群れない僕らの単独記

ぼくと

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灰色狼のサンドル

灰色狼と再会

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 俺は青年に連れられ、青年の家についた。高い建物が並ぶ中、ぽつりと家がたっている。一人で住むには広い二階建てだ。

「ここが僕の家です。この中にリベルテがいます」

「ここまで半年か……」

 俺は半年の間。リベルテを探して歩きまわった。狼の仲間を探し、あてもなく歩いていた頃と比べ。半年という時間は短く。今まで以上に長かった。

「念のために確認する。リベルテは俺と同じ、黒いゴーグルをしているか?」

「ゴーグルですね。もちろんしてますよ。早く返したいって、いつも言っているんです」

 青年が家の扉を開ける。家の中に庭がある。

「リベルテは中庭にいます。僕はこれからバイトがあるので、失礼しますね」

 青年は慌ただしく、扉を開けたまま出かけていく。俺は玄関の扉を閉めると、中庭に向かった。

 中庭には色とりどりの花が咲いている。中央には背の高い木が一本。俺の探した狼は、この木の上にいるようだ。寝息が上から聞こえてくる。

 足で地面をけり、ふわりと木の上にいく。音はたてない、リベルテを起こしたくないからだ。

「……いた」

 リベルテは生きていた。匂いでわかっていても、ちゃんと見ないと安心できなかった。

「…………」

 今までの緊張が抜け、急激に眠気が襲ってくる。さっきも寝たばかりなのだが。今はこの眠気に身を任せよう。仲間がここにいるのだから……。
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