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Ep.3 ファーストコンタクト(3)
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「I LOVE YOU ~♪」
その歌詞は知っているものであったがゆえに、通信士は中断された会話を再開させようとした。
「船長、その曲は――」
だが、船長の意識にはその声は届いていないようであった。
「PLEASE LOVE ME ~♪」
だから通信士は絶対に意識に入る手段を取った。
船長が座っているデスクの端末に回線を繋ぎ、ビデオ通話を開始したのだ。
「「船長~聞こえますか~」」
近くにいる本人の声と、端末から発せられる声が二重音声となって船長の耳に響く。
さすがの船長もこれには反応せざるを得なかった。
「なんだ?」
「その曲、『最近』売れてるやつでしょ?」
それは船長にとって嬉しい質問であった。
ゆえに船長は「ああ」と答え、言葉を続けた。
「俺はインディーズの頃から追ってたからな。メジャーデビューした時は嬉しかったよ」
その話題に通信士は乗った。
「インディーズの頃はどうだったんです?」
「今よりもメロディーに厚みが無かったな。メジャーになる時に出したアルバムにはリメイクされたやつが何曲か収録されているけど、どれも楽器が追加されていたり、とにかく重厚に、そして複雑になってたな。それが良いっていう奴もいるし、前のほうが良かったってやつもいる。俺はどっちも好きだがね」
「ああ、はいはい。リメイクの賛否両論はあるあるですねえ~」
その後、二人は眠くなるまで音楽談議に華を咲かせた。
◆◆◆
そして船長は通信士よりも一足先に自室の寝具の中に体を横たえた。
眠る前に、船長はいつもの『儀式』をやった。
寝具のそばに立てかけてある写真立ての位置を整えるのだ。
妻と子が映った思い出の写真。
この船はめったに揺れない。だから位置がずれることはほとんど無いのだが、寝る前に確認して触るのが習慣になっていた。
そうして船長は思い出と郷愁に浸った後、意識を落とした。
その歌詞は知っているものであったがゆえに、通信士は中断された会話を再開させようとした。
「船長、その曲は――」
だが、船長の意識にはその声は届いていないようであった。
「PLEASE LOVE ME ~♪」
だから通信士は絶対に意識に入る手段を取った。
船長が座っているデスクの端末に回線を繋ぎ、ビデオ通話を開始したのだ。
「「船長~聞こえますか~」」
近くにいる本人の声と、端末から発せられる声が二重音声となって船長の耳に響く。
さすがの船長もこれには反応せざるを得なかった。
「なんだ?」
「その曲、『最近』売れてるやつでしょ?」
それは船長にとって嬉しい質問であった。
ゆえに船長は「ああ」と答え、言葉を続けた。
「俺はインディーズの頃から追ってたからな。メジャーデビューした時は嬉しかったよ」
その話題に通信士は乗った。
「インディーズの頃はどうだったんです?」
「今よりもメロディーに厚みが無かったな。メジャーになる時に出したアルバムにはリメイクされたやつが何曲か収録されているけど、どれも楽器が追加されていたり、とにかく重厚に、そして複雑になってたな。それが良いっていう奴もいるし、前のほうが良かったってやつもいる。俺はどっちも好きだがね」
「ああ、はいはい。リメイクの賛否両論はあるあるですねえ~」
その後、二人は眠くなるまで音楽談議に華を咲かせた。
◆◆◆
そして船長は通信士よりも一足先に自室の寝具の中に体を横たえた。
眠る前に、船長はいつもの『儀式』をやった。
寝具のそばに立てかけてある写真立ての位置を整えるのだ。
妻と子が映った思い出の写真。
この船はめったに揺れない。だから位置がずれることはほとんど無いのだが、寝る前に確認して触るのが習慣になっていた。
そうして船長は思い出と郷愁に浸った後、意識を落とした。
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