73 / 202
瑞稀との再会 〜晴人視点〜
しおりを挟む
瑞稀が働く大手企業本社ビルの副社長室。
今日は朝一から取引先の役員が、新しく就任した副社長に挨拶がてら訪れることになっており、副社長の昴とその秘書、山崎は副社長室で今日のスケジュール確認をしていた。
「……と、ここまでが、今日の予定なのですが……、副社長、聞かれてました?」
来客用のソファーに座り、昴は山崎の方をボーッと見ていて、視線が合わない。
「副社長、聞いてますか?」
山崎は昴の目の前に立ち、顔を覗き込むが、
「……」
昴からの返答はなし。
「副社長?」
さらにぐいっと近づくが、
「……」
無反応。
心ここに在らず…。
そんな感じた。
困ったな…。
今日は大切な顔合わせ。
このままの状態では会わせられない。
山崎は昴の両肩をぎゅっと掴むと、
「先輩!しっかりしてください!」
体を揺する。
昴は体はぐらんぐらん揺さぶられながら、宙を見つめながら、
「今日の空は美しいね……」
なんて全く関係なことを言い出している。
「先輩! しっかりしてください!」
今度は先ほどより大きく昴の体を揺らす。
「晴人……俺、好きな人ができた…」
「!?」
心ここに在らず……な表情をしながら昴が突然言った。
「晴人、一目惚れした」
「!?」
突拍子もない告白に驚き、冷静な山崎晴人も目を丸くする。
いつも仕事第一でプライベートなんてなんの興味もない昴が、朝からずっと上の空かと思えば、まさかの一目惚れ宣言。
人をなかなか信用しない昴から「好きな人ができた」や「一目惚れした」なんて聞かされる日が来るとは、晴人は思いもしていなかった。
「一目惚れ……ですか?」
信じられないと晴人が聞き返すと、
「一目惚れ。俺も信じられないけど、一目惚れなんだ。俺もちゃんと本気で人を好きになれるんだな……」
まるで人ごとみたいに答える。
昴は今まで、恋愛対象で人を好きになったことがなかった。
学歴も財力もあり、容姿にも恵まれていた昴の周りには、私利私欲で集まる人たちが多かったせいか、幼い頃から人をあまり信用せず、親しい人間、数人の言葉しか信用していなかった。
だから好きな人ができた昴自身も、それを聞かされた晴人も同じぐらい驚いた。
「副社長も人の子だったんですね。感情がないのかと思っていました」
言葉では皮肉たっぷりだが、昴が一目惚れしたという相手はどんな人かはさておき、好きな人ができたことは喜ばしいことだ。
「どこで知り合ったとか、聞きたくないか?」
もう聞いてほしくてたまらないと言うように、昴は前のめりになり、晴人に近づく。
「はい。聞きたいです」
少年みたいにはしゃぐ昴に、晴人は目を細めた。
「昨日、妊娠中の姉さんの代わりに雫の保育園にお迎え行った時に出会ったんだ」
「あー、私が代わりに行くと言ったのを無視して、雫くん会いたさに仕事の途中で抜けられてましたよね」
晴人が止めるのを無視して、可愛くてしかなたい甥っ子、雫のため、取引先との接待30分前に昴が仕事を抜け出し、保育園に迎えに行った時だ。
「迎えに行ったら、雫と同じクラスの男の子と、お母さんがいて」
説明をする昴は、その時を思い出しているような、きらきらした目で晴人に話す。
「その人、俺と目があった時『こんにちは』じゃなくて、『おかえりなさい』って言ったんだ」
昴はその時の幸せを噛み締める。
「はぁ……。それは珍しい挨拶ですね」
これは先輩に対して下心がないか、調べる必要がある。
昴の実家は大企業だ。
それだけで昔から色々な人が、集まってきていたが、それが最近副社長に就任してからは、あの手この手で昴に近づこうとしている。
まとめて昴や会社にとって害にならないかを調べるのも、昴の秘書である晴人の大事な仕事だ。
「でさ、俺もつられて『ただいま』って言ったら、その人、ニコって笑って『お疲れ様です』って言ってくれて……。もうここで、恋にお落ちた……」
うっとりと昴は話すが……。
これは下心がある、ダメなやつだ。
晴人の頭の中で決定される。
「でさ、雪が止まないから、車で家の近くまで送ったんだ」
「え? そんな怪しい人を、乗せたんですか?それにその人には、雫くんのクラスメイトの保護者さんですよね。パートナーがいる可能性、高いですよね。変に誤解されたら、どうするんですか!?」
あまりの警戒のなさに、ため息が出る。
「成瀬さんは怪しくないし、恋人はいるかわからないがパートナーはいないと聞いている。それで千景くん…あ、残ってくれてた子の名前な。その千景くんとその千景くんと雫は仲がいいみたいで、いつも一緒にいて………」
楽しそうに昴は話しているが晴人の頭の中に、
ある単語が反復され、それ以外何も考えられない。
「……。晴人、大丈夫か?」
眉間に深くシワを寄せ、一点を見つめ続けている晴人の顔を、昴はちらりと見た。
「その人……成瀬さんって言うんですよね…」
「ああ。成瀬さん」
晴人の息が詰まる。
成瀬……。
瑞稀の苗字だ。
先輩が言う人は……瑞稀……なのか?
