45 / 545
第一章 火蓋を切って新たな時代への狼煙を上げよ
第六話 豹と熊(11)
しおりを挟む
◆◆◆
「「「ぅ雄雄雄雄オォッ!」」」
気勢を上げながら突撃する兵士達。
その中にサイラス達も混じっている。
相変わらず光弾による攻撃を受け続けているが、もはや悲鳴を上げるものは誰もいない。
だからサイラスはその気勢に負けぬように声を上げた。
「走りながら装填!」
地獄の中を駆けているにもかかわらず、銃を持つ兵士達全員がほぼ同時にその指示通りに動いた。
弾と火薬を装填し、火縄を準備する。
その準備と同時に、先頭の集団はまるで三つ又の槍を形作るかのように、左右に部隊を広げ始めた。
その意味は心で共有出来ていた。ゆえに、
「前方狙え! 撃て!」
サイラスはその形がある程度整うと同時に、叫んだ。
左右に広がった部隊の最前を走る者達が、ある一点を狙って一斉に発射する。
場に家屋などの障害物は無く、敵は隊列を組んで固まっている。だから暗闇でも問題無く狙える。
そして左右に展開したのはこのため。
いくら人数が多かろうと、なにかしらの工夫をしない限り、射線を得られるのは先頭付近の一列集団のみ。仲間も射線を塞ぐ障害物であることには変わりないのだ。
だから射線を増やすために、部隊の火力を上げるために左右に広がったのだ。
そしてその火力を一点に集中させたのは当然、そこに突破口を作るため。包囲網に穴を開けるため。
そしてその狙いは見事に成功したように見えた。
赤い花を咲き乱れ、影達の隊列に穴が開く。
が、その穴は直後に塞がれ始めた。
「続けて構え! 撃て!」
その修復作業を止めるために、次の火力も同じ場所にぶつける。
されど隊列の回復は止まらない。
むしろ、包囲の輪は狭まってきており、こちらが挟撃されつつあるように見えた。
だが、そのための左右展開であった。
右と左の部隊が挟撃を阻止するように、中央の部隊の盾になる。
左右の部隊が持ちこたえている間に、中央の部隊が駆け抜ける。
されど当然、左右の盾はそれほど長くは持ちこたえられない。あっという間に削られ、崩壊を始める。
だから修復する。
街のほうから駆けつけてきた後続の者達が、自発的に弱ったほうに加勢する。
この左右の部隊に参加して生き残れる可能性はゼロに近い。
されど、参加者達の心に恐怖や後悔などは無かった。
銃を持たない者達や、弾や火薬が切れた者達が自ら率先して命を捨てに行く。
これが「捨て奸」
仲間の率先的かつ自発的な犠牲を前提とする、戦神の域の戦術。
ゆえに、心を打たれないわけが無かった。
あるのは、ただ感謝のみ。
自分のために命を捨てようとしている者達への想いのみ。
ゆえに、包囲を抜けた者達の多くは振り返り、銃を構えた。
銃弾の雨で盾になっている者達を援護する。
しかし撃ちながらも足は止めない。走り続けなければやはり渋滞を起こすからだ。
だがそんな中、ひとり逆走を始めた者がいた。
「雄雄雄ォッ!」
気勢を上げて走り出したその者はやはりサイラス。
その気勢には少しだけ震えが混じっていた。
その両目からは熱いものが流れ始めていた。
だが、サイラスはそれを隠そうともせず、恥じてもいなかった。
これで心を打たれないやつは人間じゃない、そう思っていた。
あの時もこうすれば良かったのではないか、そんな風に空想の過去と今の自分を重ねていた。
されど、それはやはり感情のみによる行動だった。
感情に基づく決断は時に全体の士気に影響する。されど、今の状況で指揮官が深く考えずにやっていいことでは断じて無い。
ゆえに、
「大将!」
それを止めようとしているのか、それとも援護のためか、己でもわからぬまま、フレディはその背を追いかけ始めた。
デュランも共に併走する。
そしてこの三人の一見無謀な行動にも、仲間は即座に対応した。
サイラスが目指す方向に射撃を集中させる。
だが、そんなことをすれば他の箇所への牽制がおろそかになる。
その隙に気付いた影達が、前に抜け出た射手達に向かって突進を試みる。
これに、射手達は当然のように後退射撃を開始。
包囲を脱出した者達とサイラス達の距離が離れ始める。
先頭で引き撃ちする集団、後方を走っているいまだ包囲を抜けていない者達、それらを挟撃する影達、上空から見るとこれらは併走する三本の線のような形に変わり始めた。
