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その9
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「おいおい!また随分と小さな子供じゃないか!まあ、いいや。この国で、女の子は奴隷だからな!おーい、金が欲しいか?だったら、俺たちと遊ぼうぜ!」
私は確かに妹のジューンほど美しくない。だが、男たちの遊び相手にはちょうどいいのだろう。ジューンが相手となると、相当の金をはずまなければならないだろうから。ああ、ジューンは元気だろうか?
「こう見えても、一応大人なんだけどな……。それよりも、皆さん。お聞きしたいことがあるんですよ。教えてくれませんか?」
私がこう言うと、男たちはみんなで私を取り囲んだ。
「そうだな、俺たちの相手が上手くできたら、答えてやってもいいぜ!」
一番筋肉質で屈強そうな男が、私の腕に触れようとした、が。
「いてえええっ!おい、何しやがるんだ!」
「別に何もしてませんけど?」
「こいつ、なめやがって!」
男たちが次々に襲いかかってきた。だが、誰も私の身体に触れることはできなかった。小刀のシールドである。敵と認識した人間の攻撃を完全にシャットアウトすることができる。無暗に触れようとすると、電撃によるしびれとやけどを負うことになる。
どうやら、私が普通の人間でないことに気がついたようだ。最初に襲いかかってきた男が、ピストルを構えた。
「こいつは化け物だ!なあ、殺してもいいよな?」
男は、他のメンバーに質問した。
「ああ、問題ないよ。そうじゃないと、俺たちが殺されちまう!」
「わかった!」
男はピストルの照準を、私の胸に合わせた。普通の人間ならば、このまま死んでしまう。
だが……。
パンパンパン、と三発、男は発砲した。狙いは正確だったが、どの弾丸も、私の身体をかすめることはなかった。目に見えないシールドの境界に入って、弾は跡形もなく消滅してしまった。
これを見た男は、がむしゃらにピストルを撃ち続けた。弾が無くなっても、引き金を引き続けた。とにかく、私を殺すことだけを考えていたのだ。だが、私は当然死ななかった。
「化け物だ……本当に化け物だ…………」
男は遂に地面へ倒れ込んだ。他の男たちは、一目散にその場から逃げ始めた。
「あらあら、あなたはリーダーではないのかしら?お仲間はすぐに裏切るのね」
私はゆっくりと男の元へ歩み寄った。男は、化け物である私が近づいてくるので、すっかりと腰が抜けてしまった。
「おい……頼むからこれ以上近づくな!」
男は声で威嚇するしかなかった。
「でも、私の質問に答えて頂かないと困りますよ」
「ああ、わかった!なんでも答えるから、これ以上近づかないでくれえっ!」
これ以上近づくと、男が意識を失うと思った。だから、1メートルくらいの間合いで止まった。
「よろしい、それでは質問しましょう。あなたたちは一体何者ですか?」
町が荒廃した手掛かりをつかめると、私は思った。
「俺たちは……カーティス伯爵家の侍従だったんだ……」
その意外な返答に、私は戸惑いを隠せなかった。
私は確かに妹のジューンほど美しくない。だが、男たちの遊び相手にはちょうどいいのだろう。ジューンが相手となると、相当の金をはずまなければならないだろうから。ああ、ジューンは元気だろうか?
「こう見えても、一応大人なんだけどな……。それよりも、皆さん。お聞きしたいことがあるんですよ。教えてくれませんか?」
私がこう言うと、男たちはみんなで私を取り囲んだ。
「そうだな、俺たちの相手が上手くできたら、答えてやってもいいぜ!」
一番筋肉質で屈強そうな男が、私の腕に触れようとした、が。
「いてえええっ!おい、何しやがるんだ!」
「別に何もしてませんけど?」
「こいつ、なめやがって!」
男たちが次々に襲いかかってきた。だが、誰も私の身体に触れることはできなかった。小刀のシールドである。敵と認識した人間の攻撃を完全にシャットアウトすることができる。無暗に触れようとすると、電撃によるしびれとやけどを負うことになる。
どうやら、私が普通の人間でないことに気がついたようだ。最初に襲いかかってきた男が、ピストルを構えた。
「こいつは化け物だ!なあ、殺してもいいよな?」
男は、他のメンバーに質問した。
「ああ、問題ないよ。そうじゃないと、俺たちが殺されちまう!」
「わかった!」
男はピストルの照準を、私の胸に合わせた。普通の人間ならば、このまま死んでしまう。
だが……。
パンパンパン、と三発、男は発砲した。狙いは正確だったが、どの弾丸も、私の身体をかすめることはなかった。目に見えないシールドの境界に入って、弾は跡形もなく消滅してしまった。
これを見た男は、がむしゃらにピストルを撃ち続けた。弾が無くなっても、引き金を引き続けた。とにかく、私を殺すことだけを考えていたのだ。だが、私は当然死ななかった。
「化け物だ……本当に化け物だ…………」
男は遂に地面へ倒れ込んだ。他の男たちは、一目散にその場から逃げ始めた。
「あらあら、あなたはリーダーではないのかしら?お仲間はすぐに裏切るのね」
私はゆっくりと男の元へ歩み寄った。男は、化け物である私が近づいてくるので、すっかりと腰が抜けてしまった。
「おい……頼むからこれ以上近づくな!」
男は声で威嚇するしかなかった。
「でも、私の質問に答えて頂かないと困りますよ」
「ああ、わかった!なんでも答えるから、これ以上近づかないでくれえっ!」
これ以上近づくと、男が意識を失うと思った。だから、1メートルくらいの間合いで止まった。
「よろしい、それでは質問しましょう。あなたたちは一体何者ですか?」
町が荒廃した手掛かりをつかめると、私は思った。
「俺たちは……カーティス伯爵家の侍従だったんだ……」
その意外な返答に、私は戸惑いを隠せなかった。
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