愛しているのは王女でなくて幼馴染

岡暁舟

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 たった1日で下級貴族(子爵)から最高位公爵の地位に上り詰めてしまった僕…目の前にいた上級貴族たちよりも高い地位にこのような形でたどり着いてしまったので、彼らは僕のことを妬むに違いないと思った。だって、一部の者は視線からして殺気立っているのだから。

「ええ、続きまして…」アンナ様が話を進めようとすると、待ったをかける者たちがやはり現れた。

「ええっと…議事の妨害をする不届き者の方々は…お名前を教えてくださーい!」

 アンナ様はまだ冷静に茶化した。

「ああ、名乗らなくてもいいですよ。その中央に居座り続けるのは…まとめて3人のブラウン公爵兄弟ですね?」

 ブラウン公爵家…やはり、貴族業界で知らない者はいなかった。王家の血筋に近く、不定期ではあるが王家の淑女と婚約関係を結び、王家の外縁として中央の政治に関わっていることで有名だった。


「ええ、公爵家として発言を御許しくださいますよう…」

 兄弟のうち年長者が話を始めた。 

「やだ、と言ったら?というより…王女に意見しようって、どういう魂胆なんですかね!」

 アンナ様が再びイラつき始めた。癇癪タイムの始まり…こうなっては誰も手が付けられないはずだった。


「全く…世間知らずなお嬢様だ…」

 アンナ様はすぐさま公爵の元に走っていった。

「何か言いましたか?」

 アンナ様は鬼の形相だった。公爵のことを睨みつけていた。

「いや、だから…世間知らずだなって…」

 ここまでアンナ様に対して挑戦的な態度をとれる公爵は正直すごいと思った。ただ、皇帝陛下の面前でもあるし、あまりにもアンナ様を侮辱してしまうと、いくら公爵といえど不敬罪で捕まる可能性がゼロではなかった。そのことは、公爵本人もよく分かっているはずなのに…。

「次言ったら…殺しますわよ?」

「それなら、殺せばいい。私は自分の意見をはっきりと言わせてもらいますよ…」

 僕はかえって公爵の方が恐ろしいというか…相当強いメンタルの持ち主なのだと思った。

「こんなバカげた方法をとっていては…王家の名に傷がつくってものですよ…所詮は下級貴族の分際で、たまたま王女様を救うことが出来ただけのこと、そうですよね?ロビンソン《最高位公爵》?」


 まあ、言っていることは間違いない…というか、ひょっとしてブラウン公爵と協力すれば、この婚約は無かったことに出来るのでは?と、僕の中の悪魔が囁いた。協力して…最高位公爵なんか地位を撤回して…再び故郷に戻ることが出来たりして…?



 優柔不断なロビンソンが事件を大きく巻き起こす!
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