[完結]不吉な双子と呼ばれた妹ですが、巫女になって兄をざまぁします〜迷信を打ち破ったら、なぜか溺愛されました〜

桃源 華

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第2章 傲慢領主と隠された真実

第12話 神託の夢、妹への啓示

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 その夜、私は深い眠りに落ちていた。
 けれど夢は、静かな安らぎではなく、冷たい水の底に引きずり込まれるよう
な感覚で始まった。

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

 目を開くと、そこは黒い霧に覆われ
た神殿のような空間だった。
 床に散らばる古びた石板、壁に刻ま
れた古代文字。
 祈りの声が遠くから幾重にも重なっ
て響いてくる。

 ――「双子は禍。いずれ家を断絶さ
せる」

 囁きが耳に刺さる。
 その声は、幾百もの領民の嘆きとも、神の声とも思えた。

 私は震える唇で問い返した。
「……私たちの罪は、生まれただけで
決まっているのですか」

 すると、霧の奥から淡い光が
差し込む。
 そこに、白い衣を纏った女性の影が
現れた。
 顔は見えない。けれど、その声は
確かに神聖だった。

――「セレナ。運命は定められてはおらぬ。だが、お前が選ぶ道で、すべてが
決まる」

「……私が、選ぶ……?」

――「お前の兄は闇を抱え、やがて領
を滅ぼすだろう。だが……」

 声が途切れ、代わりに炎に包まれた
村の幻影が広がった。
 領民たちが泣き叫び、黒煙が空を
覆う。
 その中心で立つのは、剣を握る兄――
アルトリウス。

「兄様……!」

 叫んだ瞬間、炎の中にもう一つの
影が浮かんだ。
 それは祈りを捧げる私自身の姿。
 血に濡れた手で古文書を掲げ、
冷たい光に包まれていた。

――「お前が鍵となる。赦すか、
裁くか。運命は双子の絆に委ね
られる」

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

 目を覚ますと、夜明け前の神殿
の天井が広がっていた。
 胸は苦しく、涙が頬を濡らしていた。

「私が……運命を変える鍵……?」

 神託の夢が告げた言葉は、まだ
現実か幻か判然としない。
 けれど、確かに心に刻まれた。

 兄を赦すのか、それとも――。
 選ぶのは、私。

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

 東の空が赤く染まり始めていた。
 それは夜の闇を裂く光にも見えたし、血の色にも見えた。
 私は掌を見つめ、ひそかに囁いた。

「……運命が定めではないのなら……
私が変えてみせる」

 その声はまだ弱々しかったが、
確かに祈りではなく、決意の響きを
宿していた。

♊️キャラクター紹介♥:.。
≡目次からどうぞ🗝
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