離縁を迫られた公爵令嬢、旅に出る

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「レイチェル、私はこれ以上君の顔を見ているのが嫌になってしまった」

「それは、どういう意味ですか」

「質問する必要はないだろう。君は優秀なんだ。だから、私が何を言いたいのかわかるはずだ」

もちろん分りました。私の婚約者である王子ベンガル様が、そろそろ私と別れたいと言うことでした。

「どうして私と、別れようと思っているのですか」

「思い当たる節があるだろう。君の仕事は、私のことを支えることだ。だからといって、他人に迷惑をかけてしまうのは良くなかったんじゃないか。例えば…」

この後、彼が何を言おうとしているのか、私には痛いほどよくわかりました。彼にはたくさんの友達がおりました。そして、私よりもフレンドリーなガールフレンドと言うものがいたわけでございました。彼はきっと、そのガールフレンドに目移りでもしてしまったのでしょう。実を言うと、私も彼女のことを存じ上げております。彼女はなかなか高慢な女でした。そして、私のことをよく攻撃してきました。