!」

「納品に独り立ちの意味いる
か?」

「しかも、旅の途中で何がある
か分からないよ!? もしか
したら山賊! 竜! 空から落ちて
くる巨大な鍋!」

「最後だけ異常すぎるだろ」

ノアは静かにメモを取っていた。
「空から鍋が落ちてくる確率”……
検証価値あり、と。あと、山賊
対策はチャチャが担当する、と」

「え、なんで私!?」チャチャが
身をすくめる。「あたし、そんな
に物騒担当みたいな顔してる!?」

「顔はかわいいけど性格が爆炎」
リンがつぶやく。

「だ、だまれ火属性担当! アンタ
の畑の焼失率のほうが物騒でしょ!」

「ほう……燃やすぞ?」

「やってみろぉぉぉ!!」

「……また始まったにゃ」

レオンはため息をつき、すぐ後ろ
で黙々と水筒に水を補充するスイ
に目をやった。

「スイ、何か言ってくれ」

「……水、持った」

「うん、ありがとう」

「それだけかーい!!」と全員が
ズコーッとこける。

「まあまあ、みんな元気あって
よろしい!」と、ひときわ泥まみれ
のビビが手を振る。「草も元気!
私も元気!旅ってことは、知らない
草に出会えるってことでしょ!? 
草友が増える~☆」

「おまえ、それは旅の目的ずれ
てる……」

レオンは頭をかきながら、馬車の
荷台をチェックする。香草とハーブ、
干し野菜に薬草――村の特産品を
ぎっしり積んだ荷台は、ちゃんと
固定されていた。

「……まあ、物資の準備は万端だな。
何かあっても、引率役として俺が
ついてる」

「えっ、レオンさんも来るの!?」

「当然だろ!? おまえたちだけで
隣町まで行かせられるか!」

「うう……自主性がない……」ミュリ
がしょぼんと耳を垂らした。

「自主性より安全第一! おまえが
道中で料理始めたら一巻の終わり
なんだよ!」

「そんなぁ~っ!!」


旅立ちは、賑やかだった。村の人
たちが見送りに出てきて、猫耳
チームに野菜やお菓子、なぜか
スコップまで持たせる。

「リンちゃん、火加減には気を
つけるんだぞ~!」

「うるさいな! 火事にするわけ
ないでしょ、たぶん!」

「ビビちゃん、道草しないよう
にね!」

「草道? 草の道!? わぁ~っ!」

「聞いてない!!」

馬車が揺れる中、ミュリは興奮
気味に後ろを振り返る。

「ねぇねぇ、見て見て! どんどん
村が小さくなってくにゃ!」

「そりゃそうだ、出発してるんだ
からな」

「はー、でもなんだか、冒険って
感じだよね!」

「納品だって言ってるだろ!」

「うふふ、これは“スパイス革命
遠征隊”なのです!」

「そのネーミングセンス、どうに
かならんか……」


出発して一時間、最初の休憩。
森の手前で止まった馬車の周囲に、
猫耳たちがわらわらと降りていく。

「はーっ、おしり痛い~。もっと
ふかふか座布団持って来れば
よかった~」とチャチャ。

「移動中に鍛錬不足。おしりも
鍛えるべき」ノアが真顔でノート
に記録する。

「ノアちゃん、たまには冗談
言おうよ~!」

「それは非効率だ」

「ガーン……」

そんな中、スイは静かに小さな苗
に水をあげていた。荷物の隙間に
こっそり持ち込んだハーブの苗
らしい。

「……水、あげた」

「スイちゃんって、マジでぶれ
ないよね……」

リンが火打石でお湯を沸かそうと
していたが、突然――

ボッ。

「……火力、ちょい強すぎた」

「それで畑燃やすなって何度言えば!?」

「うわぁぁ! 木の枝が燃えた~!」

「スイ、水! 水はよぉ!」

スイが無言で水筒を差し出す。
その手際にだけは全員が感心して
いた。


午後になり、ようやく隣町の門が
見えてきた。

「やった! 到着にゃーっ!」
ミュリがしっぽをブンブン振り回す。「やっぱり旅は最高だったね!」

「トラブルだらけだっただろ!?」

「うん、でも楽しかったもん!」

「……まあ、確かに」レオンは苦笑
しながら頷いた。「みんな無事に
来れたしな」

するとチャチャがつぶやいた。

「これ……帰りもこんな感じだよ
ね?」

「えっ!? 今気づいたの!?」

「え、うそ、帰りも自力……?」

「当然だ!!」

「ぎゃーーっ!」

「……旅って、大変」ノアが
冷静に記録していた。

🐈🐾 🐾 🐾

こうして、猫耳チームの初任務
は無事(?)に終了。だが、
彼女たちの爆走はまだまだ
止まらない!
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