だが、やはりある箇所だけはその変化に追従しなかった。
最初の衝突点、「捨て奸」の要である二枚の盾が残っている箇所だ。
ゆえに、全体の形はまるで蛇が大きな獲物を飲み込んだかのように、二枚の盾が踏みとどまっている箇所だけが膨らんだ形に。
だが、このままでは盾は守るべき者ごと、蛇の胃液に消化されてしまう。光弾を撃っているだけだった影達全員が接近戦をしかけに突進してきている。
その未来を変えるために、
「でぇやああっ!」
サイラスは右盾を攻撃している影達の背後から切り込んだ。
この時の影達に散って逃げるという選択肢は選べなかった。
そんなことをすればせっかくの挟撃が台無しだからだ。
ゆえに、
「蛇ッ!」
影の一人が気勢と共にサイラスを迎え討った。
が、
「がっ!?」
サイラスの放った一閃は迎撃の蛇を一方的に打ち破り、影の顔面を両断した。
「疾ッ!」
間を置かずに別の影がサイラスの真横を突くが、
「ぐあっ?!」
結果は同じ。
「「「破アァッ!」」」
ならば数人がかりでと、三方向から同時に放たれた爪がサイラスに迫る。
されど、
「うっ!?」「ぎゃっ?!」「あっぐ!」
響いたのは三つの斬撃音と影達の悲鳴だけだった。
真横を駆け抜けながらの胴薙ぎで左からきた一人目を倒し、振り返りながら放った袈裟斬りで正面からきていた二人目を切り伏せ、斜め下に振り下ろした刃を正面に戻しながらの突き上げで三人目の喉を串刺す。
この三人斬りでの所要時間、およそ数秒。
ゆえに三人の悲鳴は一部重なっていた。
すさまじい、後ろからそれを見ていたフレディはそう思った。
街中での戦闘の時よりもさらに速くかつ力強くなっている、それが目に明らかだった。
が、併走しているデュランの思いは違った。
サイラスは無茶をしている、デュランにはそれがわかっていた。
あれでは長くは戦えない、そこまでわかっていたゆえに、
「シャラァッ!」
デュランはフレディを置き去りにするように加速した後、独特の気勢を響かせて切り込んだ。
気勢からわずかに遅れて放たれたデュランの爪が一つの影をえぐり倒す。
「貴様!」
その新たな乱入者の背に向かって、別の影が光る爪を振り下ろす。
が、直後に響いたのは金属音。受け止めたのは遅れて到着したフレディの大盾。
そして二人は反撃はせず、互いの背をかばい合うようにサイラスの背後へ。
「「「ぅ雄雄雄雄オォッ!」」」
気勢を上げながら突撃する兵士達。
その中にサイラス達も混じっている。
相変わらず光弾による攻撃を受け続けているが、もはや悲鳴を上げるものは誰もいない。
だからサイラスはその気勢に負けぬように声を上げた。
「走りながら装填!」
地獄の中を駆けているにもかかわらず、銃を持つ兵士達全員がほぼ同時にその指示通りに動いた。
弾と火薬を装填し、火縄を準備する。
その準備と同時に、先頭の集団はまるで三つ又の槍を形作るかのように、左右に部隊を広げ始めた。
その意味は心で共有出来ていた。ゆえに、
「前方狙え! 撃て!」
サイラスはその形がある程度整うと同時に、叫んだ。
左右に広がった部隊の最前を走る者達が、ある一点を狙って一斉に発射する。
場に家屋などの障害物は無く、敵は隊列を組んで固まっている。だから暗闇でも問題無く狙える。
そして左右に展開したのはこのため。
いくら人数が多かろうと、なにかしらの工夫をしない限り、射線を得られるのは先頭付近の一列集団のみ。仲間も射線を塞ぐ障害物であることには変わりないのだ。
だから射線を増やすために、部隊の火力を上げるために左右に広がったのだ。
そしてその火力を一点に集中させたのは当然、そこに突破口を作るため。包囲網に穴を開けるため。
そしてその狙いは見事に成功したように見えた。
赤い花を咲き乱れ、影達の隊列に穴が開く。
が、その穴は直後に塞がれ始めた。
「続けて構え! 撃て!」
その修復作業を止めるために、次の火力も同じ場所にぶつける。
されど隊列の回復は止まらない。
むしろ、包囲の輪は狭まってきており、こちらが挟撃されつつあるように見えた。
だが、そのための左右展開であった。
右と左の部隊が挟撃を阻止するように、中央の部隊の盾になる。
左右の部隊が持ちこたえている間に、中央の部隊が駆け抜ける。
