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第三章 執着のテンシ
第26話 覚悟と無理解
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「……レイ、今はゲームに集中して、クリア後にまたじっくり話し合おう」
少しの間、考え事をしていた旋は、執着のテンシの体内にいるレイにそう語りかけた。すると、レイは閉じていた目をゆっくりと開き、深いため息をつく。
「勿論、現段階では正規ルートでクリアすべきだと考えている。だが、今後一切、貴様と話し合う気はない」
「は……?」
「いくら話し合っても、埒が明かないだろう。ならば、再び旋の記憶を奪い、リセットすればいい。何もかもな……」
レイの言葉に、旋は目を見開く。彼は相棒が言った台詞を頭の中で繰り返した後、グッと握りしめた拳を振り上げ、執着のテンシの檻を殴った。
「どうしてそうなるんだよ……そんなの、ぜったい間違ってる……」
「間違っているのは貴様の方だ。忘れてしまえば、楽になると言うのに……」
「絶対に大切な人達を忘れたくない。どんなにジブンが辛くても、ちゃんと覚えておきたいと思ってる――前にそう伝えただろ……!」
「理解に苦しむ……。胸が張り裂けそうな程の、辛く悲しい記憶を抱え続ける罰を、旋は受ける必要がないと。何の罪もない旋が、苦しむ必要などない事が何故、解らない?」
「なんだよ、それ……罰とか罪とか意味が分からない。ただ、ジブンは――」
「もうこれ以上、ここで話す事は何もない。今すぐゲームに集中すべきだ」
旋の言葉を遮り、レイは相棒を冷たく突き放した。旋はそれがショックで、黙って項垂れ、密かに瞳を揺らす。レイの判断は、旋に『ジブン、全く信用されてないんだな』と思わせるには、十分過ぎるものだった。
悲しくて、酷く悔しい。思わず、『ふざけるな』と叫びたくなる。それでも、その感情を押し殺すように旋は深呼吸をすると、顔を上げる事なく「分かった……」と呟く。
「レイがそうしたいなら、もう好きにすればいい。こんなところで言い合ってても仕方ないし、何よりゲームクリアを優先すべきだしな。だから教えてくれないか? ミッション其の一のクリア方法をさ」
どこか諦めたような、もしくは吹っ切れたような旋の声音に、レイは『漸く理解してくれたか』と安堵する。
「ミッション其の一は、ヒト側が執着のテンシの檻に触れた状態で、相棒に何か一つ問いかけをする。捕らえられた相棒がその問いに承知すれば、『契約相手と心が一つになった』と判断されて扉が開く」
「その問いかけって何でもいいのか?」
旋が食い気味に質問してきた事に、レイは少し驚きつつも「あぁ」と頷く。
「問いの内容は難しく考えなくていい。執着のテンシはヒトを積極的に体内へ招き入れたい。故に『絶対にゲームをクリアしよう』等、簡単な問いであっても良しとしている」
蒸し暑さで滲む汗を拭う事もせず、レイは淡々と旋の質問に具体的な例も挙げて答えた。それを静かに聞いていた旋はある事を思いつき、意を決して顔を上げる。
「なるほどな……。レイ、ありがとう。説明してくれて」
旋は明らかな作り笑顔を浮かべてそう言うと、そっと執着のテンシの檻に触れた。その表情に胸騒ぎがしたレイは、旋に声をかけようとする。しかし、それより先に口を開いた旋は笑みを引っ込め、真剣な表情でこう言った。
「このゲームをクリアしたら、記憶を返してくれるよな、レイ」
相棒の問いに、レイは開きかけた口をそのままに、じっと旋の顔を見据えた。彼の瞳は真剣且つ、揺るぎないもので、レイは内心『やられた』と思う。
あの言葉も声も全部、演技で、旋は何も諦めていなかった。平行線は終わっていなかったのだと察する。
「……どういうつもりだ、旋」
どういうつもりか分かっていても、レイはそう聞かずにはいられなかった。
「そっちがその気なら、ジブンだって好きにさせてもらおうと思っただけだ」
レイの問いに、旋は表情を変えず答える。旋の返答を聞いたレイは一度、目を閉じ、「なるほど……」と呟く。
「ならば我は……今回のゲームを諦めるとしよう……」
「は……? それって、クリアする気はないってことだよな?」
ゆっくりと目を開いたレイの瞳は酷く冷たく、その上、少し虚ろで……放った言葉に迷いはない。当然、呆然とする旋の問いに、レイは静かに頷く。
「あぁ……。正規ルートでのクリアは不可能となった今……邪道であろうとゲームを正面から攻略せずに無事、終わらせる道を選択するほかない……。なに、必ず乗っ取ってみせるから安心しろ」
「乗っ取るって……執着のテンシを……?」
「あぁ……先の説明通り、このテンシと我は今……意識が繋がっている状態であり……執着心を競い合っている状況でもある……。故に……テンシを乗っ取る事も、可能だ。乗っ取りさえすれば……自らの力で、容易に――」
