婚約者から悪役令嬢だと言われてしまい、仕方がないので娼婦になります。ところが?

岡暁舟

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その7

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「エリザベス様。私との約束を憶えていますよね?」

もちろん、覚えていました。でも、結構前の話ですし、私は随分と年をとって、身体も疲れてしまいました。旺盛な若者の肉体を満足させるのに十分とは言えませんでした。

それでも、ヘラーはどういうわけだか、私のことを好いているようでした。その理由は……今でも分かりません。

「妃として、あなたを迎えたいと思うのです」

すると、外野の人々も、

「それはいい話です」

と、口々に言いました。

「返事をお聞かせください。エリザベス様」

私は中々すぐには答えを出せませんでした。

「ああ、こうなったら、直接あなたの身体に問いかけるしか方法はなさそうですね!」

天下を取ったばかりではしゃいでいるのか、ヘラーは服を脱ぎ始めました。

「やっぱり、お熱いですねえええっ」

「ちょっと、ここじゃまずいでしょ!」

「平気ですよ!さあ、早くしましょう!」

うーん……身体が持つか心配になってきましたが……これで、少しは私も浮かばれるのでしょう。私が妃になると、今までそっぽを向いていた家族や、あるいは、友人などが、コロッと態度を変えて、私の前に跪きました。

「いや……別にそんなことされても困るんですけど……。そういうの、間に合ってるんで……」

私は冷酷でしょうか?そんなことはないですよね?

だって、今までみんな、私にどんな態度でしたか?

私のことを、本当に大切にしてくれたのは、娼館にやって来た客人の方々だけでしょう。まあ、それでいいのです。

結局はよく分からないけど、幸せを手に入れることができましたから。
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