[完結]不吉な双子と呼ばれた妹ですが、巫女になって兄をざまぁします〜迷信を打ち破ったら、なぜか溺愛されました〜

桃源 華

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🌙エピローグ番外編

記憶の花が咲くとき

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春🌸
桜の花が、風に吹かれて
光のように舞っていた。
新学期の朝、
少女――江梨奈(えりな)は
校門の前で立ち止まる。
制服の胸元を握りしめ、
目を閉じる。
胸の奥に、名前のない“懐かしさ”
が疼いていた。

「行かなきゃ……」
小さくつぶやいて、一歩を踏み出す。

──その瞬間。
どこかで鐘の音が鳴った。
遠い、遠い時代の記憶を
呼び覚ますように。

角を曲がった先で、少年と
ぶつかる。
教科書が散らばり、二人は
同時に頭を下げた。

「ごめん!」
「いえ、私こそ……」

顔を上げた瞬間、時が止まる。
淡い金の瞳。
そして彼――新堂アルトの目にも、
驚きと痛みが走る。

「……君、江梨奈っていうの?」
「うん。どうして……知ってるの?」

彼は答えない。ただ、掌を胸に
当てて苦しそうに目を細める。
「夢で、見たんだ。君が泣いてた。
白い神殿で……俺を呼んでた」

江梨奈の心臓が跳ねた。
思わず唇が震える。
「それ……私も、見たの。
あなたが……“兄様”って呼ばれてた」

風が吹き、桜が二人の間に
舞い落ちる。
その瞬間、光の粒が舞い上がり、
世界が静止した。

『双子は災厄にあらず――絆こそ、
運命を越える鍵』

記憶の声が響く。
二人の魂が共鳴するように、
手が重なった。

アルトは微笑む。
「……ようやく、見つけた」
江梨奈は涙を浮かべながら、
静かに頷く。
「ええ。今度こそ、ずっと
一緒にいられる」

桜の花が、再び風に散る。
その光の中で、ふたりは歩き
出した。
過去の呪いも、悲しみも、
もうそこにはなかった。

――運命は、輪を描いて続く。
だが今度は、“祝福の輪”として。

♊️キャラクター紹介♥:.。
≡目次からどうぞ🗝
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