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愛おしいということは、愛しているということは 〜内藤昴 スピンオフ〜
犯人 ②
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「俺がそんな話でっち上げて、何の徳があるって言うんだ?」
「だからさっきも言いましたよね。俺と圭太を離れ離れにするためだって。俺をストーカーに仕立て上げるなんて、することが卑怯ですよね。名誉毀損で訴えますよ。あ、でもあれか。金の力でそれもなかったことにされるんでしょうね」
谷川は軽蔑した目で俺を見、
「さ、圭太。一緒に行こう」
と圭太に手を差し伸べた。
怯えた圭太がフルフルと首を横に振ると、谷川はキッと鋭い目つきになり俺を睨む。
冷静に、冷静に接しようとしてきたが、抑えていた怒りと苛立ちが沸々と体の中で煮えたぎるのがわかる。
「圭太、副社長に嫌だと言わされているんだよな。大丈夫、俺が守ってあげるから、さぁおいで」
なおも谷川は圭太に手を差し出し一歩前に進み出た時、緊張から体をこわばらせた圭太を俺は背後に隠した。
「谷川、もう諦めろ。圭太はお前がストーカーだと全部わかってる」
咄嗟に鈴木のこと『圭太』と言ってしまたその瞬間、
「今、お前『圭太』って呼んだな……」
すっと谷川の表情が変わる。
「お前が『圭太』って呼ぶなー!!」
谷川が叫ぶ。
「圭太に花束をプレゼントしたり、圭太が飼いたいって言ってたから好きでもないペルシャ猫を買ったし、圭太が新居を探しているって言うから、隣に住んでいたやつに嫌がらせして退去させたのに。ほら、二人で家庭菜園の話をしたり一緒に出かけたり、楽しかっただろ?全部全部圭太のために俺はしたんだぞ。圭太には俺が必要なんだ。俺しか必要ないんだ。だから俺以外圭太のことを、圭太って呼ぶな!」
そう叫び、話し切ると肩で大きく息をする。
怯えていた圭太の顔が真っ青になり、ガタガタと震えだす。
「大丈夫だ、大丈夫」
背中を優しく撫でると、圭太は盤面蒼白のまま頷く。
本当は谷川を問い詰めて、すぐにでも警察に突き出してやりたいが、まずは圭太のことが先決だ。
「圭太、帰ろう」
「はい……」
圭太は谷川を避けるように背を向けた。
「証拠は!?俺がストーカーだと言う証拠は!?」
なおも谷川は叫ぶ。
「証拠はさっきお前が自白しただろう?それにこっちは調査会社の書類もある」
「じゃあその書類見せてみろよ」
「ここにありますよ。遅くなりすみません」
書類を晴人は急いで持ってきてくれた。
「あとのことは俺がしておきます。先輩は早く鈴木君を安心できる場所に連れて行ってあげてください」
「ああ、助かる」
「待て!逃げるな!圭太、帰ってこい!」
晴人にはがいじめされた谷川は去っていく俺と圭太の背後に向かって叫んでいる。
圭太の手をしっかり握り、俺たちは車に乗り込んだ。
「だからさっきも言いましたよね。俺と圭太を離れ離れにするためだって。俺をストーカーに仕立て上げるなんて、することが卑怯ですよね。名誉毀損で訴えますよ。あ、でもあれか。金の力でそれもなかったことにされるんでしょうね」
谷川は軽蔑した目で俺を見、
「さ、圭太。一緒に行こう」
と圭太に手を差し伸べた。
怯えた圭太がフルフルと首を横に振ると、谷川はキッと鋭い目つきになり俺を睨む。
冷静に、冷静に接しようとしてきたが、抑えていた怒りと苛立ちが沸々と体の中で煮えたぎるのがわかる。
「圭太、副社長に嫌だと言わされているんだよな。大丈夫、俺が守ってあげるから、さぁおいで」
なおも谷川は圭太に手を差し出し一歩前に進み出た時、緊張から体をこわばらせた圭太を俺は背後に隠した。
「谷川、もう諦めろ。圭太はお前がストーカーだと全部わかってる」
咄嗟に鈴木のこと『圭太』と言ってしまたその瞬間、
「今、お前『圭太』って呼んだな……」
すっと谷川の表情が変わる。
「お前が『圭太』って呼ぶなー!!」
谷川が叫ぶ。
「圭太に花束をプレゼントしたり、圭太が飼いたいって言ってたから好きでもないペルシャ猫を買ったし、圭太が新居を探しているって言うから、隣に住んでいたやつに嫌がらせして退去させたのに。ほら、二人で家庭菜園の話をしたり一緒に出かけたり、楽しかっただろ?全部全部圭太のために俺はしたんだぞ。圭太には俺が必要なんだ。俺しか必要ないんだ。だから俺以外圭太のことを、圭太って呼ぶな!」
そう叫び、話し切ると肩で大きく息をする。
怯えていた圭太の顔が真っ青になり、ガタガタと震えだす。
「大丈夫だ、大丈夫」
背中を優しく撫でると、圭太は盤面蒼白のまま頷く。
本当は谷川を問い詰めて、すぐにでも警察に突き出してやりたいが、まずは圭太のことが先決だ。
「圭太、帰ろう」
「はい……」
圭太は谷川を避けるように背を向けた。
「証拠は!?俺がストーカーだと言う証拠は!?」
なおも谷川は叫ぶ。
「証拠はさっきお前が自白しただろう?それにこっちは調査会社の書類もある」
「じゃあその書類見せてみろよ」
「ここにありますよ。遅くなりすみません」
書類を晴人は急いで持ってきてくれた。
「あとのことは俺がしておきます。先輩は早く鈴木君を安心できる場所に連れて行ってあげてください」
「ああ、助かる」
「待て!逃げるな!圭太、帰ってこい!」
晴人にはがいじめされた谷川は去っていく俺と圭太の背後に向かって叫んでいる。
圭太の手をしっかり握り、俺たちは車に乗り込んだ。
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