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第三章 執着のテンシ
第37話 延長戦-アクシデント-⑤
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「よし! レイと愁詞さんが無事だってんなら」
「アタシ達がやるべきことは一つっすね!」
旋とリツは顔を見合わせ、互いに同じ意見である事を確認するとニッと笑った。鳴無兄妹の言動に、乙和はきょとんとした顔をする。
「……やるべきこと?」
「うん。捕まってる人を助けて」
「テンシを倒すっす!」
鳴無兄妹の息の合った返答を聞いて、乙和は少し困惑する。
「気にならないの? 怒らないの?」
「圷さんのあいぼ……契約相手のスリプさんだっけ? 彼女がどうして、こんなことをしたのかってのは全部、終わってから聞いても遅くはないし」
「同じくっす! それに何より今は、人助けを優先すべきっすからね!」
旋とリツは真っすぐ過ぎる迷いのない瞳で、乙和を見つめる。
二人の視線と言葉に乙和は目をぱちくりさせた後、「二人はすごいね」と呟く。あまりにも小さなその声を鳴無兄妹は聞き取れず、何と言ったのか尋ねようとしたが、それよりも早く乙和が口を開く。
「リツちゃんと旋くんはバリア中で待ってて? 二人は次女ちゃんの遊びに巻き込まれただけだから。道具のイタズラは駒が――」
「そんなの駄目だ!」
「そんなのダメっす!」
乙和が全て言い終える前に、旋とリツは声を揃えて勢いよく言葉を遮った。少し怒っているようにも見える鳴無兄妹の表情に、乙和はただただ戸惑う。
「どうして一人でなんとかしようとするんすか!?」
「だって……これはわたしとスリプちゃんの問題で……」
若干、潤む瞳でリツに見つめられ、乙和は明らかにたじろぐ。
「圷さん、それは違うよ。だってスリプさんはジブンとリツの名前も呼んで、この中に引き込んだだろ? だからジブン達も決して無関係ではないよ」
「だからそれは、スリプちゃんのタチの悪いイタズラに、彼女が二人をついでに巻き込んだだけで……」
真剣に独自の解釈をしている旋の言葉に、乙和はふるふると首を横に振る。
「そもそも捕まってる人を助けたいって言ったのはアタシっす! それなのに圷サンに全部、押し付けるのは間違ってるっす!」
「ジブンはリツの考えに真っ先に同意したし当然、途中で投げ出す気は更々ないよ」
「でも……スリプちゃんのせいで、作戦もダメにしちゃったし……」
鳴無兄妹の熱量に圧され、乙和の声はどんどん小さくなっていく。そして、『作戦なんてまた考え直せばいいだけ』だと、また声を揃えて言われた事で、乙和はとうとう折れた。
「じゃあ……一緒に戦ってくれる?」
「うん!」
「はいっす!」
乙和の問いにまた、旋とリツの嬉しそうな声が重なる。二人が笑顔になった理由が解からない乙和の頭の中はハテナでいっぱいだ。
「そうと決まれば作戦だけど――」
「あの……その前に少しいいっすか?」
旋の言葉を遮ったリツの表情は、先程とは打って変わり真っ青だ。リツは旋や乙和ではなく、二人の後ろ……バリアの外側に向いている。
「リツ、どうしたんだ?」
「大蛇が増えてるっす……」
「へ……」
大蛇に背を向けた状態の旋と乙和は、リツの言葉に振り返る。すると、大量の大蛇がバリアの外でうねうね動き、三人を睨みつけていた。
「は……? どうして……」
旋のその言葉を合図にしたかのように、大蛇達は一斉に攻撃を仕掛けてくる。戸惑いながらも旋は瞬時に、バリアを何重にも張る。そのおかげで、大蛇達の攻撃を今のところは防げている。
血の気が引いている鳴無兄妹とは違い、平然とした表情の乙和は「もしかして」と呟く。
「このテンシは乗っ取られているんじゃないかな? 執着のテンシにはこんなことできないし。リツちゃん、捕まっているのって中等部の制服を着た、短い黒髪の子だった?」
乙和の突然の問いに、リツは少し戸惑いつつも「確かそうだったはずっす」と答えた。
「やっぱり。その子の契約相手は、『増加』の能力を持つ妖精族だから。大蛇が増えた理由は、その妖精さんがテンシを乗っ取ったからだと思うよ?」
