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【20章・生き残る者達】(これまでのあらすじ・ネタバレ注意)
『20-2・カセツ』
しおりを挟む【明瀬の仮説】
【感染経路】
・ゾンビ化は、何らかのウイルスが原因である可能性が高い。感染者に噛みつかれる事が切っ掛けとなり感染することから、唾液や血液を媒介としていると思われる。また、三奈瀬弘人が目撃した破裂するゾンビ「スプリンクラー」の様に、血液を飛沫させる事で感染経路の拡大を目的としたもの存在している。例えばエボラ出血熱は人間の細胞を破壊するタンパク質を生成し血管を破壊、大量出血を引き起こす。スプリンクラーはこれと似たメカニズムであると推測される。
【行動原理】
・人間を襲う点については、ウイルスが中枢神経にダメージを与え、かつホルモン分泌に関与しているのではないとか推測される。摂食神経を刺激し、人肉を摂取した際に快楽物質が分泌される事で、人間を捕食するように行動を指針するのでは、という事である。
また、感染者が人間以外に見向きもしないことから、人間の捕食はあくまで、血液感染の拡大の為の行動である可能性が高い。ゾンビ同士の共食いも見られないことから、感染者と被感染者を何らかの器官で知覚しているとも思われる。感染しない人間は捕食の対象、感染する人間は噛みつくだけ、と明確に行動が分かれている様子が観察できる。
【特徴とその原因】
・ゾンビの中で最も個体数が多い「ウォーカー」は、聴覚以外の感覚機能の大幅な劣化、身体行動の全てが鈍化、知能の低下が見られる。また人間以外を捕食する様子が無く、また人間を摂食せずとも二ヶ月程度生存している。
これらの特徴を関連付けて考察するに、エネルギーの多くを必要とする感覚器官や身体機能を喪失する事で、低エネルギー状態での生存を可能としていると思われる。また、ミトコンドリアか肝臓機能が変異し、摂取した食物[此処では人間を指す]を超超高分子化合物に変換し、長期間の生存を可能としている可能性がある。
【ゾンビの種類とブドウ糖】
・しかしながら、「ウォーカー」よりも身体機能が強化されている、走れるゾンビ「スプリンター」や、肉体の強化・知能の保持が起きているゾンビ「アダプター」については、超超高分子化合物だけをエネルギー源としているとは考えづらく、ブドウ糖を利用したエネルギー変換も併用していると考えられる。
この点について明瀬は、人間の進化と呼べるのではと言及している。
【魔女と抗体】
・サンプル数が少ない為断定は出来ないが、魔法の才能があった明瀬と佳東がゾンビ化への抗体があった事から、魔女の血はウイルスへの抗体を持っている可能性がある。製薬会社のシルムコーポレーションが魔女を探している事も、この仮説にある程度の信憑性を与えている。魔女については不明点が多く、魔法の才能を形成する要素が不明な為、全ての魔女が抗体を持っているとは断言できない。
【進化とゾンビ】
・明瀬はゾンビ、特に「アダプター」について言及し人類が進化した形ではと言及した。人間よりも知能が劣化している点など反論されるも、進化とは種が環境に適合する為にその特徴を変異させていくことであり、ウイルスという外的要因を前にして人間がそれに適合する形に枝分かれしたのであれば間違いなく進化であると明瀬は語った。明瀬が仮説を立てたとおり、「アダプター」がウイルスと共存した形であり、なおかつそれが次世代にもその特徴が継承されていれば進化と言える。しかし、ゾンビの生殖機能については不明。
【魔女について】
【魔法の発現】
・佳東や明瀬の様に、魔法の才能を持っていた人間が必ずしも魔女家系であるとは限らない。魔女とはその力を知覚し、技術と知識を伝統的に受け継いできた家系の者を指す為、魔女家系でなければ魔法を使えないというわけではない。魔法を使う事の出来る者と、そうでない者。その間に何の差異があるかは具体的には分かっていない。
また明瀬は魔女家系でない為、暗示はかかっておらず呪文詠唱無しでも魔法が使用可能。
しかし、魔法の発動は感覚的な部分に依る所が大きく、安定した発動には習練が必要。佳東の水を操る魔法を目の前にして、祷が、「知識が無い為アドバイスも出来ない」と思ったのはその為。またその独特な感覚を普通は捉える事は無く、才能を持っていても気付かない人間も多い筈と祷は考察した。
【魔女の杖と暗示】
・祷が自身にかけている暗示は、魔法の使用を制限するというものである。歴史の変遷や社会的情勢により、魔女がその力の隠匿や抑制に必要性を感じ確立した技術である。呪文を詠唱した時、または魔女の杖を持っている時にその暗示が解除されるようになっている。
幼少期から時間をかけて暗示を形成をしており、魔女の杖もその一種。その為、祷が普段から使用している杖で無ければ暗示は解除できない。杖の材質等が問題なのではなく、「祷の杖」と認識している物を持っているからこそ、暗示が解除される。
しかし、加賀野恭子は、精神的な暗示である以上解除は可能だと説いた。
祷家と加賀野家が、暗示と呪文という類似した事を行っているのは偶然の一致か、過去に魔女として繋がりがあったのかは不明。
【エヴェレットの鍵】
・加賀野家に伝わってきた魔女の杖。魔女に関する文献や道具が貯蔵されている事から、加賀野家の歴史を感じさせる。金色で鍵を思わせる特徴的な見た目をしている。
桜が言っていた様な、持ち主の魔法をより効果的にする為の「正統な」魔女の杖。
前述の通り、この杖では祷の暗示を解除させることは出来ないものの、種類を問わず「杖を持っている」という事が暗示を解く「キー」になるように暗示を弱める事が出来れば、この杖でも呪文詠唱無しで魔法が使用可能になる。祷の言った「使いこなせるようになれば」というのは、その暗示の段階的な解除を意味する。
【魔法の反動】
・魔法使用後には脳に疲労感が残り、精神的、肉体的にも負荷がかかる。祷の場合、炎を扱うという性質上、至近距離下での戦闘や連続使用は本人の身体にダメージを与える事も多く、杖の破損という事態も招いた。対して桜はこれらの点に留意しており祷より魔法の反動の被害は小さい。
【魔法の性質】
・祷は炎、桜は雷、の様に使用者によって魔法の性質は変わる。また、祷家は代々炎であったように、基本的に魔女の才能が遺伝する時にその性質も受け継ぐ事が多い。原因は不明。また魔法の原理も不明であり曖昧な部分が多い。例えば佳東の「水を操作できる」という魔法は所謂「念動力」とされるものと考えられるが「水」というもの限定で働くのか、「水」に左右しやすい結果なのかは分からない。
魔法もいつかは科学的に解明されて然るべきもの、とは明瀬の談。
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