Closed castle ー閉ざされた城ー

存在の意義

襲撃 2

　水槽は次々と割れ、地面に落ちてはヨロヨロと立ち上がっていった。
目は赤く光り、手は鋭い刃物となって今にも歯向かって来そうだった。

「皆の者、容赦するんじゃないよ。
　掛かれ！」

　魔女の声を期に、一斉に歯向かってきた。
目は一層鋭さを増し、手は真っ赤に光り輝く。
鋭さを増した刃先はキラリと輝いていた。

「そんな、皆やめて！
　止まって、お願い！」

　声を張り上げても聞き入れようとはしない。
それもそうだ、私達は各々仲間を殺してしまった。
遣ってることはお互い同じじゃないか。

「そうだよね、やってることは変わらないよね」

　安西は構えていた手を降ろした。

「安西！
　今下ろしたら、奴等の思う壺だぞ！」
「いいの、いいのこれで」

　その場に膝間付いた。

「バカ、ここに来て命落とす奴があるか！
　何のためにここに来たんだ！
　皆を守るためだろ？
　これ以上、同じ過ちを繰り返さないためだろ？
　ここまで来て辞めてどうする！」

　桐生の言葉にハッとした。
そうだ、ここを潰さない限り、私達はまた恐怖に怯えた日々を過ごさなければならない。
ここで生きる《自分達》も、悲しい運命を辿るだけになる。

「こんな社会でしか生きれないのなら、私が変えて見せる！」