[完結]不吉な双子と呼ばれた妹ですが、巫女になって兄をざまぁします〜迷信を打ち破ったら、なぜか溺愛されました〜

桃源 華

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第2章 傲慢領主と隠された真実

第15話 神殿で運命の再会

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 白い石の神殿は、いつもより
ざわめいていた。
 領民たちが押し寄せ、祈りを
捧げる声が絶え間なく響く。
 その中心に、銀の髪を揺らしながら
祈る少女――セレナがいた。

 彼女は民に寄り添い、傷ついた
子の額に手を当て、弱き者に言葉を
かける。
 その姿は、誰よりも“領主らし
かった”。

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

 扉が軋む音とともに、神殿に
重々しい気配が流れ込んだ。
 領主アルトリウスが従者を従えて
現れたのだ。
 人々の声は途切れ、空気が
張り詰める。

 セレナはゆっくりと立ち上がり、
兄の方へ視線を向けた。
 金色の瞳と、鋭い蒼の瞳が交わる。

 ――十数年ぶりの再会。
 幼い記憶の中で別れた二人は、
今や領主と巫女。

「……セレナ」
 低く、硬い声が響いた。

 妹の名を呼ぶのは、何年ぶりだろう。
 その名を口にしただけで、胸に
重く絡みついていたものが音を立て
て揺れた。

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

 セレナはすぐには答えなかった。
 ただ、静かに一歩踏み出し、祈り
を捧げていた子供の頭を撫でる。
 その仕草が終わると、ようやく口
を開いた。

「兄様……領民は、傷ついています」

 その言葉は責めではなく、祈りの
延長のように柔らかかった。
 だがアルトリウスには、鋭い刃と
なって突き刺さる。

「私は領主だ。領を守るために、
法を守らせている。それの何が――」
「法では人の心は救えません」

 短く返された言葉に、周囲の
領民たちが息を呑んだ。
 幼き頃はただ泣くだけだった妹が、
今は人々の前で堂々と領主に言葉を
返している。

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

 沈黙が神殿を包んだ。
 アルトリウスは拳を握りしめる。
怒りか、それとも別の感情か、
自分でも分からなかった。

「……お前は変わったな」
 ようやく絞り出した言葉は、驚きと
戸惑いの入り混じったものだった。

 セレナは首を振り、ただ静かに
答えた。
「いいえ。私は変わっていません。
ただ……“二人で生まれた”ということ
を、忘れていないだけです」

 その言葉が、兄の胸の奥深くに
眠っていた記憶を呼び覚ます。
 嵐の夜、同じ瞬間にあげた二つの
産声。
 忘れようとしても、切り離せない
始まり。

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

 領民たちの前で、兄妹は初めて
正面から向き合った。
 傲慢な領主と、祈りを捧げる巫女。
 その視線が交わった瞬間、運命は
確かに動き出した。

♊️キャラクター紹介♥:.。
≡目次からどうぞ🗝
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