……。
いや『成瀬』なんて苗字。世の中には何人もいる。
でも……、もしかして……。
もしかすると……。
心拍が上がる。
「下の名前、なんて言うんですか……?」
期待で胸が苦しいほど、締め付けられる。
だが同時に、『もし違ったら……』と不安でも胸が苦しい。
うまく息が吸えず、全速力で走った後のようだ。
「下の名前は……」
下の名前は!?
「まだ知らない……」
昴の答えに、落胆する。
ただの成瀬なのか、そうじゃない成瀬なのか?
瑞稀か、瑞稀じゃないのかさえわからない。
じゃあ……。
「容姿は!? 容姿はどうですか!?」
晴人は昴の両肩を掴む。
「どうしたんだよ……」
昴は困惑する。
「どうなんですか!? 容姿は……容姿はどうなんですか!?」
瑞稀なら、白い肌に銀髪に青い瞳!!
「容姿は……」
そう晴人が問い詰めている時に、副社長室のドアを瑞稀が叩いたのだった。
今日は朝一から取引先の役員が、新しく就任した副社長に挨拶がてら訪れることになっており、副社長の昴とその秘書、山崎は副社長室で今日のスケジュール確認をしていた。
「……と、ここまでが、今日の予定なのですが……、副社長、聞かれてました?」
来客用のソファーに座り、昴は山崎の方をボーッと見ていて、視線が合わない。
「副社長、聞いてますか?」
山崎は昴の目の前に立ち、顔を覗き込むが、
「……」
昴からの返答はなし。
「副社長?」
さらにぐいっと近づくが、
「……」
無反応。
心ここに在らず…。
そんな感じた。
困ったな…。
今日は大切な顔合わせ。
このままの状態では会わせられない。
山崎は昴の両肩をぎゅっと掴むと、
「先輩!しっかりしてください!」
体を揺する。
昴は体はぐらんぐらん揺さぶられながら、宙を見つめながら、
「今日の空は美しいね……」
なんて全く関係なことを言い出している。
「先輩! しっかりしてください!」
今度は先ほどより大きく昴の体を揺らす。
「晴人……俺、好きな人ができた…」
「!?」
心ここに在らず……な表情をしながら昴が突然言った。
「晴人、一目惚れした」
「!?」
突拍子もない告白に驚き、冷静な山崎晴人も目を丸くする。
いつも仕事第一でプライベートなんてなんの興味もない昴が、朝からずっと上の空かと思えば、まさかの一目惚れ宣言。
人をなかなか信用しない昴から「好きな人ができた」や「一目惚れした」なんて聞かされる日が来るとは、晴人は思いもしていなかった。
「一目惚れ……ですか?」
信じられないと晴人が聞き返すと、
「一目惚れ。俺も信じられないけど、一目惚れなんだ。俺もちゃんと本気で人を好きになれるんだな……」
まるで人ごとみたいに答える。
昴は今まで、恋愛対象で人を好きになったことがなかった。
学歴も財力もあり、容姿にも恵まれていた昴の周りには、私利私欲で集まる人たちが多かったせいか、幼い頃から人をあまり信用せず、親しい人間、数人の言葉しか信用していなかった。
だから好きな人ができた昴自身も、それを聞かされた晴人も同じぐらい驚いた。
「副社長も人の子だったんですね。感情がないのかと思っていました」
言葉では皮肉たっぷりだが、昴が一目惚れしたという相手はどんな人かはさておき、好きな人ができたことは喜ばしいことだ。
「どこで知り合ったとか、聞きたくないか?」
もう聞いてほしくてたまらないと言うように、昴は前のめりになり、晴人に近づく。
「はい。聞きたいです」
少年みたいにはしゃぐ昴に、晴人は目を細めた。
「昨日、妊娠中の姉さんの代わりに雫の保育園にお迎え行った時に出会ったんだ」
「あー、私が代わりに行くと言ったのを無視して、雫くん会いたさに仕事の途中で抜けられてましたよね」
