幼馴染のヤンデレ令嬢に愛されすぎて?~生きる僕と死ぬ彼女の永久~

岡暁舟

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その4

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レニンの邸宅というのは、非常に大きなものであって、確かに昔、僕は幼馴染ということもあって時々遊びに行ったりした。ただし、遊びに行くたびに迷子になってしまうという、なんとも面目ない経験を繰り返すのだった。

いや、冗談じゃなくて、本当に広すぎるのだ。誰でも迷子になると思う。

思い返せば、そんな広い広いお屋敷の一角のどこかの小屋に、僕は監禁されているような気がするのだ。

監禁……そうそう、これは立派な監禁だ。

だって、今の僕に自由なんてものは一切保証されていないのだから。レニンはただずっと、僕のことを見ているのだ。そんなに面白いのか、よっぽど暇なのか……どういうことだか説明してもらいたいくらいだ。

この現象は本当に不思議すぎて……やっぱり、話にならないのだ。

「ねえ、レニン……」

「何ですか、フッド様???」

「もうそろそろやめにしないか、こういうことは???」

もはや、勇気もへったくれもない。体の限界というものだ。

「止める……私はそれでも結構でございますが、それはおそらく、フッド様にとっては後悔する結果につながってしまうと思うわけでございますよ???」

「どういうことだ???」

いや、聞くまでもなかった。今この瞬間、レニンの意に反したことをしようとすれば、確実に死がやってくると、そういうことなのだ。

「心配しなくて結構ですよ。お世話は全部、私がいたしますからね???」

「ああ、お世話か……なんだか嫌な予感がするが……」

「あら、何かおっしゃいましたか???」

「いや、別に……」

やめておこう。せっかくのいい機会を逃すわけにはいかないのだ。いい機会???ああ、人生の存続をかけたいい機会なのだ。選択肢は一つしかない。

その選択肢を確実に選ぶことによって、こんな僕でも生きながらえることができるのだ。どうやら、いつ死んでもいい人種であるこの僕が、生きながらえるチャンスをくれるっていうんだ。

まあ、それは純粋に喜ばしいことなのかもしれない。僕たちはいつでも死んでいい人々なのだから……。

「ああ、フッド様。そろそろ、お食事の準備をしましょう。私がフッド様のためにお料理いたしますわ!!!」

思い返せば、レニンは幼いころから料理がうまかった気がする。いや、正確な記憶ではないかもしれないが、確かに昔もレニンの作った料理を食べた気がするのだ。

そのころからか、僕は何度かレニンの料理を食べた気がした。味付けとか、食材とか、全部僕の好みに合っていて……どうして、全部僕の好みに合っているのか……そういうのが全部不思議だったりした。

ああ、あのころから、僕はレニンの目に留まっていたということになるのだろうか???

そんなへんてこりんな仮説を、僕はいつしか少し楽しむようになっていた。

これは非常に怖い現象であると、どこかで思いながら……。
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