「そんなの駄目だ! 危険過ぎる!」
旋は大きく首を横に振り、焦ったようにレイを見つめる。
レイの決断に、旋は最初こそ、怒りの感情を抱いていた。けれども、レイの話す声が苦しそうな事に気がつき、彼をしっかり見つめ……怒りの感情が消え去る。
尋常ではない汗の量に、真っ赤な顔。暑さに耐えている苦悶の表情。辛うじて立ってはいるが、フラフラゆっくり揺れる体は今にも倒れそうだ。そんな状態でありながら、レイは自身の異変に気がついていない。
「何が……危険だと言うのだ……旋に危害を加える気はない……」
「レイがそんなことする訳ないのは解ってる……! ジブンは、このままじゃ、レイの身が危険だって言ってるんだよ! 長時間、こんなとこに閉じ込められ続けて……もし、レイに何かあったら……」
「安心しろ……我は不死だ……。故に……仮に死んだとしも、すぐ蘇る……。何も、問題はない……」
虚ろな目でレイはそう言い、苦しそうな息を吐く。レイの、自分を大切にしていない物言いに、旋は泣きそうな顔をする。
「生き返るからって死んでいい訳ないだろ! ジブンは……レイを死なせたくない……」
「何故だ……? 生き返ると、言っただろう……」
「だって……死ぬのは辛いし怖いし痛いだろ? レイにそんな思い、して欲しくない」
「何故だ……?」
「そんなの、大切な相棒だからに決まってんだろ!」
本気で『解らない』と言いたげなレイに対し、旋は真っすぐな想いを伝え続ける。それでもレイに想いは届きそうになくて……旋は思わず持っていた大剣を放り投げ、執着のテンシの檻に両の拳を叩きつけた。
鉄格子も、その隙間を塞ぐ強固なガラスのような部分も、外側から触れても熱い。旋はその温度に耐え、拳をくっつけたまま、額も檻に打ち付ける。
「頼む、レイ。扉を……ジブンを信じて、心を開いてくれ……」
拳と額が真っ赤になり、涙が滲み出る程の痛みを感じても、執着のテンシの檻から旋は離れない。
「なにをしている、旋……テンシから離れろ……」
「いやだ……レイにだけ、苦しい思いはさせない……絶対に、レイを助ける……」
旋の言動が理解できず、レイはただただ呆然と、彼を見つめる事しかできない。旋を守りたくて取った行動が逆に、彼を追いつめ、自身を傷つけさせている。それを止めさせたいのに、その方法が分からなくて……レイは心の中で、亡き友と相棒に問いかけた。
(我は、どうすればいい? ……ファシアス、ジュン)
少しの間、考え事をしていた旋は、執着のテンシの体内にいるレイにそう語りかけた。すると、レイは閉じていた目をゆっくりと開き、深いため息をつく。
「勿論、現段階では正規ルートでクリアすべきだと考えている。だが、今後一切、貴様と話し合う気はない」
「は……?」
「いくら話し合っても、埒が明かないだろう。ならば、再び旋の記憶を奪い、リセットすればいい。何もかもな……」
レイの言葉に、旋は目を見開く。彼は相棒が言った台詞を頭の中で繰り返した後、グッと握りしめた拳を振り上げ、執着のテンシの檻を殴った。
「どうしてそうなるんだよ……そんなの、ぜったい間違ってる……」
「間違っているのは貴様の方だ。忘れてしまえば、楽になると言うのに……」
「絶対に大切な人達を忘れたくない。どんなにジブンが辛くても、ちゃんと覚えておきたいと思ってる――前にそう伝えただろ……!」
「理解に苦しむ……。胸が張り裂けそうな程の、辛く悲しい記憶を抱え続ける罰を、旋は受ける必要がないと。何の罪もない旋が、苦しむ必要などない事が何故、解らない?」
「なんだよ、それ……罰とか罪とか意味が分からない。ただ、ジブンは――」
「もうこれ以上、ここで話す事は何もない。今すぐゲームに集中すべきだ」
旋の言葉を遮り、レイは相棒を冷たく突き放した。旋はそれがショックで、黙って項垂れ、密かに瞳を揺らす。レイの判断は、旋に『ジブン、全く信用されてないんだな』と思わせるには、十分過ぎるものだった。
悲しくて、酷く悔しい。思わず、『ふざけるな』と叫びたくなる。それでも、その感情を押し殺すように旋は深呼吸をすると、顔を上げる事なく「分かった……」と呟く。
「レイがそうしたいなら、もう好きにすればいい。こんなところで言い合ってても仕方ないし、何よりゲームクリアを優先すべきだしな。だから教えてくれないか? ミッション其の一のクリア方法をさ」
どこか諦めたような、もしくは吹っ切れたような旋の声音に、レイは『漸く理解してくれたか』と安堵する。
「ミッション其の一は、ヒト側が執着のテンシの檻に触れた状態で、相棒に何か一つ問いかけをする。捕らえられた相棒がその問いに承知すれば、『契約相手と心が一つになった』と判断されて扉が開く」