「それならもしかして、『たすけて』って声も……」
「捕まってる子じゃなくて、妖精さんの方かもね? ……例え悪意のない執着心で、テンシを乗っ取れたとしても力を持て余して、暴走することもあるみたいだし。自分ではどうにもできなくて、『たすけて』なのかもね?」
乙和の言葉を受けて、リツは少し何かを考えてから口を開く。
「……ちなみに、その妖精サンと生徒サンって仲良しっすか?」
「え……? うん、仲は悪くないはずだけど……」
「それなら……」
リツは何かを言いかけて、躊躇いがちに兄を見た。妹と目が合うと旋はニコッと微笑み、「うん」と頷く。
「任せてくれ」
「でも……」
「大丈夫。リツのこと、信じてるから」
リツと乙和の会話から、妹の考えが分かった旋ははっきりそう言い切る。旋に『信じてる』と言われ、リツは意を決したように大鎌をギターとマイクに変えた。
「圷サンは旋にぃの援護をお願いできるっすか?」
「え? うん……任せて? でも、一体、どうするの?」
「アタシの歌とギターで、妖精サンを落ち着かせるっす。そのスキに、旋にぃには妖精サンと相棒サンを救出してもらうので、圷サンは万が一、大蛇が動いたら攻撃してくださいっす」
戸惑い気味の乙和に、リツは作戦を伝えた。それを聞いた乙和は僅かに、眉間にシワを寄せる。
「……それって、旋くんが大蛇の中に飛び込むってことでしょ? いくらリツちゃんの力が強くても、暴走状態の妖精さんを完全に止められるとは限らない。もし、大蛇の中に飛び込んだ後に歌の効果が切れたら――」
「その時はナイフとかで何とか対応するよ。でももし、ジブンが背後から大蛇に襲われてたりしてたら、圷さんが助けてくれないかな?」
乙和の言葉を遮って、真っすぐな瞳で旋はそう言った。
「……わたしのことも、信じてくれるんだ? リツちゃんも、旋くんも」
「うん。信じてるよ」
「当然っす!」
鳴無兄妹の迷いのない返事に、乙和は小さなため息をついた後、まずはリツの方を見た。
「妖精さんと契約した子、Retaraの『フレンド』が好きらしいよ? その子の影響で、妖精さんもその曲が大好きになったみたいだし。だからリツちゃんはその曲を歌って?」
乙和は淡々とそこまで言うと、リツの返事を聞く前に今度は旋の方を見た。
「旋くんはもう少し能力を防御にも使って? 例えばこのバリアを移動式にするとか。それに三人で行動した方が生存率も上がるから、みんなで一緒に助けに行こ?」
鳴無兄妹は最初、乙和の声音に少し怒りのようなものがこもっている気がして、目を丸くしながら静かに話を聞いていた。しかしすぐに、自分達の事を考えてくれての怒りだと解ると、二人同時にニコリと笑って乙和の提案に頷く。
「ねぇ……ほんとにわたしの話、聞いてた? どうしてそんなにニコニコしているの?」
「勿論、聞いていたよ。ただ、圷さんって優しいんだなと思って」
「はいっす! 圷サンの優しさにほっこりしてただけっすよ」
乙和は鳴無兄妹が笑顔になった理由が分からず、僅かに眉間にシワを寄せる。
それでも旋とリツは笑みを崩さずに、サラリとそんな事を言うものだから乙和の眉間のシワが深くなった。
かくして作戦が決まってからの展開は早かった。
乙和に言われた通り旋はバリアを移動式にして、リツはRetaraの『フレンド』の歌詞とメロディを頭に思い浮かべる。
リツは三秒程、目を閉じてからギターを弾きながら歌い始める。歌詞を咀嚼して、詩の中に登場する少女二人の心情を表現しながら、まるで別人のように唄う。バリアのおかげで、リツは安心して歌う事だけに集中できている。それゆえか、暴走しているヨウセイ族の心に早い段階で歌が響き、大蛇達が大人しくなる。
その隙に旋と乙和で道を切り開きつつバリアを前進させ、捕らわれている女生徒と彼女の相棒を救出した。その後は互いの背中と救出した二名を守りながら、容赦なくテンシを攻撃する。鳴無兄妹が自分を信じてくれるならと、乙和も二人を信頼して百パーセントの力を出した。
それから程なくして、翼が全て散ったテンシの檻が徐々に崩れ始める。
