愛され南田くんは、寂しがり屋の甘えたです 〜無自覚甘えたが止まりません〜

葉月

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すれ違い ①

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店を出た2人は、駅に向かう。
 まだ卓に健と一緒に住んでいることは話していない優斗は、今日は解約していない自分の部屋に帰ることにした。
 少し肌寒くなってきており、ピューっと風が吹くと優斗は「寒っ」と、身を縮こませた。
 すると卓は自分が来ていたジャケットを脱ぎ、優斗の肩にかける。
「卓は、本当にかっこいいね」
 優斗はかけてもらったジャケットをぎゅっと掴み、卓の顔を見上げた。
「惚れた?」
「う~ん、それは…ごめん」
 申し訳なさそうに優斗が謝ると、
「あはは。優斗のその素直なとこ、好きだよ」
 卓は楽しそうに笑う。
「卓、今日は本当にありがとう。凄く気持ちが楽になったよ」
「ん。また何かあったら、いつでも言うんだぞ」
 優斗の頭を、卓が撫でた。

卓、優しいし、一緒にいると楽しいし、落ち着く。
落ち込んでた気持ちも軽くなったし、卓が相談に乗ってくれて、本当に良かった。

「卓、ありがとう」
 優斗が微笑むと、
「どういたしまして」
 卓も微笑み返した後、フッと優斗から顔を背け、「その笑顔を独り占めできるチーフが、本当に羨ましい…」と優斗に気づかれないように、呟いた。


 優斗が最寄駅で降りようとした時、夜も遅くなっていたので、卓に『駅からはタクシーで帰れ!』とタクシー代を持たされた。
 優斗は『いらないよ』と断ったが、電車のドアが閉まる瞬間、服のポケットに押し込まれ、そのまま受け取ることになってしまった。

俺の周りの人達は、俺をまだまだ子供だと思っているのかな?

 大人しくタクシーに乗り自宅に着くと、一応、心配していた卓に『タクシーで帰ったよ』と、健には『今日は自宅に泊まるね』とメールをした。
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