1 / 1
王子様
しおりを挟む
いたって冷静、いたって冷静……。そうです。私はいたって冷静なのです。
「待ちなさい。君は何か間違いをしているようなのだが???」
「間違いですって???王子様、私は何も間違ってなんかいませんよ。それは……王子様のほうじゃないんですか???」
「…………そんなことはないはずだが???」
「あらあら、王子様。嘘をつくのはよくありませんねえ……。ではどうして、私と別れようとしたのでしょうか」
「それは……君のことがあまりにも怖くて……」
「あらあら……そんなことを言ってしまうのですか???」
「だって……ほら、君はいまにも私のことを殺そうとしているじゃないか!!!」
「殺すですって???そんなわけないでしょう!!!」
「いや、でもこうやってほら、私の顔を踏みつぶそうと……」
「ええ、それは別にまずいことじゃないでしょう???」
ああ、やっぱりこいつはまずい……王子様はそう思ったはず。
「そういう趣味なのか???」
「いいえ、別にそういうわけではないですよ。ただね、なんとなくです」
「意味わからないし!」
「まあまあ、そんなことはおっしゃらずに!!!」
「いや、よくないから!!!そんなの、本当にまずいから!!!」
「ああ、本当に物わかりの悪いお方ですね!!!ああ、頭に来ちゃうわ!!」
令嬢は暴走(?)し続けるのだが、王子様というのもまた、少し特殊な生き物であり、あながち令嬢を嫌がっていないご様子。さあ、どうしてこんなことになっているのやら……???
「さて、これ以上議論しても意味がないようですから。もうやめにしましょうか???それでは、さようなら」
「おいおい、ちょっと待ったあああああああああっ!!!」
「待ちません」
令嬢は王子様を愛しているの???
そんなのも、結局はいまいちわからない世界。
「待ちなさい。君は何か間違いをしているようなのだが???」
「間違いですって???王子様、私は何も間違ってなんかいませんよ。それは……王子様のほうじゃないんですか???」
「…………そんなことはないはずだが???」
「あらあら、王子様。嘘をつくのはよくありませんねえ……。ではどうして、私と別れようとしたのでしょうか」
「それは……君のことがあまりにも怖くて……」
「あらあら……そんなことを言ってしまうのですか???」
「だって……ほら、君はいまにも私のことを殺そうとしているじゃないか!!!」
「殺すですって???そんなわけないでしょう!!!」
「いや、でもこうやってほら、私の顔を踏みつぶそうと……」
「ええ、それは別にまずいことじゃないでしょう???」
ああ、やっぱりこいつはまずい……王子様はそう思ったはず。
「そういう趣味なのか???」
「いいえ、別にそういうわけではないですよ。ただね、なんとなくです」
「意味わからないし!」
「まあまあ、そんなことはおっしゃらずに!!!」
「いや、よくないから!!!そんなの、本当にまずいから!!!」
「ああ、本当に物わかりの悪いお方ですね!!!ああ、頭に来ちゃうわ!!」
令嬢は暴走(?)し続けるのだが、王子様というのもまた、少し特殊な生き物であり、あながち令嬢を嫌がっていないご様子。さあ、どうしてこんなことになっているのやら……???
「さて、これ以上議論しても意味がないようですから。もうやめにしましょうか???それでは、さようなら」
「おいおい、ちょっと待ったあああああああああっ!!!」
「待ちません」
令嬢は王子様を愛しているの???
そんなのも、結局はいまいちわからない世界。
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
好きすぎます!※殿下ではなく、殿下の騎獣が
和島逆
恋愛
「ずっと……お慕い申し上げておりました」
エヴェリーナは伯爵令嬢でありながら、飛空騎士団の騎獣世話係を目指す。たとえ思いが叶わずとも、大好きな相手の側にいるために。
けれど騎士団長であり王弟でもあるジェラルドは、自他ともに認める女嫌い。エヴェリーナの告白を冷たく切り捨てる。
「エヴェリーナ嬢。あいにくだが」
「心よりお慕いしております。大好きなのです。殿下の騎獣──……ライオネル様のことが!」
──エヴェリーナのお目当ては、ジェラルドではなく獅子の騎獣ライオネルだったのだ。
婚約破棄されたのに、王太子殿下がバルコニーの下にいます
ちよこ
恋愛
「リリス・フォン・アイゼンシュタイン。君との婚約を破棄する」
王子による公開断罪。
悪役令嬢として破滅ルートを迎えたリリスは、ようやく自由を手に入れた……はずだった。
だが翌朝、屋敷のバルコニーの下に立っていたのは、断罪したはずの王太子。
花束を抱え、「おはよう」と微笑む彼は、毎朝訪れるようになり——
「リリス、僕は君の全てが好きなんだ。」
そう語る彼は、狂愛をリリスに注ぎはじめる。
婚約破棄×悪役令嬢×ヤンデレ王子による、
テンプレから逸脱しまくるダークサイド・ラブコメディ!
わんこ系婚約者の大誤算
甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。
そんなある日…
「婚約破棄して他の男と婚約!?」
そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。
その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。
小型犬から猛犬へ矯正完了!?
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる