悪の令嬢と善の王子

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「あなたが仮に何回ごめんなさいって言っても、私は絶対あなたのことを許さないから」

「どうしてですか。どうして私が悪いってことになるんですか。その理由がわかりませんね」

「そうやって私に逆らうのだったら、まずはその汚い口を封じなければいけないかもしれないですね」

私は何も恐れていませんでした。仮に相手が私より格上の貴族の令嬢であったとしても、私はただ、自分の正義に則って行動するだけでした。

「もうこれ以上、あなたと話してもあまり意味がないようですね。それに、私も少し疲れてしまいました。あなたのことを考えているだけで、私は寝れなくなってしまうのです。でもそれでは、本当に大変なことになってしまいますから、その前にあなたをこの世界から抹殺することにしましょう」

「あなたにどうして、そんな権利があると言うのですか。どうして私の命が、あなたによって裁かれなければならないのですか。全く意味がわかりませんよ。ねぇ、どうして」


彼女は最後にそう言って、私の前から少しずつ消えていきました。いや、正確に申し上げますと、私が彼女のことを消したわけでございます。

でも、そんなこと言ったって誰も信じてくれないでしょうから、まぁ神様がやったと言うことにでもしておきましょうか。おそらく、明日の朝刊には、彼女の死亡について書かれることでしょう。でも、これ以上私は何も言いません。それが私のやり方なのです。