12 / 55
Ep1 あなたひとりの章(12)
しおりを挟む
見ると、持ち手である棒の先端部分が神棚に直撃していた。
やばい、思わずそう思った。
しかし同時に安心した。
オーナーがいないからだ。
“地方にはこの手の話を本気で信じていて、神経質な人がいるから気をつけろよ?”
友人の言葉が脳内で勝手に再生される。
だが、あなたはそれを無視した。
オーナーはまだ帰ってきていない。だから問題無いとねじ伏せようとした。
だが、次の言葉は無視できなかった。
“でもこの神様はやっぱりちょっと気難しい神様みたいでな、罰当たりなことをすると、容赦無く祟ってくるらしい”
記憶の声はあなたの意思を無視して勝手に再生され続けた。
“帰ってくると、留守番していた人が謎の変死を遂げていたりしてな。酷い時は引き裂かれてバラバラにされてることもあった”
……。
あなたは背中に怖気がゆっくりと這い上がるのを感じた。
あなたはその感覚を無視するために手を動かした。
ほうきでガラスを回収する。
そしてあなたはガラスを集めたちり取りを目立つところに置いた。
あとはオーナーに謝ればいいだけだ。
ほうきを元の場所に戻して広間に帰ってくる。
そこであなたはようやく気付いた。
そういえば、いま何時なんだろう、と。
「……!?」
そして柱時計を見たあなたは再び目を見開いた。
時計の針は8時を指していた。
夜の8時?! 思わずカーテンをめくって外の様子を確認する。
外は真っ暗だった。
先ほどから窓がずっとガタガタとうるさい。
どうやら外は吹雪いているようだ。
「……」
あなたはそれを都合の良い理由として使うことにした。
きっと、この吹雪のせいで帰りが遅れているのだと、そう思うことにした。
ならば、やるべきことは一つだった。
やばい、思わずそう思った。
しかし同時に安心した。
オーナーがいないからだ。
“地方にはこの手の話を本気で信じていて、神経質な人がいるから気をつけろよ?”
友人の言葉が脳内で勝手に再生される。
だが、あなたはそれを無視した。
オーナーはまだ帰ってきていない。だから問題無いとねじ伏せようとした。
だが、次の言葉は無視できなかった。
“でもこの神様はやっぱりちょっと気難しい神様みたいでな、罰当たりなことをすると、容赦無く祟ってくるらしい”
記憶の声はあなたの意思を無視して勝手に再生され続けた。
“帰ってくると、留守番していた人が謎の変死を遂げていたりしてな。酷い時は引き裂かれてバラバラにされてることもあった”
……。
あなたは背中に怖気がゆっくりと這い上がるのを感じた。
あなたはその感覚を無視するために手を動かした。
ほうきでガラスを回収する。
そしてあなたはガラスを集めたちり取りを目立つところに置いた。
あとはオーナーに謝ればいいだけだ。
ほうきを元の場所に戻して広間に帰ってくる。
そこであなたはようやく気付いた。
そういえば、いま何時なんだろう、と。
「……!?」
そして柱時計を見たあなたは再び目を見開いた。
時計の針は8時を指していた。
夜の8時?! 思わずカーテンをめくって外の様子を確認する。
外は真っ暗だった。
先ほどから窓がずっとガタガタとうるさい。
どうやら外は吹雪いているようだ。
「……」
あなたはそれを都合の良い理由として使うことにした。
きっと、この吹雪のせいで帰りが遅れているのだと、そう思うことにした。
ならば、やるべきことは一つだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる