愛され南田くんは、寂しがり屋の甘えたです 〜無自覚甘えたが止まりません〜

葉月

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リーダー研修 ⑩

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「卓はこんな時、どうしてるの?」
 差し出された砂肝を、優斗はパクリと食べる。
「俺なら、元カレや元カノのこと、とことん話あうけどな。あ、ちなみに俺、ゲイだから、相手の前の人、彼氏だったり彼女だったりするんだ」
「!!」

今、さらっと凄いこと、聞いちゃった。

「えっと…、卓はゲイで、恋人の元カノ、元カレ話はとことん話あう…ってことで、よろいいでしょうか…?」
 呑気にせせりを食べながら、優斗の質問に卓がうんうんと頷く。
「俺からしたら、優斗が頭パンクしそうになるぐらい想われてる、長野チーフが羨ましい」
「俺はしんどいの!」
なんでそうなるの!?と優斗は膨れる。
「だろうね。俺の好きな子が、そんな思いをしてるって知ったら、『俺にすればいいのに』って思う」

????
どゆこと?

 優斗の頭の上に『?』が飛び、首を傾げると、卓は優斗の額を、ツンツンと突く。思っていたより反応が薄かったのか、今度はまだキョトンとしている優斗の頬を突く。
 それでも優斗は微動だにせず…。

えーっと…、一度整理しよう。
さっき卓は『俺の好きな子が、そんな思いをしてるって知ったら、『俺にすればいいのに』って思う』って言ってた。
ってことは…。

「卓の好きな人も、俺と同じことになってるって事!?」

やっぱり恋愛すると、こんな事ってよくあるんだ…。

「え……?まだ気づかない?」
 卓は驚いたように目を丸くし、次に困ったように眉を寄せた。
「ん?」
 意味がわからないと、優斗も目を丸くする。
「いや、この流れだと、俺の好きな子は優斗なんだけどな」
「ん…?ん……?」
 再び優斗の頭に『?』が飛ぶ。

卓の好きな子って…………。

「俺!?」
 大きな目をますます大きくして、人差し指で優斗は自分自身に指差す。

「うん。だいぶアピールしたけど、優斗全然気づかないし」
 わざと少し困ったように卓が笑う。
「え!?でもどうしてこのタイミンング?俺、彼氏との恋愛相談のってもらってるんだよね。え?なんで?」
「確かにこのタイミング?って思うけど、今言わないと、優斗絶対気付かないって思ってさ」

それでも、それでもだよ…。
 
「だからって、チーフと優斗の仲を割こうとか考えてないし、協力したいって思ってる」
 そう言いながら、優斗の口元に鶏皮を差し出す。
「本当に?俺、好きな人が他の人と仲良くする手伝いなんて、できないよ…」
 パクリと差し出された鶏皮を食べる。
「そうか?俺は好きな人の幸せそうな姿を見るのが、好きだよ。相手が俺だと、なおいいんだけど、そう上手くいく訳もないけどな…」
 卓の瞳が一瞬、悲しそうに揺れたが、すぐにいつもの優斗に向ける、優しい瞳となる。
「元カノのことは、聞きにくいかもしれないけど様子を見ながら、本当に元カノか聞くしかないな…。もし優斗から聞きにくかったら、俺も聞き出すの手伝おうか?」
 卓がビールを煽る。

もし聞いて『そうだよ』って言われたら、どうしようって不安で、すぐには聞けそうにないけど、だからって卓に聞いてもらうのは、なんだかちょっと違うようなきがする。

「すぐには無理かもしれないけど、自分で聞いてみるよ」
 手に持っていた烏龍茶を飲む。
「そうか。凹んだ時とか、今日みたいに頭パンクしそうになったら言えよ。いつでも話に付き合ってやるから」
 ポンポンと優斗の頭を叩く卓の手は、優しかった。
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