ようこそ、喫茶店ネロへ

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「いらっしゃいませ」

「い、いらっしゃいませ」

　今日からアルバイトの高木君と佐藤さんと仕事していくわけだが、この2人仕事を覚えるのがはやい。

「店長2番テーブル、カフェモカ１つ」

「あっ、ああ了解」

　ダメだ俺がカウンターで豆削るだけの人になってる。

カラン

　店の扉が開いた、2人のお婆さんが入ってきた。

「いらっしゃいませ」

「健ちゃん、久しぶり会いにきたよ」

　2人のうち優しそうなお婆さんが俺に話しかけてきた。

「里子さん、優子さんお久しぶりです」

　優しそうな方が里子さん、つり目の優子さんだ2人は子供の時によく遊んでくれた父さんの知り合いだ。

「なんだいタケ坊あの2人は」

「アルバイトの高木君と佐藤さんだよ優子さん」

「そうかい」

　そう言うと優子さんは俺の前の席に座ってコーヒーを１つ頼んだ。

　里子さんがニコニコしながら高木君に近づいて行った。

「あの、何か？」

「あんたは、コッチ側だねぇ」

「コッチ側？」　

　里子さんが高木君に何か言おうとする時。

「里子さん」

　優子さんが里子さんを呼んだ。

「あら、ごめんなさいね優子さん」

　里子さんが優子さんの隣に座って優子さんと同じコーヒーを頼んだ。

「里子さん、余りうちの店員を困らせないでください」

「あらあら、ごめんなさいね」

　そう言うと出したコーヒーを飲み始めた、里子さんの口の中に牙のようなものが見える。