幼馴染に奪われそうな王子と公爵令嬢

岡暁舟

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ランゲルハンス様とエリザベートが生き残ることを積極的に望んでいたわけではありませんが、いずれにしても、このままめんどくさい事態を長引かせてしまったら、結局のところ、私がめんどくさくなると思いました。

どんな形にしても、とりあえずは決着させる……それが一番いいと考えるわけでした。

「まあ、マリアの言いたいことはおおむね理解した……」

サイクリック様は言いました。

「あの者たちの傷を癒すことなど、私にとっては簡単なことだからな……」

「ええ、ですからあなた様に頼んでいるわけですよ」

「ああ、君がそこまで言うということは……それだけの価値があるんだな???わかったわかった、君の提案を受け入れることにしようじゃないか……」

「本当ですか。すみません、お手数をおかけして……」

私はひとまず安どしました。


「ランゲルハンス様、そして、エリザベート。いい知らせが入りましたよ……」

女は早速二人に告げました。

「いい知らせだって???何の話だ???」

「ですからね、あなたがたが間もなく死ぬはずだったわけですが……救世主がやって来るんですよ……」

「救世主だって???あの……最高の薬師がやって来るのか???」

女は頷きました。

「そうかそうか……本当か!!!」

「ええ、残念ながら……」

「いま、残念って言った???ねえ、言ったよね???」

「ええ、言いましたとも。これほど残念なことはないと思いますわ……」

「どうして残念なんだ???」

「あなた……私にそんな質問を投げかけて、一体どうしろとおっしゃるのですか???」

随分と辛辣な返しでした。

「それはその……まあ、なんと言うか……」

「はっきりとおっしゃってくださいな。ああ、では私もはっきりと申し上げましょう。あなたがたを確実に殺せるチャンスだったのに、みすみす逃してしまったことが残念だと……こう申し上げているわけですよ!!!」

ランゲルハンス様はやっと思い出したようでした。でも、いまさらかよ、って顔をしておりました。まあ、そうですよね。いまさらそんなことを言っても仕方がありません。私が命じたため、二人はこのまま生き延びることになったわけですから……。

「ああ、よかった。空は青い!!!」

ランゲルハンス様は絶好調……その一方でエリザベートは黙りこくっておりました。
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