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その8
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「あなたがカーチャに目移りしたことは、分かっています」
「それが何か問題だと言うのかね?」
「それ自体は問題ではないでしょう。ですが……カーチャの両親を買収したことは、犯罪なのではありませんか?」
私は学校の屋上で、アレックス様と対峙しておりました。カーチャの証言と言うのは、私を捨てた理由、つまり、カーチャに一目ぼれした、そして、私との婚約を解消するために、数多の人間を買収して、私を精神的に苦しめたことなのです。
「証拠はあるのかね?」
アレックス様の犯罪を全て立証することは不可能だと思いました。だから、私はお父様の力を使い、とある方に登場していただくことにしました。それは……。
「アレックス!!!」
「お父様?」
どういう経緯かは知りませんが、お父様は皇帝陛下とも仲良くなりました。そして、皇帝陛下は誰よりも正義を好む人でした。アレックス様の不祥事を全てぶちまけたのです。皇帝陛下は大層ご立腹でした。実の息子に対しても、決して容赦はしなさそうでした。
「全て聞いたぞ!お前の悪事もこれまでだ!!!」
アレックス様は、急に弱腰になりました。
「お父様、違うんです。これは……全てあの女のでっち上げなんです!!!私が……そんなことするはずないじゃないですか!!!」
「今さらしらばっくれたって遅いわよ!!!」
サン、シン、スンを始め、アレックス様のせいで疎んじられた、真のアンチジャスティスたちがやってきました。
「皇帝陛下!!!無礼を承知で進言致します!!!」
私は皇帝陛下の前に跪いた。
「我が婚約者にして、王子であられるアレックス様の非道なる犯罪に対して、糾弾して頂きますよう、お願いいたします!!!」
「顔を上げなさい……」
皇帝陛下は、私にそう優しく声をかけてくださいました。
「あなたの苦労は、全て御父上からお聞きしました。私の倅が……迷惑をかけたようですね。どうか、私の方から謝らせて頂きたい……」
皇帝陛下と私との間で、話がトントン拍子に進んでいくので、アレックス様が、
「ちょっと待った!!!」
と叫んだ。
「お父様!!!私の話もお聴きください!!!」
「お前の話は全てウソだということが分かっているんだ。見苦しいぞ!息子よ……いや、今日からお前は息子ではないな。爵位も皇位継承権も全て奪い去ってやる。覚悟致せ、アレックス!!!」
アレックス様……いいえ、アレックスは、こうして全てを失い平民になってしまいました。私はと申しますと、皇帝陛下からたくさんの支援を承りまして、婚約相手はまだ決まっていませんが、最高位公爵令嬢になりました。私に協力して下さったアンチジャスティスのメンバーには、皇帝陛下に頼んで、それなりの地位を差し上げました。そして、アレックスの片棒を担いだ生徒たちには特別に恩赦を与え、最下層貴族から再びスタートさせることを約束しました。そして……アレックスはと言いますと……。
「ジュリア様!!!お許しください!!!」
「許すわけないでしょう。ほら、とっとと働きなさい!!!」
我が公爵家の雑用係として、今日も明日も明後日も、一生懸命働いております。
「それが何か問題だと言うのかね?」
「それ自体は問題ではないでしょう。ですが……カーチャの両親を買収したことは、犯罪なのではありませんか?」
私は学校の屋上で、アレックス様と対峙しておりました。カーチャの証言と言うのは、私を捨てた理由、つまり、カーチャに一目ぼれした、そして、私との婚約を解消するために、数多の人間を買収して、私を精神的に苦しめたことなのです。
「証拠はあるのかね?」
アレックス様の犯罪を全て立証することは不可能だと思いました。だから、私はお父様の力を使い、とある方に登場していただくことにしました。それは……。
「アレックス!!!」
「お父様?」
どういう経緯かは知りませんが、お父様は皇帝陛下とも仲良くなりました。そして、皇帝陛下は誰よりも正義を好む人でした。アレックス様の不祥事を全てぶちまけたのです。皇帝陛下は大層ご立腹でした。実の息子に対しても、決して容赦はしなさそうでした。
「全て聞いたぞ!お前の悪事もこれまでだ!!!」
アレックス様は、急に弱腰になりました。
「お父様、違うんです。これは……全てあの女のでっち上げなんです!!!私が……そんなことするはずないじゃないですか!!!」
「今さらしらばっくれたって遅いわよ!!!」
サン、シン、スンを始め、アレックス様のせいで疎んじられた、真のアンチジャスティスたちがやってきました。
「皇帝陛下!!!無礼を承知で進言致します!!!」
私は皇帝陛下の前に跪いた。
「我が婚約者にして、王子であられるアレックス様の非道なる犯罪に対して、糾弾して頂きますよう、お願いいたします!!!」
「顔を上げなさい……」
皇帝陛下は、私にそう優しく声をかけてくださいました。
「あなたの苦労は、全て御父上からお聞きしました。私の倅が……迷惑をかけたようですね。どうか、私の方から謝らせて頂きたい……」
皇帝陛下と私との間で、話がトントン拍子に進んでいくので、アレックス様が、
「ちょっと待った!!!」
と叫んだ。
「お父様!!!私の話もお聴きください!!!」
「お前の話は全てウソだということが分かっているんだ。見苦しいぞ!息子よ……いや、今日からお前は息子ではないな。爵位も皇位継承権も全て奪い去ってやる。覚悟致せ、アレックス!!!」
アレックス様……いいえ、アレックスは、こうして全てを失い平民になってしまいました。私はと申しますと、皇帝陛下からたくさんの支援を承りまして、婚約相手はまだ決まっていませんが、最高位公爵令嬢になりました。私に協力して下さったアンチジャスティスのメンバーには、皇帝陛下に頼んで、それなりの地位を差し上げました。そして、アレックスの片棒を担いだ生徒たちには特別に恩赦を与え、最下層貴族から再びスタートさせることを約束しました。そして……アレックスはと言いますと……。
「ジュリア様!!!お許しください!!!」
「許すわけないでしょう。ほら、とっとと働きなさい!!!」
我が公爵家の雑用係として、今日も明日も明後日も、一生懸命働いております。
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