3 / 7
3
隣の屋敷にやってきた次の日に、私の屋敷へと二人は挨拶に来た。
二人とも金色の髪の毛をしていて、星のようにキラキラと輝いて見える。
……お似合いだわ。
とても整った容姿の二人を見て、私はそんなことをぼんやりと思った。
やっぱり綺麗な人は、綺麗な人と一緒にいるのね。
「初めまして」
男の方、夫だろかが恭しく挨拶をしてきた。
夫の方がアルビレオといい、妻の方がデネブという名前らしい。
どうやら、二人はこちらの流儀について色々と聞いているようだ。
「初めまして、よろしくお願いします。その、困ったことがあったらお互いに助け合いましょうね」
困った時の助け合い。は、この土地でのルールらしく、するりと口から出てきた。
それを口にしながら、随分とこの土地に馴染んできたのだとしみじみと思った。
その瞬間、アルビレオの顔がヒクリと引き攣ったのが見えた。
都会の人からしたら、こういったことを言われるのは嫌なのかもしれない。
「あぁ、はい。その、君はここに来て長いのかい?随分と若いようだけど」
アルビレオは、するりと私の言ったことを流して、なぜここにいるのかわざわざ聞いてきた。
それが、訳ありなのだから、あえてお互い踏み込もうとするのはやめよう。と、言われているように聞こえる。
上手く言えないのだけれど、牽制されてるような気がした。
「……2年目になります」
「都会には行かないのかい?まだ、若いだろう?そういう相手もいないのか?」
2年目と答えると、結婚もせずに田舎になぜ引っ込んでいるのかと言われる。
「大切な人との思い出の場所にずっといたいんです。ここは幸せな思い出しかないから、だから、都会に行くことはないでしょうね」
少し腹立たしさを感じながら、ようやく答えるとアルビレオは、まずい事を言ったと気がついた様子で顔色を変えた。
だったら、いい年して独り身で田舎になぜ引っ込んでいるのか、わざわざ聞かなければよかったのだ。
「すみません。若い子がこんなところにいる事に驚いてしまって」
「うふふ、若くないですよ。貴方よりもきっと年上ですよ。それよりも、挨拶回りがまだあるんでしょう?ここの人は話が長いから時間がかかってしまいますよ」
アルビレオの言い訳に、貴族の令嬢だった時の笑みを浮かべてさっさと帰れと返す。
「あ、あぁ、そうですね。その、長々と話かけてしまってすみませんでした」
アルビレオは反省した様子で申し訳ないと謝ってきた。
「アル!行きましょう」
そこに、ずっと黙っていたデネブが声をかけてきた。
二人の腕が絡み合うのを見ながら、私は羨ましくなった。
もしも、ローガンが心移りしなかったら、私も今頃は幸せな生活をしていたのかもしれない。と、思ってしまったからだ。
その日から、彼らが目につくようになっていった。
たとえば、屋敷のバルコニーから見える浜辺を二人が手を繋ぎ歩いている姿や、使用人達から聞かされる仲睦まじい様子。
二人が羨ましくて仕方なかった。
私は比較的恵まれている人間だと思っている。食べる事には困らないし、援助した芸術家達はみんな成功している。
おそらく使用人からも嫌われていないだろう。
マーサからは好かれていると思う。
……それでも、愛されてはいない。
二人を見るたびに痛烈にそれを見せつけられているような気分になるのだ。
アルビレオに抱きしめられて、幸せそうに微笑むデネブが羨ましかった。
そんなある日、デネブが私に助けを求めにやってきた。
二人とも金色の髪の毛をしていて、星のようにキラキラと輝いて見える。
……お似合いだわ。
とても整った容姿の二人を見て、私はそんなことをぼんやりと思った。
やっぱり綺麗な人は、綺麗な人と一緒にいるのね。
「初めまして」
男の方、夫だろかが恭しく挨拶をしてきた。
夫の方がアルビレオといい、妻の方がデネブという名前らしい。
どうやら、二人はこちらの流儀について色々と聞いているようだ。
「初めまして、よろしくお願いします。その、困ったことがあったらお互いに助け合いましょうね」
困った時の助け合い。は、この土地でのルールらしく、するりと口から出てきた。
それを口にしながら、随分とこの土地に馴染んできたのだとしみじみと思った。
その瞬間、アルビレオの顔がヒクリと引き攣ったのが見えた。
都会の人からしたら、こういったことを言われるのは嫌なのかもしれない。
「あぁ、はい。その、君はここに来て長いのかい?随分と若いようだけど」
アルビレオは、するりと私の言ったことを流して、なぜここにいるのかわざわざ聞いてきた。
それが、訳ありなのだから、あえてお互い踏み込もうとするのはやめよう。と、言われているように聞こえる。