晴人が止めるのを無視して、可愛くてしかなたい甥っ子、雫のため、取引先との接待30分前に昴が仕事を抜け出し、保育園に迎えに行った時だ。
「迎えに行ったら、雫と同じクラスの男の子と、お母さんがいて」
説明をする昴は、その時を思い出しているような、きらきらした目で晴人に話す。
「その人、俺と目があった時『こんにちは』じゃなくて、『おかえりなさい』って言ったんだ」
昴はその時の幸せを噛み締める。
「はぁ……。それは珍しい挨拶ですね」
これは先輩に対して下心がないか、調べる必要がある。
昴の実家は大企業だ。
それだけで昔から色々な人が、集まってきていたが、それが最近副社長に就任してからは、あの手この手で昴に近づこうとしている。
まとめて昴や会社にとって害にならないかを調べるのも、昴の秘書である晴人の大事な仕事だ。
「でさ、俺もつられて『ただいま』って言ったら、その人、ニコって笑って『お疲れ様です』って言ってくれて……。もうここで、恋にお落ちた……」
うっとりと昴は話すが……。
これは下心がある、ダメなやつだ。
晴人の頭の中で決定される。
「でさ、雪が止まないから、車で家の近くまで送ったんだ」
「え? そんな怪しい人を、乗せたんですか?それにその人には、雫くんのクラスメイトの保護者さんですよね。パートナーがいる可能性、高いですよね。変に誤解されたら、どうするんですか!?」
あまりの警戒のなさに、ため息が出る。
「成瀬さんは怪しくないし、恋人はいるかわからないがパートナーはいないと聞いている。それで千景くん…あ、残ってくれてた子の名前な。その千景くんとその千景くんと雫は仲がいいみたいで、いつも一緒にいて………」
楽しそうに昴は話しているが晴人の頭の中に、
ある単語が反復され、それ以外何も考えられない。
「……。晴人、大丈夫か?」
眉間に深くシワを寄せ、一点を見つめ続けている晴人の顔を、昴はちらりと見た。
「その人……成瀬さんって言うんですよね…」
「ああ。成瀬さん」
晴人の息が詰まる。
成瀬……。
瑞稀の苗字だ。
先輩が言う人は……瑞稀……なのか?
……。
いや『成瀬』なんて苗字。世の中には何人もいる。
でも……、もしかして……。
もしかすると……。
心拍が上がる。
「下の名前、なんて言うんですか……?」
期待で胸が苦しいほど、締め付けられる。
だが同時に、『もし違ったら……』と不安でも胸が苦しい。
うまく息が吸えず、全速力で走った後のようだ。
「下の名前は……」
下の名前は!?
「まだ知らない……」
昴の答えに、落胆する。
ただの成瀬なのか、そうじゃない成瀬なのか?
瑞稀か、瑞稀じゃないのかさえわからない。
じゃあ……。
「容姿は!? 容姿はどうですか!?」
晴人は昴の両肩を掴む。
「どうしたんだよ……」
昴は困惑する。
「どうなんですか!? 容姿は……容姿はどうなんですか!?」
瑞稀なら、白い肌に銀髪に青い瞳!!
「容姿は……」
そう晴人が問い詰めている時に、副社長室のドアを瑞稀が叩いたのだった。
50
あなたにおすすめの小説
巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】
晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。
発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。
そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。
第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
もう殺されるのはゴメンなので婚約破棄します!
