[完結]不吉な双子と呼ばれた妹ですが、巫女になって兄をざまぁします〜迷信を打ち破ったら、なぜか溺愛されました〜

桃源 華

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第2章 傲慢領主と隠された真実

第20話 兄、妹を領主館に呼び戻そうとする

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 夕暮れ、神殿の鐘が鳴り響くころ。
 石畳を踏みしめ、豪奢な外套を
まとったアルトリウスが神殿に姿を
現した。背後には従者と兵。領民たち
はざわめき、祈りの声が止む。

「領主様が、神殿に……?」
「また税の話か……」

 人々の不安をよそに、アルトリウス
の視線はただ一人を捉えていた。
 祈りを終えて立ち上がる
少女――妹セレナ。

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

「セレナ」
 彼は皆の前で名を呼び、歩み寄る。
 その声には威厳と、抑えきれぬ
焦りが混じっていた。

「お前は、神殿にいるべきでは
ない。……領主館に戻れ」

 人々が息を呑む。
 神殿に捧げられた娘を、領主が
取り戻すなど前代未聞だった。

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

 セレナは静かに兄を見つめた。
 十数年の隔たりを越えて再び
向けられる“兄の眼差し”。
 だがそこにあるのは、愛情だけ
ではなかった。
 所有の欲、そして失いたくない
という執着。

「兄様……」
 彼女はかすかに微笑んだ。
 しかし、その笑みは祈りの仮面
に隠された決意の影でもあった。

「私はここで、人々と共に祈ります。
それが、私の生きる場所です」

「黙れ!」
 アルトリウスの声が神殿に響き
渡る。だが次の瞬間、自らの言葉
に怯えるように拳を震わせた。

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

 領民たちがざわめく。
 「巫女様を連れていく気か」
「あの方は私たちの希望なのに」
 その声の一つひとつが、
アルトリウスの耳に突き刺さる。

「……いいや、必ず連れ戻す」
 絞り出すように呟いたその言葉は、
妹への想いと、領主としての支配欲
の入り混じったものだった。

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

 セレナはただ祈るように目を
閉じた。兄の傲慢さの裏に、
脆さと孤独が揺れていることを
感じながら。
 ――だが戻ることはしない。

 その夜、神殿の鐘が長く
鳴り響いた。それは兄妹の運命が
決定的に交差し、やがて避けられぬ
衝突へと向かうことを告げてい

♊️キャラクター紹介♥:.。
≡目次からどうぞ🗝
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