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「真面目に向き合ってくれるのはわかりますけど、なんだか、言い聞かせるみたいに人に好意を持つことって間違ってる気がするんです」
「確かにそうかもしれない」
言いながら、そういえば作中で一度もオスカーはデルドレーに「愛している」と言った事がなかったと思い出す。
嘘はつけないから。だろう。
偽りの甘い言葉を吐く男よりもずっと信用できるから、デルドレーはオスカーに執着したのかもしれない。
ただ、オスカーはどう考えているのか私にはわからなかった。
ただ、彼は苦しんでいたし、それから解放してあげる事ができるのは私だけだ。
デイジーが現れたらすぐに婚約を解消した方がいい。
「婚約者として接して貰えればそれで構いません。私は何も望みませんし、強要もしません」
「わかった」
多くは望まない。と、言いつつもう一つの提案をすることしにた。
不幸にならないための唯一の方法だ。
「もしも、どちらかに好きな人ができたら、この婚約は考え直す事ができますか?」
「それは、どういう意味ですか?」
「言葉のままの意味です。好きな人ができたら婚約は解消しましょう」
「僕は他の人を好きになる事はありません」
きっぱりとそう言い切るオスカー。
私は、お前のために言ってるんだよ。と、言いたくなるのを堪える。
「……貴方ならそう言うでしょうね。でも、人生どうなるかわかりませんもの」
「わかりました」
ふふふ、と、笑って誤魔化すとオスカーは少しだけ不満そうな顔をした。
こうして、婚約関係は始まった。
気安い友人にでもなれればいい。と、私は思っていたが、それは難しかった。
オスカーは、あまり腹の内を見せるような男ではなかったのだ。
デルドレー。と、呼んでもらえるまで長い時間がかかった。
そして、物語が始まる日を迎えた。
それは、ある夜会での出来事だった。
「あっ」
体勢を崩して転びそうになったデイジーを支えたのはオスカーだった。
「大丈夫ですか?」
「……はい」
優しく声をかけるオスカーに、恥ずかしそうな顔をして返事をするデイジー。
二人の目が合い。恋に落ちた瞬間を私は見届けた。
さてと、どうやって退散すべきか。
二人の関係が進展してから、婚約解消の話を出した方が良さそうだ。
私は、今後のことを考えていると、声をかけられた。
「ねえ、声をかけに行かなくていいの?」
クリストファーだ。
あの、お茶会以降何かと絡んでくるようになった。
会えば話す程度の友達だ。
女性からモテているようだが、特定の相手とは懇意にはしていないようで、真面目に過ごしているようだ。
「何故です?」
「婚約者だろう?」
オスカーがデイジーと話しているところを私が気にしているように見えるのだろうか。
もし、そう見えるのなら、クリストファーの目は節穴だ。
わたしは好意があるように接しているつもりは全くない。
女性がオスカーを狙って声をかけてきたとしても、席を外す程度には気遣いをしているつもりだ。
「別に、私には関係のない事ですし」
「でもさ、馴れ馴れしくない?」
クリストファーは、なぜかデイジーに対して不愉快そうにしている。
もしかして、彼はオスカーの事が好きなのかもしれない。
愛の形は色々あるのでそこを否定するつもりは全くないのだけれど。
「そうですか?夜会で転んだらあの女性が気の毒だと思いますけど」
「……君って本当に優しいね」
「普通ですよ」
普通だ。できれば、さっさと二人がくっついてくれた方が助かると思っているくらいだ。
色恋に巻き込まれるのは面倒だから。
「真面目に向き合ってくれるのはわかりますけど、なんだか、言い聞かせるみたいに人に好意を持つことって間違ってる気がするんです」
「確かにそうかもしれない」
言いながら、そういえば作中で一度もオスカーはデルドレーに「愛している」と言った事がなかったと思い出す。
嘘はつけないから。だろう。
偽りの甘い言葉を吐く男よりもずっと信用できるから、デルドレーはオスカーに執着したのかもしれない。
ただ、オスカーはどう考えているのか私にはわからなかった。
ただ、彼は苦しんでいたし、それから解放してあげる事ができるのは私だけだ。
デイジーが現れたらすぐに婚約を解消した方がいい。
「婚約者として接して貰えればそれで構いません。私は何も望みませんし、強要もしません」
「わかった」
多くは望まない。と、言いつつもう一つの提案をすることしにた。
不幸にならないための唯一の方法だ。
「もしも、どちらかに好きな人ができたら、この婚約は考え直す事ができますか?」
「それは、どういう意味ですか?」
「言葉のままの意味です。好きな人ができたら婚約は解消しましょう」
「僕は他の人を好きになる事はありません」
きっぱりとそう言い切るオスカー。
私は、お前のために言ってるんだよ。と、言いたくなるのを堪える。
「……貴方ならそう言うでしょうね。でも、人生どうなるかわかりませんもの」
「わかりました」
ふふふ、と、笑って誤魔化すとオスカーは少しだけ不満そうな顔をした。
こうして、婚約関係は始まった。
気安い友人にでもなれればいい。と、私は思っていたが、それは難しかった。
オスカーは、あまり腹の内を見せるような男ではなかったのだ。
デルドレー。と、呼んでもらえるまで長い時間がかかった。
そして、物語が始まる日を迎えた。
それは、ある夜会での出来事だった。
「あっ」
体勢を崩して転びそうになったデイジーを支えたのはオスカーだった。
「大丈夫ですか?」
「……はい」
優しく声をかけるオスカーに、恥ずかしそうな顔をして返事をするデイジー。
二人の目が合い。恋に落ちた瞬間を私は見届けた。
さてと、どうやって退散すべきか。
二人の関係が進展してから、婚約解消の話を出した方が良さそうだ。
私は、今後のことを考えていると、声をかけられた。
「ねえ、声をかけに行かなくていいの?」
クリストファーだ。
あの、お茶会以降何かと絡んでくるようになった。
会えば話す程度の友達だ。
女性からモテているようだが、特定の相手とは懇意にはしていないようで、真面目に過ごしているようだ。
「何故です?」
「婚約者だろう?」
オスカーがデイジーと話しているところを私が気にしているように見えるのだろうか。
もし、そう見えるのなら、クリストファーの目は節穴だ。
わたしは好意があるように接しているつもりは全くない。
女性がオスカーを狙って声をかけてきたとしても、席を外す程度には気遣いをしているつもりだ。
「別に、私には関係のない事ですし」
「でもさ、馴れ馴れしくない?」
クリストファーは、なぜかデイジーに対して不愉快そうにしている。
もしかして、彼はオスカーの事が好きなのかもしれない。
愛の形は色々あるのでそこを否定するつもりは全くないのだけれど。
「そうですか?夜会で転んだらあの女性が気の毒だと思いますけど」
「……君って本当に優しいね」
「普通ですよ」
普通だ。できれば、さっさと二人がくっついてくれた方が助かると思っているくらいだ。
色恋に巻き込まれるのは面倒だから。
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