「あらら……ヒトちゃま三人だけでも、よゆーでクリアしちゃった。おもしろくなーい」
可愛らしい声の主……スリプが言葉を発した瞬間、彼女が作った黒いシャボン玉が割れた。
「アタシ達がやるべきことは一つっすね!」
旋とリツは顔を見合わせ、互いに同じ意見である事を確認するとニッと笑った。鳴無兄妹の言動に、乙和はきょとんとした顔をする。
「……やるべきこと?」
「うん。捕まってる人を助けて」
「テンシを倒すっす!」
鳴無兄妹の息の合った返答を聞いて、乙和は少し困惑する。
「気にならないの? 怒らないの?」
「圷さんのあいぼ……契約相手のスリプさんだっけ? 彼女がどうして、こんなことをしたのかってのは全部、終わってから聞いても遅くはないし」
「同じくっす! それに何より今は、人助けを優先すべきっすからね!」
旋とリツは真っすぐ過ぎる迷いのない瞳で、乙和を見つめる。
二人の視線と言葉に乙和は目をぱちくりさせた後、「二人はすごいね」と呟く。あまりにも小さなその声を鳴無兄妹は聞き取れず、何と言ったのか尋ねようとしたが、それよりも早く乙和が口を開く。
「リツちゃんと旋くんはバリア中で待ってて? 二人は次女ちゃんの遊びに巻き込まれただけだから。道具のイタズラは駒が――」
「そんなの駄目だ!」
「そんなのダメっす!」
乙和が全て言い終える前に、旋とリツは声を揃えて勢いよく言葉を遮った。少し怒っているようにも見える鳴無兄妹の表情に、乙和はただただ戸惑う。
「どうして一人でなんとかしようとするんすか!?」
「だって……これはわたしとスリプちゃんの問題で……」
若干、潤む瞳でリツに見つめられ、乙和は明らかにたじろぐ。
「圷さん、それは違うよ。だってスリプさんはジブンとリツの名前も呼んで、この中に引き込んだだろ? だからジブン達も決して無関係ではないよ」
「だからそれは、スリプちゃんのタチの悪いイタズラに、彼女が二人をついでに巻き込んだだけで……」
真剣に独自の解釈をしている旋の言葉に、乙和はふるふると首を横に振る。
「そもそも捕まってる人を助けたいって言ったのはアタシっす! それなのに圷サンに全部、押し付けるのは間違ってるっす!」
「ジブンはリツの考えに真っ先に同意したし当然、途中で投げ出す気は更々ないよ」
「でも……スリプちゃんのせいで、作戦もダメにしちゃったし……」
鳴無兄妹の熱量に圧され、乙和の声はどんどん小さくなっていく。そして、『作戦なんてまた考え直せばいいだけ』だと、また声を揃えて言われた事で、乙和はとうとう折れた。
「じゃあ……一緒に戦ってくれる?」
「うん!」
「はいっす!」
乙和の問いにまた、旋とリツの嬉しそうな声が重なる。二人が笑顔になった理由が解からない乙和の頭の中はハテナでいっぱいだ。
「そうと決まれば作戦だけど――」
「あの……その前に少しいいっすか?」
旋の言葉を遮ったリツの表情は、先程とは打って変わり真っ青だ。リツは旋や乙和ではなく、二人の後ろ……バリアの外側に向いている。
「リツ、どうしたんだ?」
「大蛇が増えてるっす……」
「へ……」
大蛇に背を向けた状態の旋と乙和は、リツの言葉に振り返る。すると、大量の大蛇がバリアの外でうねうね動き、三人を睨みつけていた。
「は……? どうして……」
旋のその言葉を合図にしたかのように、大蛇達は一斉に攻撃を仕掛けてくる。戸惑いながらも旋は瞬時に、バリアを何重にも張る。そのおかげで、大蛇達の攻撃を今のところは防げている。
血の気が引いている鳴無兄妹とは違い、平然とした表情の乙和は「もしかして」と呟く。
「このテンシは乗っ取られているんじゃないかな? 執着のテンシにはこんなことできないし。リツちゃん、捕まっているのって中等部の制服を着た、短い黒髪の子だった?」
乙和の突然の問いに、リツは少し戸惑いつつも「確かそうだったはずっす」と答えた。
「やっぱり。その子の契約相手は、『増加』の能力を持つ妖精族だから。大蛇が増えた理由は、その妖精さんがテンシを乗っ取ったからだと思うよ?」
「それならもしかして、『たすけて』って声も……」
