[完結]おっさん、異世界でスローライフはじめます 〜猫耳少女とふしぎな毎日〜

桃源 華

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第47話:貴族派の最期

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王宮の大広間に、貴族派の
面々が青ざめた顔で立ち
尽くしていた。
彼らの陰謀が暴かれた今、
もはや言い逃れはでき
ない。

「これが、貴族派が裏で
取引していた証拠の書簡
です」
レオンは堂々と証拠書類
を王に提出した。

「うむ、間違いないな」
王は深く頷き、大臣たち
に目を向ける。

「貴族の権威を盾に、
民を欺き、商業の発展を
妨げた罪は重い。相応の
処罰を受けてもらう」

その言葉が下されると、
貴族派の者たちは膝を
ついて震え出した。

「ま、待ってください! 
我々はただ、伝統を
守ろうと……!」
「何が伝統だ。
お前たちは自分の利益
を守ることしか考えて
いなかっただろう」
レオンはため息をついた。

(やれやれ、また面倒な
連中だったな……)

王の命により、主犯格
の貴族は国外追放、
一部の者は爵位を剥奪
されることとなった。
こうして、長年続いた
獣人差別と旧態依然の
商業体制は、ついに
終焉を迎えたのだった。



獣人たちの勝利

王宮から戻ると、王都
の獣人たちが大喜びで
迎えてくれた。

「レオン様! これで
俺たちも正式に商人
として活動できるん
ですね!」
「ありがとう! これで
堂々と生きていける!」

嬉しそうに歓声を
上げる獣人たちの姿を
見て、レオンも安堵
する。

「ここがゴールじゃない。
これからが本当の
スタートだ」

「にゃふふ~♪ でも、
まずはお祝いするにゃ!」
ミュリがふわふわの尻尾
を揺らしながら、満面の
笑みで言う。

「ああ、そうだな」
レオンは笑って頷いた。



猫耳の守護神、誕生!?

翌日、王都を歩いている
と、なぜかミュリの周り
に人だかりができていた。

「ミュリ様、どうかこの
商売繁盛のお守りを……!」
「ミュリ様、ぜひ我が店の
看板になってください!」

「……ん?」
レオンは首を傾げる。

「ミュリ……何をした?」

「にゃ?」
ミュリは首をかしげる。

「ミュリは何もしてない
にゃ?」

(何もしてない……? 
いや、何かしただろ、
絶対)

「ほら、獣人商人たちが
商売できるようになった
のも、ミュリ様がいた
おかげですよ!」
「そうそう! ミュリ様が
王宮で発言したことで、
王もスパイスの良さを
認めたんです!」

(……ああ、あれか!)

ミュリはただ、
天然ボケで「にゃふふ~♪」
と楽しそうに喋っていた
だけだった。
だが、その一言一言が
結果的に流れを変え、
獣人たちの未来を拓く
ことになったのだ。

(いや、そんなことあるか? 
いや……こいつなら
ありえるか……)

「にゃふ~♪ つまり
ミュリは偉いにゃ?」
「いや、偶然だろ」

しかし、王都の人々の
間では、ミュリは
「猫耳の守護神」として
祭り上げられつつ
あった。

「にゃ? ミュリは
もふもふしただけ
にゃ?」
「いや、なんでそれだけ
で英雄扱いされてるん
だよ……」

レオンは頭を抱えた。

(もはやツッコむのも
疲れた……)

こうして、貴族派の陰謀
を乗り越えた王都は、
新たな時代へと歩み
始めたのだった。
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