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Ep.1 調査隊の船から回収した記録(2)
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「状況は以上だ。こちらからではどうしようもないので、チームを組んで乗り込んでもらう」
集まったメンバーに対して隊長が説明を終えると、屈強な男が口を開いた。
「隔壁の向こうに生存者がいるんですかね?」
同じ事を隊長も思った。
だが、判断する情報が無い。
だから隊長は軽く首を振りながら答えた。
「いや、いきなり隔壁をどうこうしようとは思っていない。まずは少数で様子を見に行ってもらう。その後、必要そうな装備を持たせて次のチームを送る」
そう言ってから隊長は軽くメンバーを見回し、再び口を開いた。
「先発の調査隊は三人で行ってもらう。」
隊長は少し考えてから決めた。
「そうだな……レイモンドとシェリー、あと一人は……ランベルト、頼めるか?」
これに古参のランベルトが頷きを返すと、他の二人も同じように頷いた。
レイモンドは機械に強く、シェリーは医療が専門だ。
ランベルトに専門は無い。この仕事が長いため大抵のことは出来る。ベテランの何でも屋という感じだ。
「事態は最悪の可能性を示している。未知の病原菌の蔓延などが予想される。全員、対災害用のスーツを装着しろ」
レイモンドとシェリーは再び頷きを返したが、ランベルトは口を開いた。
「隊長、念のために何か武器を持っていきたいのだが」
これに隊長は頷き、通信士の女性に尋ねた。
「この基地の壁は何で出来ている?」
通信士は端末を軽く触ってから答えた。
「とても古い施設ですから……あー、駄目ですね。かなり脆い。威力のある火器は使えませんね。うちの武器の中で使えるものだと……こんなところですね」
隊長は同じ端末を覗き込み、眉をひそめてから口を開いた。
「骨董品ばかりだな……これだけか?」
残念ながら、と、通信士は答えた。
「これ以外の武器だと、そこら中が穴だらけになってしまいます」
その答えに隊長は小さなため息をついた。
面倒な作業が確定したからだ。
隊長はその内容を嫌そうに述べた。
「よし、三人以外は今から一緒に俺と来い。倉庫の奥のどこかに眠ってるであろう、このアンティーク品を引っ張り出す作業だ」
これに、三人以外はあからさまに嫌そうな顔をした。
しかし隊長はそれを無視し、三人に向かって口を開いた。
「三人は自分達の準備をしてくれ。装備を小型低に積んだら出発だ」
三人は「「「了解」」」と、綺麗な返事を返した。
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