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第四話 恋と衝撃の秋(14)

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   ◆◆◆

 そして二人で帰路についた。
 といっても、すぐに別れることが決まったわけでは無い。
 教室にカバンを置いたままだからだ。
 だから俺達は校舎の外周をなぞるように、体育館裏から校舎裏へと、教室への最短ルートを二人で並んで歩いていた。
 そしてそれを見つけてしまったんだ。

「「!」」

 驚きのあまり、二人で同時に立ち止まったのをよく覚えている。
 視界の先、普段ならば誰も来ない校舎裏に一組の男女がいた。
 距離があったからか、向こうはこちらに気付いていないようだった。
 だからだろう、その二人は俺達が見ている中で、顔を寄せ合った。

「「……っ!」」

 衝撃のそれを見てしまった俺達は慌てて、しかし音を立てずに、来た道を逆走した。
 そして自販機の前まで戻ってから、彼女はようやく緊張と驚きの静寂を破った。

「……すごいもの見ちゃったね」

 これには同意せざるを得なかった。
 興奮のせいか、彼女は間を置かずに言葉を続けた。

「でもまさかあの二人がそうだったなんて……」

 彼女の「まさか」の言葉のとおり、その二人は知ってるやつだった。クラスメイトだった。
 だからこれにも俺は同意せざるを得なかった。
 二人がそんな関係だったなんて全然気付かなかった。そんな素振りはまったくなかった。
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