上手く言えないのだけれど、牽制されてるような気がした。
「……2年目になります」
「都会には行かないのかい?まだ、若いだろう?そういう相手もいないのか?」
2年目と答えると、結婚もせずに田舎になぜ引っ込んでいるのかと言われる。
「大切な人との思い出の場所にずっといたいんです。ここは幸せな思い出しかないから、だから、都会に行くことはないでしょうね」
少し腹立たしさを感じながら、ようやく答えるとアルビレオは、まずい事を言ったと気がついた様子で顔色を変えた。
だったら、いい年して独り身で田舎になぜ引っ込んでいるのか、わざわざ聞かなければよかったのだ。
「すみません。若い子がこんなところにいる事に驚いてしまって」
「うふふ、若くないですよ。貴方よりもきっと年上ですよ。それよりも、挨拶回りがまだあるんでしょう?ここの人は話が長いから時間がかかってしまいますよ」
アルビレオの言い訳に、貴族の令嬢だった時の笑みを浮かべてさっさと帰れと返す。
「あ、あぁ、そうですね。その、長々と話かけてしまってすみませんでした」
アルビレオは反省した様子で申し訳ないと謝ってきた。
「アル!行きましょう」
そこに、ずっと黙っていたデネブが声をかけてきた。
二人の腕が絡み合うのを見ながら、私は羨ましくなった。
もしも、ローガンが心移りしなかったら、私も今頃は幸せな生活をしていたのかもしれない。と、思ってしまったからだ。
その日から、彼らが目につくようになっていった。
たとえば、屋敷のバルコニーから見える浜辺を二人が手を繋ぎ歩いている姿や、使用人達から聞かされる仲睦まじい様子。
二人が羨ましくて仕方なかった。
私は比較的恵まれている人間だと思っている。食べる事には困らないし、援助した芸術家達はみんな成功している。
おそらく使用人からも嫌われていないだろう。
マーサからは好かれていると思う。
……それでも、愛されてはいない。
二人を見るたびに痛烈にそれを見せつけられているような気分になるのだ。
アルビレオに抱きしめられて、幸せそうに微笑むデネブが羨ましかった。
そんなある日、デネブが私に助けを求めにやってきた。
あなたにおすすめの小説
王宮勤めにも色々ありまして
あとさん♪
恋愛
スカーレット・フォン・ファルケは王太子の婚約者の専属護衛の近衛騎士だ。
そんな彼女の元婚約者が、園遊会で見知らぬ女性に絡んでる·····?
おいおい、と思っていたら彼女の護衛対象である公爵令嬢が自らあの馬鹿野郎に近づいて·····
危険です!私の後ろに!
·····あ、あれぇ?
※シャティエル王国シリーズ2作目!
※拙作『相互理解は難しい(略)』の2人が出ます。
※小説家になろうにも投稿しております。
カリスタは王命を受け入れる
真朱マロ
恋愛
第三王子の不始末で、馬に変えられた騎士との婚姻を命じられた公爵令嬢カリスタは、それを受け入れるのだった。
やがて真実の愛へと変わっていく二人の、はじまりの物語。
別サイトにも重複登校中
貴族のとりすました顔ばかり見ていたから素直でまっすぐでかわいいところにグッときたという
F.conoe
恋愛
学園のパーティの最中に、婚約者である王子が大きな声で私を呼びました。
ああ、ついに、あなたはおっしゃるのですね。
駄犬の話
毒島醜女
恋愛
駄犬がいた。
不幸な場所から拾って愛情を与えたのに裏切った畜生が。
もう思い出すことはない二匹の事を、令嬢は語る。
※かわいそうな過去を持った不幸な人間がみんな善人というわけじゃないし、何でも許されるわけじゃねえぞという話。
義兄のために私ができること
しゃーりん
恋愛
姉が亡くなった。出産時の失血が原因だった。
しかも、子供は義兄の子ではないと罪の告白をして。
入り婿である義兄はどこまで知っている?
姉の子を跡継ぎにすべきか、自分が跡継ぎになるべきか、義兄を解放すべきか。
伯爵家のために、義兄のために最善の道を考え悩む令嬢のお話です。
悪夢がやっと覚めた
下菊みこと
恋愛
毎晩見る悪夢に、精神を本気で病んでしまって逃げることを選んだお嬢様のお話。
最後はハッピーエンド、ご都合主義のSS。
主人公がいわゆるドアマット系ヒロイン。とても可哀想。
主人公の周りは婚約者以外総じてゴミクズ。
小説家になろう様でも投稿しています。
モブの声がうるさい
ぴぴみ
恋愛
公爵令嬢ソフィアには、幼い頃より決まった婚約者がいる。
第一王子のリアムだ。
いつの頃からか、ソフィアは自身の感情を隠しがちになり、リアム王子は常に愛想笑い。
そんなとき、馬から落ちて、変な声が聞こえるようになってしまって…。