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その6
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「チェスでもしようじゃないか?」
「はい。喜んで」
スミスとキャロルの日課はチェスだった。そして、必ずと言っていいほどキャロルが勝つ。
「相変わらず強いなあっ……」
「スミス様が弱すぎるのですよ」
「……そうなのかい?」
「ええっ……私の直感ですが……」
「そうか。それにしても、君は本当に頭がいいんだな。今回の一件も見事だったじゃないか?」
「……今回の一件とは何でございましょうか?」
「君は人を欺くことに秀でているね。しかしね、私をそこらのアホな貴族たちと一緒にされては困るんだね。あれは……最初から全て演技だったね?君は最初から美しく、最初から優秀で、最初から人を操ることに長けていた……」
「ほう……見抜いていましたか?スミス様、あなたも十分優秀でございますね!」
「君の狙いは……一々聞く必要はないかな?」
「ご推察にお任せいたします」
「そうか……」
スミスは少し考えてから、
「しかし、私は君と婚約したことを全く後悔していない」
と言った。
「ありがとうございます」
キャロルは礼を言った。
「そうだ、君がこれほど優秀な魔法使いであるのだから、早く子供が欲しいものだな!」
スミスは調子に乗って、キャロルの唇にキスをした。すると、頭脳明晰なキャロルはたちまち破綻した。
「スミス様!そんなことをおっしゃられましても!いきなりは無理なのでございます!!!」
「ははははっ!そうやって照れる君を見ているのが、一番好きなのだ!」
「もうっ、スミス様ったら!」
「君もあながち嫌ではないだろう?」
「スミス様の……イジワル……」
「何とでも言え!さあ、仕事をしよう。君の魔法で全て片付けてくれ!」
「こういう時だけ都合いいんですから!」
スミスが王子としてこなしてきた仕事を、キャロルの魔法ですぐに片付けることができた。
「よしよし……えらいぞ」
褒めて育つ……子供を育てる親のようにも聞こえるが、実際は夫婦だった。
スミスとキャロル……この二人が力を合わせて築き上げた世界は、後の世に受け継がれるほど、豊かな桃源郷だった。
終わり
「はい。喜んで」
スミスとキャロルの日課はチェスだった。そして、必ずと言っていいほどキャロルが勝つ。
「相変わらず強いなあっ……」
「スミス様が弱すぎるのですよ」
「……そうなのかい?」
「ええっ……私の直感ですが……」
「そうか。それにしても、君は本当に頭がいいんだな。今回の一件も見事だったじゃないか?」
「……今回の一件とは何でございましょうか?」
「君は人を欺くことに秀でているね。しかしね、私をそこらのアホな貴族たちと一緒にされては困るんだね。あれは……最初から全て演技だったね?君は最初から美しく、最初から優秀で、最初から人を操ることに長けていた……」
「ほう……見抜いていましたか?スミス様、あなたも十分優秀でございますね!」
「君の狙いは……一々聞く必要はないかな?」
「ご推察にお任せいたします」
「そうか……」
スミスは少し考えてから、
「しかし、私は君と婚約したことを全く後悔していない」
と言った。
「ありがとうございます」
キャロルは礼を言った。
「そうだ、君がこれほど優秀な魔法使いであるのだから、早く子供が欲しいものだな!」
スミスは調子に乗って、キャロルの唇にキスをした。すると、頭脳明晰なキャロルはたちまち破綻した。
「スミス様!そんなことをおっしゃられましても!いきなりは無理なのでございます!!!」
「ははははっ!そうやって照れる君を見ているのが、一番好きなのだ!」
「もうっ、スミス様ったら!」
「君もあながち嫌ではないだろう?」
「スミス様の……イジワル……」
「何とでも言え!さあ、仕事をしよう。君の魔法で全て片付けてくれ!」
「こういう時だけ都合いいんですから!」
スミスが王子としてこなしてきた仕事を、キャロルの魔法ですぐに片付けることができた。
「よしよし……えらいぞ」
褒めて育つ……子供を育てる親のようにも聞こえるが、実際は夫婦だった。
スミスとキャロル……この二人が力を合わせて築き上げた世界は、後の世に受け継がれるほど、豊かな桃源郷だった。
終わり
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