「その問いかけって何でもいいのか?」
旋が食い気味に質問してきた事に、レイは少し驚きつつも「あぁ」と頷く。
「問いの内容は難しく考えなくていい。執着のテンシはヒトを積極的に体内へ招き入れたい。故に『絶対にゲームをクリアしよう』等、簡単な問いであっても良しとしている」
蒸し暑さで滲む汗を拭う事もせず、レイは淡々と旋の質問に具体的な例も挙げて答えた。それを静かに聞いていた旋はある事を思いつき、意を決して顔を上げる。
「なるほどな……。レイ、ありがとう。説明してくれて」
旋は明らかな作り笑顔を浮かべてそう言うと、そっと執着のテンシの檻に触れた。その表情に胸騒ぎがしたレイは、旋に声をかけようとする。しかし、それより先に口を開いた旋は笑みを引っ込め、真剣な表情でこう言った。
「このゲームをクリアしたら、記憶を返してくれるよな、レイ」
相棒の問いに、レイは開きかけた口をそのままに、じっと旋の顔を見据えた。彼の瞳は真剣且つ、揺るぎないもので、レイは内心『やられた』と思う。
あの言葉も声も全部、演技で、旋は何も諦めていなかった。平行線は終わっていなかったのだと察する。
「……どういうつもりだ、旋」
どういうつもりか分かっていても、レイはそう聞かずにはいられなかった。
「そっちがその気なら、ジブンだって好きにさせてもらおうと思っただけだ」
レイの問いに、旋は表情を変えず答える。旋の返答を聞いたレイは一度、目を閉じ、「なるほど……」と呟く。
「ならば我は……今回のゲームを諦めるとしよう……」
「は……? それって、クリアする気はないってことだよな?」
ゆっくりと目を開いたレイの瞳は酷く冷たく、その上、少し虚ろで……放った言葉に迷いはない。当然、呆然とする旋の問いに、レイは静かに頷く。
「あぁ……。正規ルートでのクリアは不可能となった今……邪道であろうとゲームを正面から攻略せずに無事、終わらせる道を選択するほかない……。なに、必ず乗っ取ってみせるから安心しろ」
「乗っ取るって……執着のテンシを……?」
「あぁ……先の説明通り、このテンシと我は今……意識が繋がっている状態であり……執着心を競い合っている状況でもある……。故に……テンシを乗っ取る事も、可能だ。乗っ取りさえすれば……自らの力で、容易に――」
「そんなの駄目だ! 危険過ぎる!」
旋は大きく首を横に振り、焦ったようにレイを見つめる。
レイの決断に、旋は最初こそ、怒りの感情を抱いていた。けれども、レイの話す声が苦しそうな事に気がつき、彼をしっかり見つめ……怒りの感情が消え去る。
尋常ではない汗の量に、真っ赤な顔。暑さに耐えている苦悶の表情。辛うじて立ってはいるが、フラフラゆっくり揺れる体は今にも倒れそうだ。そんな状態でありながら、レイは自身の異変に気がついていない。
「何が……危険だと言うのだ……旋に危害を加える気はない……」
「レイがそんなことする訳ないのは解ってる……! ジブンは、このままじゃ、レイの身が危険だって言ってるんだよ! 長時間、こんなとこに閉じ込められ続けて……もし、レイに何かあったら……」
「安心しろ……我は不死だ……。故に……仮に死んだとしも、すぐ蘇る……。何も、問題はない……」
虚ろな目でレイはそう言い、苦しそうな息を吐く。レイの、自分を大切にしていない物言いに、旋は泣きそうな顔をする。
「生き返るからって死んでいい訳ないだろ! ジブンは……レイを死なせたくない……」
「何故だ……? 生き返ると、言っただろう……」
「だって……死ぬのは辛いし怖いし痛いだろ? レイにそんな思い、して欲しくない」
「何故だ……?」
「そんなの、大切な相棒だからに決まってんだろ!」
本気で『解らない』と言いたげなレイに対し、旋は真っすぐな想いを伝え続ける。それでもレイに想いは届きそうになくて……旋は思わず持っていた大剣を放り投げ、執着のテンシの檻に両の拳を叩きつけた。
鉄格子も、その隙間を塞ぐ強固なガラスのような部分も、外側から触れても熱い。旋はその温度に耐え、拳をくっつけたまま、額も檻に打ち付ける。
「頼む、レイ。扉を……ジブンを信じて、心を開いてくれ……」
拳と額が真っ赤になり、涙が滲み出る程の痛みを感じても、執着のテンシの檻から旋は離れない。
「なにをしている、旋……テンシから離れろ……」
「いやだ……レイにだけ、苦しい思いはさせない……絶対に、レイを助ける……」
旋の言動が理解できず、レイはただただ呆然と、彼を見つめる事しかできない。旋を守りたくて取った行動が逆に、彼を追いつめ、自身を傷つけさせている。それを止めさせたいのに、その方法が分からなくて……レイは心の中で、亡き友と相棒に問いかけた。
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