「捕まってる子じゃなくて、妖精さんの方かもね? ……例え悪意のない執着心で、テンシを乗っ取れたとしても力を持て余して、暴走することもあるみたいだし。自分ではどうにもできなくて、『たすけて』なのかもね?」
乙和の言葉を受けて、リツは少し何かを考えてから口を開く。
「……ちなみに、その妖精サンと生徒サンって仲良しっすか?」
「え……? うん、仲は悪くないはずだけど……」
「それなら……」
リツは何かを言いかけて、躊躇いがちに兄を見た。妹と目が合うと旋はニコッと微笑み、「うん」と頷く。
「任せてくれ」
「でも……」
「大丈夫。リツのこと、信じてるから」
リツと乙和の会話から、妹の考えが分かった旋ははっきりそう言い切る。旋に『信じてる』と言われ、リツは意を決したように大鎌をギターとマイクに変えた。
「圷サンは旋にぃの援護をお願いできるっすか?」
「え? うん……任せて? でも、一体、どうするの?」
「アタシの歌とギターで、妖精サンを落ち着かせるっす。そのスキに、旋にぃには妖精サンと相棒サンを救出してもらうので、圷サンは万が一、大蛇が動いたら攻撃してくださいっす」
戸惑い気味の乙和に、リツは作戦を伝えた。それを聞いた乙和は僅かに、眉間にシワを寄せる。
「……それって、旋くんが大蛇の中に飛び込むってことでしょ? いくらリツちゃんの力が強くても、暴走状態の妖精さんを完全に止められるとは限らない。もし、大蛇の中に飛び込んだ後に歌の効果が切れたら――」
「その時はナイフとかで何とか対応するよ。でももし、ジブンが背後から大蛇に襲われてたりしてたら、圷さんが助けてくれないかな?」
乙和の言葉を遮って、真っすぐな瞳で旋はそう言った。
「……わたしのことも、信じてくれるんだ? リツちゃんも、旋くんも」
「うん。信じてるよ」
「当然っす!」
鳴無兄妹の迷いのない返事に、乙和は小さなため息をついた後、まずはリツの方を見た。
「妖精さんと契約した子、Retaraの『フレンド』が好きらしいよ? その子の影響で、妖精さんもその曲が大好きになったみたいだし。だからリツちゃんはその曲を歌って?」
乙和は淡々とそこまで言うと、リツの返事を聞く前に今度は旋の方を見た。
「旋くんはもう少し能力を防御にも使って? 例えばこのバリアを移動式にするとか。それに三人で行動した方が生存率も上がるから、みんなで一緒に助けに行こ?」
鳴無兄妹は最初、乙和の声音に少し怒りのようなものがこもっている気がして、目を丸くしながら静かに話を聞いていた。しかしすぐに、自分達の事を考えてくれての怒りだと解ると、二人同時にニコリと笑って乙和の提案に頷く。
「ねぇ……ほんとにわたしの話、聞いてた? どうしてそんなにニコニコしているの?」
「勿論、聞いていたよ。ただ、圷さんって優しいんだなと思って」
「はいっす! 圷サンの優しさにほっこりしてただけっすよ」
乙和は鳴無兄妹が笑顔になった理由が分からず、僅かに眉間にシワを寄せる。
それでも旋とリツは笑みを崩さずに、サラリとそんな事を言うものだから乙和の眉間のシワが深くなった。
かくして作戦が決まってからの展開は早かった。
乙和に言われた通り旋はバリアを移動式にして、リツはRetaraの『フレンド』の歌詞とメロディを頭に思い浮かべる。
リツは三秒程、目を閉じてからギターを弾きながら歌い始める。歌詞を咀嚼して、詩の中に登場する少女二人の心情を表現しながら、まるで別人のように唄う。バリアのおかげで、リツは安心して歌う事だけに集中できている。それゆえか、暴走しているヨウセイ族の心に早い段階で歌が響き、大蛇達が大人しくなる。
その隙に旋と乙和で道を切り開きつつバリアを前進させ、捕らわれている女生徒と彼女の相棒を救出した。その後は互いの背中と救出した二名を守りながら、容赦なくテンシを攻撃する。鳴無兄妹が自分を信じてくれるならと、乙和も二人を信頼して百パーセントの力を出した。
それから程なくして、翼が全て散ったテンシの檻が徐々に崩れ始める。
「あらら……ヒトちゃま三人だけでも、よゆーでクリアしちゃった。おもしろくなーい」
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