されど当然、左右の盾はそれほど長くは持ちこたえられない。あっという間に削られ、崩壊を始める。
だから修復する。
街のほうから駆けつけてきた後続の者達が、自発的に弱ったほうに加勢する。
この左右の部隊に参加して生き残れる可能性はゼロに近い。
されど、参加者達の心に恐怖や後悔などは無かった。
銃を持たない者達や、弾や火薬が切れた者達が自ら率先して命を捨てに行く。
これが「捨て奸」
仲間の率先的かつ自発的な犠牲を前提とする、戦神の域の戦術。
ゆえに、心を打たれないわけが無かった。
あるのは、ただ感謝のみ。
自分のために命を捨てようとしている者達への想いのみ。
ゆえに、包囲を抜けた者達の多くは振り返り、銃を構えた。
銃弾の雨で盾になっている者達を援護する。
しかし撃ちながらも足は止めない。走り続けなければやはり渋滞を起こすからだ。
だがそんな中、ひとり逆走を始めた者がいた。
「雄雄雄ォッ!」
気勢を上げて走り出したその者はやはりサイラス。
その気勢には少しだけ震えが混じっていた。
その両目からは熱いものが流れ始めていた。
だが、サイラスはそれを隠そうともせず、恥じてもいなかった。
これで心を打たれないやつは人間じゃない、そう思っていた。
あの時もこうすれば良かったのではないか、そんな風に空想の過去と今の自分を重ねていた。
されど、それはやはり感情のみによる行動だった。
感情に基づく決断は時に全体の士気に影響する。されど、今の状況で指揮官が深く考えずにやっていいことでは断じて無い。
ゆえに、
「大将!」
それを止めようとしているのか、それとも援護のためか、己でもわからぬまま、フレディはその背を追いかけ始めた。
デュランも共に併走する。
そしてこの三人の一見無謀な行動にも、仲間は即座に対応した。
サイラスが目指す方向に射撃を集中させる。
だが、そんなことをすれば他の箇所への牽制がおろそかになる。
その隙に気付いた影達が、前に抜け出た射手達に向かって突進を試みる。
これに、射手達は当然のように後退射撃を開始。
包囲を脱出した者達とサイラス達の距離が離れ始める。
先頭で引き撃ちする集団、後方を走っているいまだ包囲を抜けていない者達、それらを挟撃する影達、上空から見るとこれらは併走する三本の線のような形に変わり始めた。
だが、やはりある箇所だけはその変化に追従しなかった。
最初の衝突点、「捨て奸」の要である二枚の盾が残っている箇所だ。
ゆえに、全体の形はまるで蛇が大きな獲物を飲み込んだかのように、二枚の盾が踏みとどまっている箇所だけが膨らんだ形に。
だが、このままでは盾は守るべき者ごと、蛇の胃液に消化されてしまう。光弾を撃っているだけだった影達全員が接近戦をしかけに突進してきている。
その未来を変えるために、
「でぇやああっ!」
サイラスは右盾を攻撃している影達の背後から切り込んだ。
この時の影達に散って逃げるという選択肢は選べなかった。
そんなことをすればせっかくの挟撃が台無しだからだ。
ゆえに、
「蛇ッ!」
影の一人が気勢と共にサイラスを迎え討った。
が、
「がっ!?」
サイラスの放った一閃は迎撃の蛇を一方的に打ち破り、影の顔面を両断した。
「疾ッ!」
間を置かずに別の影がサイラスの真横を突くが、
「ぐあっ?!」
結果は同じ。
「「「破アァッ!」」」
ならば数人がかりでと、三方向から同時に放たれた爪がサイラスに迫る。
されど、
「うっ!?」「ぎゃっ?!」「あっぐ!」
響いたのは三つの斬撃音と影達の悲鳴だけだった。
真横を駆け抜けながらの胴薙ぎで左からきた一人目を倒し、振り返りながら放った袈裟斬りで正面からきていた二人目を切り伏せ、斜め下に振り下ろした刃を正面に戻しながらの突き上げで三人目の喉を串刺す。
この三人斬りでの所要時間、およそ数秒。
ゆえに三人の悲鳴は一部重なっていた。
すさまじい、後ろからそれを見ていたフレディはそう思った。
街中での戦闘の時よりもさらに速くかつ力強くなっている、それが目に明らかだった。
が、併走しているデュランの思いは違った。
サイラスは無茶をしている、デュランにはそれがわかっていた。
あれでは長くは戦えない、そこまでわかっていたゆえに、
「シャラァッ!」
デュランはフレディを置き去りにするように加速した後、独特の気勢を響かせて切り込んだ。