めがねあざらし
BL
婚約者に見向きもされないまま誘拐され、殺されたΩ・イライアス。
目覚めた彼は、侯爵家と婚約する“あの”直前に戻っていた。
二度と同じ運命はたどりたくない。
家族のために婚約は受け入れるが、なんとか相手に嫌われて破談を狙うことに決める。
だが目の前に現れた侯爵・アルバートは、前世とはまるで別人のように優しく、異様に距離が近くて――。
【完結】end roll.〜あなたの最期に、俺はいましたか〜
みやの
BL
ーー……俺は、本能に殺されたかった。
自分で選び、番になった恋人を事故で亡くしたオメガ・要。
残されたのは、抜け殻みたいな体と、二度と戻らない日々への悔いだけだった。
この世界には、生涯に一度だけ「本当の番」がいる――
そう信じられていても、要はもう「運命」なんて言葉を信じることができない。
亡くした番の記憶と、本能が求める現在のあいだで引き裂かれながら、
それでも生きてしまうΩの物語。
痛くて、残酷なラブストーリー。
アルファ王子に嫌われるための十の方法
小池 月
BL
攻め:アローラ国王太子アルファ「カロール」
受け:田舎伯爵家次男オメガ「リン・ジャルル」
アローラ国の田舎伯爵家次男リン・ジャルルは二十歳の男性オメガ。リンは幼馴染の恋人セレスがいる。セレスは隣領地の田舎子爵家次男で男性オメガ。恋人と言ってもオメガ同士でありデートするだけのプラトニックな関係。それでも互いに大切に思える関係であり、将来は二人で結婚するつもりでいた。
田舎だけれど何不自由なく幸せな生活を送っていたリンだが、突然、アローラ国王太子からの求婚状が届く。貴族の立場上、リンから断ることが出来ずに顔も知らないアルファ王子に嫁がなくてはならなくなる。リンは『アルファ王子に嫌われて王子側から婚約解消してもらえば、伯爵家に出戻ってセレスと幸せな結婚ができる!』と考え、セレスと共にアルファに嫌われるための作戦を必死で練り上げる。
セレスと涙の別れをし、王城で「アルファ王子に嫌われる作戦」を実行すべく奮闘するリンだがーー。
王太子α×伯爵家ΩのオメガバースBL
☆すれ違い・両想い・権力争いからの冤罪・絶望と愛・オメガの友情を描いたファンタジーBL☆
性描写の入る話には※をつけます。
11月23日に完結いたしました!!
完結後のショート「セレスの結婚式」を載せていきたいと思っております。また、その後のお話として「番となる」と「リンが妃殿下になる」ストーリーを考えています。ぜひぜひ気長にお待ちいただけると嬉しいです!
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
まばゆいほどに深い闇(アルファポリス版・完結済)
おにぎり1000米
BL
グラフィックアーティストの佐枝零は長年オメガであることを隠し、ベータに偽装して生活している。学生時代に世間で作品が話題になったこともあるが、今はできるだけ表に出ず、単調で平凡な毎日を送っていた。そんな彼に思ってもみない仕事の打診がもたらされる。依頼人は佐枝が十代のころ知り合った運命のアルファ、藤野谷天藍だった! ――親の世代から続く「運命」に翻弄されるアルファとオメガの物語。
*オメガバース(独自設定あり)エリート実業家(α)×アーティスト(偽装Ω)ハッピーエンド
*全3部+幕間+後日談番外編。こちらに掲載分は幕間や番外編の構成が他サイトと異なります。本編にも若干の改稿修正や加筆あり。ネップリなどであげていた番外編SSも加筆修正の上追加しています。
*同じオメガバースのシリーズに『肩甲骨に薔薇の種』『この庭では誰もが仮面をつけている』『さだめの星が紡ぐ糸』があります。
春風の香
梅川 ノン
BL
名門西園寺家の庶子として生まれた蒼は、病弱なオメガ。
母を早くに亡くし、父に顧みられない蒼は孤独だった。
そんな蒼に手を差し伸べたのが、北畠総合病院の医師北畠雪哉だった。
雪哉もオメガであり自力で医師になり、今は院長子息の夫になっていた。
自身の昔の姿を重ねて蒼を可愛がる雪哉は、自宅にも蒼を誘う。
雪哉の息子彰久は、蒼に一心に懐いた。蒼もそんな彰久を心から可愛がった。
3歳と15歳で出会う、受が12歳年上の歳の差オメガバースです。
オメガバースですが、独自の設定があります。ご了承ください。
番外編は二人の結婚直後と、4年後の甘い生活の二話です。それぞれ短いお話ですがお楽しみいただけると嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる