婚約破棄？それはなんですか？

その7

私はカーチャと話す機会を得ることができました。

「私に何か御用ですか？」

カーチャは、せっかくのプライベイトタイムを、私と過ごすことになって不満そうでした。でも、あなたが不満に感じる資格なんてないんですよ。だって、私の人生を台無しにしておいて、それの落とし前を付ける前に人間らしく振る舞うのはダメでしょう？

「アレックス様とあなたの交際の件なんですけれど……」

私がアレックス様と言った瞬間、カーチャは動揺しました。その後、必死に隠そうとしましたが、私にはバレバレでした。

「何の話ですか？アレックス様と私の関係ですって？そんなの、何もありませんよ？」

「なるほど、白を切るつもりですか？なるほど……いいでしょう。それでは、アンチジャスティスの方々に登場して頂きましょうか？」

「アンチジャスティスですって？」

カーチャは、自分の仮面がはがれてしまうことを、酷く恐れているようでした。後ろめたいことがあるからです。私は徹底的に攻撃を加えました。

「カーチャさん。こんにちは！」

サン、シン、スンが入ってきました。

「ジュリアさん。この人たちは誰ですの？」

「正義の執行人ですよ。あなたがたの不正を暴くためのね」

「私が何をしたと言うんですの！！！」

「まあまあ、落ち着いて。この写真を見てくださいな」

サンの提示した写真には、アレックス様とカーチャが仲良く手をつないで庭を散歩している様子が映っていました。

「！！！！！」

カーチャはその場に座り込みました。一体どうやって撮ったのか……そう思っていたはずです。

「動かぬ証拠ですね。さあ、白状してもらいましょうか？それとも、まだ言い逃れをするつもりですか？」

私がいよいよ追い詰めると、あれほど自身に溢れていたカーチャの頬が見る見るうちに緩み、泣き始めた。

「ジュリアさん！私が悪いわけじゃないのよ！！！」

カーチャが真相を話してくれました。後は……アレックス様と対決するだけでした。