気勢からわずかに遅れて放たれたデュランの爪が一つの影をえぐり倒す。
「貴様!」
その新たな乱入者の背に向かって、別の影が光る爪を振り下ろす。
が、直後に響いたのは金属音。受け止めたのは遅れて到着したフレディの大盾。
そして二人は反撃はせず、互いの背をかばい合うようにサイラスの背後へ。
0
あなたにおすすめの小説
断罪中、味方が多すぎて王子が孤立している件について
夏乃みのり
恋愛
バーンスタイン伯爵家の令嬢ラミリアは、魔力も剣の才能もない「ごく普通」の地味な女性。
ある日のパーティーで、婚約者であるジェラルド第二王子から「地味で無能で嫉妬深い」と罵られ、身に覚えのない罪で婚約破棄を突きつけられてしまう。
しかし、断罪劇は予想外の展開へ。
《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃
ぜらちん黒糖
恋愛
「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」
甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。
旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。
「それは本当に私の子供なのか?」
悪役令嬢は手加減無しに復讐する
田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。
理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。
婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
婚約破棄されて追放寸前だったのに、なぜか冷徹なはずの氷の公爵様から世界で一番甘く愛されています。
黒崎隼人
ファンタジー
「リゼット・フォン・ヴァインベルク! 貴様との婚約を、今この時をもって破棄する!」
卒業パーティーの夜、公爵令嬢リゼットは婚約者の王太子から冤罪を突きつけられ、全てを失った。
絶望の淵に沈む彼女に手を差し伸べたのは、『氷の公爵』と噂される冷徹な美青年、キリアン・アシュフォード。
「ならば、俺が君を娶ろう」
彼の屋敷で始まったのは、戸惑うほどに甘い溺愛の日々。
不器用な優しさに触れるうち、凍てついた心は少しずつ溶かされていく。
一方、リゼットを陥れた偽りの聖女は王宮で増長し、国に災いを招き寄せていた。
やがて真実が暴かれる時、元婚約者は後悔の涙を流すけれど――もう、遅い。
これは、不遇の令嬢が本当の愛を見つけ、世界で一番幸せになるまでの物語。
痛快な逆転劇と、とろけるような溺愛があなたを待っています。
乳だけ立派なバカ女に婚約者の王太子を奪われました。別にそんなバカ男はいらないから復讐するつもりは無かったけど……
三葉 空
恋愛
「ごめん、シアラ。婚約破棄ってことで良いかな?」
ヘラヘラと情けない顔で言われる私は、公爵令嬢のシアラ・マークレイと申します。そして、私に婚約破棄を言い渡すのはこの国の王太子、ホリミック・ストラティス様です。
何でも話を聞く所によると、伯爵令嬢のマミ・ミューズレイに首ったけになってしまったそうな。お気持ちは分かります。あの女の乳のデカさは有名ですから。
えっ? もう既に男女の事を終えて、子供も出来てしまったと? 本当は後で国王と王妃が直々に詫びに来てくれるのだけど、手っ取り早く自分の口から伝えてしまいたかったですって? 本当に、自分勝手、ワガママなお方ですね。
正直、そちらから頼んで来ておいて、そんな一方的に婚約破棄を言い渡されたこと自体は腹が立ちますが、あなたという男に一切の未練はありません。なぜなら、あまりにもバカだから。
どうぞ、バカ同士でせいぜい幸せになって下さい。私は特に復讐するつもりはありませんから……と思っていたら、元王太子で、そのバカ王太子よりも有能なお兄様がご帰還されて、私を気に入って下さって……何だか、復讐できちゃいそうなんですけど?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる