群れない僕らの単独記

ぼくと

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真っ白羊のムートン

片角の羊

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 角のない羊が群れをなす。皆一様に平原を歩いていく。僕は群れの最後尾。

 僕の前には老羊、老羊はよく鳴く羊。群れの中で珍しく、角を片方もっている。

「片角。お前は群れの先頭へいけ」

 牧羊犬が前からやってきて、老羊に注意する。吠えられてはたまらない。老羊、僕を撫でて先頭へ。

 僕はびっくり立ち止まり。老羊追いかけて、牧羊犬は走ってく。僕が再び歩き出した時、空から雨が降ってきた。

 
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