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Ep.1 調査隊の船から回収した記録(4)
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「ドローン発進」
レイモンドが発したその言葉と共に、モニターに映っている小さな機械が動き始めた。
大人のオモチャのような、見た目は高級なラジコンと大差無い小さな車が、小型艇と基地を繋ぐ通路に進入する。
「船側の隔壁閉鎖」
ランベルトが言いながら端末を操作する。
すると、モニターの画面の上から、壁のような扉がゆっくりと降り始めた。
重々しい音と共に隔壁が閉じ、壁の向こうにいる偵察用ドローンが見えなくなる。
「カメラ切り替え」
直後、レイモンドの言葉と共にモニターの映像が切り替わった。
その低い視点から、それがドローンに搭載されているカメラからの映像であることが一目で分かった。
「感度良好」
「空気圧調整」
レイモンドとランベルトが慣れた手順をこなす。
そして通路の空気圧が通常値を示したと同時に、ランベルトが口を開いた。
「よし、それじゃあ、玄関を開けるぞ」
これにレイモンドとシェリーは少し緊張した表情を返した。
「基地側の隔壁を解除」
ランベルトの声と共に、基地の重々しいドアが開き始める。
一体中で何が起きたのか、その答えが明らかになる。
二人はそう思っていた。
が、
「「……」」
その期待はまだ早かったようだ。
特に異常は見あたらない。
「空気圧に変化無し」
ランベルトの淡々とした報告が二人の緊張をほぐす。
ゆえに、レイモンドは気を取り直して声を出すことができた。
「ドローン前進。基地内部に侵入します」
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