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番外編 アフォガートのたたかい方
僅かな警戒心すらも抱かなかった。
声に歪む愉悦から、彼女がしているであろう荒み切った微笑みから、一瞬でも早く離れたいと思っていたアフォガートにとっては縋るに相応しい代物であったから。
扉の隙間から入ってきた離婚届にじっくりと目を通し、一切の不利益がないことを確認したアフォガートはささっとサインし、扉の隙間から離婚届を返す。
「あぁ、そうそう。お姉様、ターキッシュ伯爵様と結婚なさるそうですわよ。よかったですわね、大好きなお姉様が幸せになられて。あはっ!」
楽しそうな声と共に胸の中に寒い風が吹き荒んだ。
………彼女に幸せになってくれと言ったのは他のだれでもない俺自身じゃないか。
自嘲の笑みを浮かべたアフォガートは、けれど次の瞬間首を傾げる。
ターキッシュ伯は好色で有名な男だったはずだが………、
疑り深く抜け目がなく、それでいてふしだらな人間を嫌うモカの人選とは到底思えない婚姻に、アフォガートは思案に耽るが、やがてそれら全ては意味をなさないと悟り苦笑した。
「………俺はモカが幸せそうに微笑んでいたら、それで十分だ。そうだろう?」
自らに言い聞かせるように呟いたアフォガートはそのままベッドに突っ伏し眠ってしまった。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
声に歪む愉悦から、彼女がしているであろう荒み切った微笑みから、一瞬でも早く離れたいと思っていたアフォガートにとっては縋るに相応しい代物であったから。
扉の隙間から入ってきた離婚届にじっくりと目を通し、一切の不利益がないことを確認したアフォガートはささっとサインし、扉の隙間から離婚届を返す。
「あぁ、そうそう。お姉様、ターキッシュ伯爵様と結婚なさるそうですわよ。よかったですわね、大好きなお姉様が幸せになられて。あはっ!」
楽しそうな声と共に胸の中に寒い風が吹き荒んだ。
………彼女に幸せになってくれと言ったのは他のだれでもない俺自身じゃないか。
自嘲の笑みを浮かべたアフォガートは、けれど次の瞬間首を傾げる。
ターキッシュ伯は好色で有名な男だったはずだが………、
疑り深く抜け目がなく、それでいてふしだらな人間を嫌うモカの人選とは到底思えない婚姻に、アフォガートは思案に耽るが、やがてそれら全ては意味をなさないと悟り苦笑した。
「………俺はモカが幸せそうに微笑んでいたら、それで十分だ。そうだろう?」
自らに言い聞かせるように呟いたアフォガートはそのままベッドに突っ伏し眠ってしまった。
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